風のゆらぎを感じたい
風は正直だ。
風薫る5月、若葉、青葉の季節である。
日本列島の季節が変わる。
川沿いには紫のホトノケザ、黄色のオニタビラコ
あぜ道にハコベ、ヨモギ
政治や経済に1流、2流はあっても、
自然にそんな区別はない。
「自然にやさしく」という。
山を削り、道を通すなど樹木とのかかわりを断ち切る
ような現実は、いたましい。
だが。もともと、自然の方がやさしいのだ。
自然を救うのではなく、自然に救われるのだ。
森に入って、木に触れ、風を聞き、花をながめてみよう。
すきまない青葉の緑も、よくみると濃い緑から
淡い緑まである。淡さを基調にしたもの、
白みががかったもの、赤っぽいものなど
色合いは多彩である。
日本は風の国である。
「やませ」「おろし」「だし」「はえ」
2千以上もの、風の呼び名が土地、土地にある。
風は人々との生活に離れ難く、結びついているからだ。
古代人は風に受胎させる力がある。
おそれ敬った。
風と緑は人間にとっての、きずなであり、
命綱でもある。
風は息をしている。
いつも一定の方向、強さで吹いているのではない。
風は揺れている。強く、弱く、前後、左右、上に、下に。
いま耳に聞こえてくるのは、「危機」や「混迷」「閉塞感」
の合唱ばかり。
世の中がよどむと、ひとびとの気分も落ち込む。
フランスの花ことばで、青葉は「希望」である。
新葉を楽しみながら、5月のふんわりとした
風の揺らぎを全身で感じてみてはどうだろう?
風と緑が、きっと元気をつれてくれる。
(朝日新聞 1998年5月1日付 社説より 1部要約)
時間が12時を回り、暫定税率の可決によって、
ガソリンの値段が30円ほど値上がりした。
ガソリンスタンドは値上げのタイミングに頭を悩ませる一方、
ドライバーからは値上げや政治の混乱に反発する声が上がった
ゴールデンウィークを前に、日本列島には、
混乱の風が吹いている。
フランスの花ことばで、青葉は「希望」である
暫定税率を上げることで、国は2兆8000億円もの
財源を確保できる。
しかし、日本そのものは800兆円もの債務をかかえた
借金大国である。
明日は明日の風が吹くという。
3月から4月、4月から5月と、
混乱の風が吹いてまわっている。
5月はどんな風を国民は感じるのだろうか。
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