Ｒｅ．１９９８．９．４

私の文章　読んでください

【書きたがる人々】続々

文章を書きたがる人が増えている。
もともと自己表現の手段として、「書く人」は
少なくなかったが、パソコンが普及し、【書くこと】がより
身近になった。

インターネット上で日記やエッセーを公開する
若者も増えるなど、【書くこと】の意味も変わってきている。

インターネットの検索サイト【ヤフー】に、
【日記】というキーワードを入れてホームページを
検索すると、６２００以上あった。

育児日記、ダイエット体験記、会社員の日記
旅行記など、内容はさまざま。恋愛の悩みをつづった日記もある。

ネットで毎日　発表

岐阜県の女性は、ネット上で日記
を毎日書いているが、パスワードを設け、
顔見知りや知人には見せないようにしている。

「日常的な内容なので、関係者に読まれると困るけど、
　全く関係のない人は楽しめるはず。
　非現実的な世界で普段とは違う自分を表現したい。
　書いたものは誰かに読んでほしいですね。」


作品を形にするとき、一般的なのが自費出版だ。
年約１００冊を手がける朝日出版東京本社出版局の
出版サービスの場合、ここ数年多いのが、企業ものだ。

最近では、年配の人は戦争中の「学徒動員日記」や
裁判についての主張、定年後に実現した旅行記など
長年温めてきたものが、若い人は写真もの、絵本が目立った。

６月に「小説を書きたがる人々」を出した作家の久美さんは、

「パソコンの普及が書くこと、発表することへの
　敷居を低くした。」と見る。

「ただ、読書量も人生経験も乏しいから、怖いもの知らず。
　テレビでアイドルを見て、この程度なら、自分にも
　できる、と勝手に自信を持つのと同じ。
　プロの仕事は責任が伴うことを自覚した上で、
　書くことに挑戦したい。」

（朝日新聞　家庭欄より　１９９８年９月４日付け）


今や、芸能人からスポーツ選手などの有名人
そして誰でもが、ブログとしてインターネット上に
日記を公開している時代になった。

子供の頃から、テレビやテレビゲームなど
最新情報に触れながら、私達は育ってきた。

インプットする情報はたくさんある。
しかし、今まではアウトプットする場所がなかったのかも
しれない。

出版物も、ビジネスや文学などのものから、
サブカルチャーと呼ばれる分野もあり
ジャンルに問われない、様々なものが表現として出されている。

ケータイで文章を書くことが出来る時代でもある。

自分を表現すること
あと１０年後、ケータイやインターネットではない表現方法は
生まれているだろうか？

楽しみでもある。