今夜も一杯! 昭和浪漫

日常生活の中で温故知新に焦点をあてて書いてます。

新型コロナ対策の駐輪場

2021年05月21日 13時56分20秒 | タウンマネジメント
最近は、従来型ウィルスより感染力が強く重症化しやすい変異ウィルスの感染者が急増している。日本も海外と同様に感染症対策のための経済活動を長期間抑制しているため、消費者も実店舗での購入を抑えオンラインで購入し、自宅での消費が増加している。その結果、多くの商業施設で労働力需要が落ち込み、雇用が失われる可能性が高い状況が続いている。
すでに日本でも必要なワクチン数の確保の目処と接種スケジュールは発表されているが、実施は遅れ気味だ。新型コロナ感染の拡大で消費者の行動や価値観が大きく変化した。特に大きな影響を受けて倒産に至る業種は、飲食店やホテル等の店舗型ビジネスを展開する企業が多く、ネット通販のような無店舗型ビジネスは影響が少ない。
一方、コロナ禍の不況をほとんど感じさせず、好調な売上を伸ばしているのが自転車の販売台数だ。日本だけでなく、欧州などでも同様な右肩上がりの傾向を示している。ドイツやフランスでの自転車利用者の報告をみるとコロナ禍前より4~5割増となっている。これは市中感染リスクのバスや電車を避けるための代替え移動手段として選択された結果であり、外出制限下の運動用具としての自転車の価値を見直した人が多いのが理由だと言われている。個人メリットだけでなく、国レベルで考えても自転車は地球温暖化対策にも貢献している。インドネシアでは、コロナ禍の在宅勤務者が増加し運動不足対策として自転車利用が前年比で数倍になったとの報告もある。

国や自治体から不要不急の外出は自粛して欲しいという要請が出ていても、通勤や通学、日常生活の買物や健康維持の為の外出が必要な場合もある。公共の交通機関のバスや電車のように混雑が発生しやすいものを避け、感染リスクを避ける有効な手段として自転車の利用が日本でも見直されてきた。一方、多くの企業でテレワークやリモートワークが推奨されて自宅で巣ごもり生活をする人も増えた。その結果、自宅で快適に過ごすためにネット通販や人気飲食店からの食事宅配も定着してきた

思い出してもらいたい災害がある。10年前に発生した東北大震災、多くのビルや家屋の倒壊に加え、道路や鉄道や橋の損壊等もあった。さらに観測史上最大の大津波による人的被害も大きかった。津波は時速100Kmを超える速度で迫り、逃げ遅れたあらゆる物を飲み込んで行った。地震で道路の損壊や陥没が発生すれば、避難しようとしても車が正常走行できなくなる。さらに停電が発生すれば、電車だけでなく、道路の交通信号も停止する。交差点では交通渋滞が発生し、車やバスも自由に運行できなくなってしまう。筆者も当日は自宅から約40km離れた立川駅で地震に遭遇した。足元が大きく揺れ、目の前の電信柱と電線が音を立てて揺れているのを見て怪我をしないよう慌てて両手で頭を覆い、うずくまった。余震が収まり、駅に向かって歩いて行くと既に電車は運行停止だった。揺れが落ち着き家族の安否を確認するため携帯電話で連絡を取ろうとしても、通信回線が混んでいるため何度もトライしたが連絡が取れない。そんな混乱状態の中でも目の前を自転車でスイスイ走行している人達をみて、ハッと気がついた。もし自転車が利用できれば2~3時間で帰宅出来ると考え、自転車屋さんに駆け込んだが、すでに売り切れ状態だった。帰宅も出来ず店舗も閉鎖されている状況の中、駅のコンコースに座り込んで野宿をした記憶が鮮明に残っている。

自治体は各種の災害に備え水や食料品の備蓄だけでなく、交通機関の全面停止に備え、大量の帰宅難民者や移動困難者を出さないため、自転車を活用した街づくりや、中古自転車でも良いので備蓄をするべき時代だと思う。ただし、長期間保存でもタイヤの空気圧を心配しなくてもすむパンクレス加工か、ノーパンクタイヤを採用すべきだ。新型コロナのような感染症も、地震と同様に災害だと捉えれば、具体的な対策の姿が見えてくる。
日常生活の中で自転車利用者が駐輪場を利用する場合、時間貸し利用者なら、指で発券機ボタンを押して開場操作をする。出庫時は、精算機で駐車位置番号を指で入力し、料金を精算すれば、ロックが解除され出庫出来る。しかし、指でタッチする方式は、同じボタンを触っているのは不特定多数であり感染リスクが多い。感染症対策が十分な自転車駐車場を実現するには、時間貸でも定期利用でも、入場から退場まで管制機器に指や手が触れない(ハンズ・フリー)で動作することが求められる。定期利用者対策として、事前にICタグかICシールを自転車のフレームや前輪のスポーク部に取り付けておけば、ハンズ・フリーの開閉が可能となる。一時利用者の場合は、精算機の操作パネルに赤外線センサーを搭載し、タッチしなくても指をかざすだけで動作する非接触式ボタンを採用すれば、感染対策として安心できる。既存の入退場制御機器を非接触型ボタン操作への置き換えを含め、ハンズ・フリー操作の実現は今後の駐輪場利用者に対するウィルス対策のキーワードの1つだと言える。


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