良かったです。タカラヅカファンとしての立ち位置に困るほど、良かった。
1年前に見た月組さん初演Ver.の感想はこちら
当時の感想をざっくりまとめると、
「トップコンビがカップル役じゃないし、群像劇で主軸が見えにくいし、
東宝ミュージカルのほうが向いてるんじゃないの?(途中まで)」
→「(途中から)皆カッコいい! このカッコ良さはタカラヅカならでは!」
……だったのですが。
東宝版、皆ものすご~くカッコ良くて美しくて、
じゃあ宝塚で初演した意義はどこにあったの?? と思ってしまったのですよ。
いや、決して月組さんVer.をディスりたいわけじゃなくて、むしろ見ながら
去年の月組メンバーの熱演を思い出して、「皆凄かったな~」と思っていたのです。
宝塚には、すみれコードとかスターシステムとか、様々な制約があるわけです。
私も保守的なヅカファンでなおかつコンビ厨なので、
トップコンビにはラブラブカップルでいてもらいたいし、
学年とか番手とかと役付との関係はやっぱり気になるし。
そういう制約があってこその宝塚だと思うし、
制約があったからこそ名作になった作品も多いと思ってます。
でもこの「1789」に関しては、そういう制約は不自由さでしかなく、
見る立場としては、キツイ言い方すると邪魔でさえあり、
その制約から解放された東宝版が実にストレスフリーだったのも事実。
(本当に、あれだけ制約をかけられながら、よくぞあそこまでのクオリティで
初演をやりきったと思うの、月組さん。
まさおも、ちゃぴちゃんも、かちゃもみやるりも、たまきちもありちゃんも、
くらげちゃんもはーちゃんも、マギーさんもるう君も、みんなみんな。)
加えて、ここ10年ぐらいの「外部」ミュージカル界は、
若くて実力のあるイケメン俳優さんたちが一気に増加しており、
宝塚の最大の売りである(と私が思っている)「ビジュアル」「非日常感」が
絶対的な優位性を持てなくなっているという現状がある。
「エリザベート」なんかは、東宝版も宝塚版もそれぞれ大好きなので、
宝塚は宝塚として揺るぎなく独自の世界を築けば良いと思っているのですが、
この「1789」を見て、宝塚と外部ミュージカルとの棲み分けはどうあるべきなのか、とか、
徒然考えてしまった次第です。
それだけ、今回の東宝版「1789」が良かったということなのよ!
何とは言わないけど「外部にしてリアル男性が演じると、
ファンタジーが成立しなくなってキツいな…」と思ってしまったものもあるんだから!
さて、以下は私的ポイント別に「好き」を語ります!
1.主役カップル
この日のキャストは、ロナン:小池徹平、オランプ:夢咲ねね。
てっぺい君、ザッツ主人公…!
小柄なんですよ~。後述するように、革命家トリオがのっぽさん揃いなので、体格差が凄いことに(笑)
それが、少年ぽさに拍車をかけて、未熟なのも、熱血なのも納得の、
少年マンガの主人公のようなロナン。ロナンの成長物語。
だからこそ、オランプとの純愛を素直に応援できるし、
最後の悲劇に泣ける。幸せになってほしかった……!
歴史を考えると、生き延びても茨の道しか待っていなかっただろうけれど、それでも。
そして、ねねちゃんのヒロイン力。
伊達にトップ娘役やってないよね。
宝塚の最後のほうは結構貫禄出てきていたし、多分、アントワネット役も可能なんだろうけど、
この「少女」役が、相変わらずめちゃかわいい。
そして、ロナンとオランプがあんまり身長差が無いのが(笑)萌え。
同じ目線でケンカして、同じ目線で恋に落ちて、同じ物を目指して走る。
身分故に引き裂かれても、この2人は一緒に生きる運命なのだと、そう思える。
そして宝塚以上に、この2人のラブストーリーが主軸になっていた。
おかげで、スッキリわかりやすい構成に。
(ていうか、なぜ宝塚でそれができなかった…!)
てっぺい君の「恋する男」いいなあ。『ちかえもん』の徳様も好きだった。
2.もう一組の主役カップル
マリー・アントワネット@花總まり&フェルゼン@広瀬友祐。
いや、フェルゼンの出番少ないし、見せ場はほとんどないんですが(情けない場面が多い)
お花様がフェルゼンへの想いを歌い出したら、それがメイン場面になってしまう(笑)
最後の歌なんか、革命サイドの存在を完全に忘れさせてくれましたからね。
花總まり、恐るべし。
造形としてはあんまり新鮮さは無かったです。これぞお花様、っていう感じだった。
ドレスの着こなしは言うに及ばず。
花總アントワネットは、永遠の少女。霞を食べて生きているような非現実感。
最後も、王妃としての覚醒というかは、余計な憑き物が全部落ちて、
本来の「あるべき姿」になった、という感じでした。
3.アルトワ伯&秘密警察チーム&ペイロール
月組さんの時の感想で、「アルトワ伯は、東宝でやるなら吉野圭吾さん一択」
とか書きましたが、そしたら本当に吉野さんだったので笑ってしまった。
安定の、吉野圭吾。期待通りの、吉野圭吾。楽しそう~~。
(ただ、「私は神と同じだ」で、昨年末のタカスペみやるりが浮かんでしまったのは内緒。)
媚薬の前段階で催眠術とか出てくるのは、有能なのかセコいのか。
そして、ラマール@坂元健児……
え、サカケンさんの使い方、これでいいの?? めっちゃ贅沢やん??
いやあ、愛しくて仕方ないのです、このラマール。
オランプ、もっと優しくしてあげようよ~(月組版に引き続き、今回も思った)
しかし秘密警察の皆さんは何故あそこまで無能なのか(爆)
ペイロール伯は岡幸二郎さん。
…怖いです。だってジャベールですよジャベール!!
彼がラスボスで、異議無し。
歌もがっつり聞かせてくれるし~~。黒ずくめでクールでカッコいいの!!
4.革命家トリオとその彼女たち
事前に、既に見た方から「古川雄大がヤバい」と聞いてきたのですが。
…ヤバいですね(真顔)
てか、革命家トリオ、3人ともヤバいですね……。
ロベスピエール@古川雄大は、あれはイケメンというか、美形だ。
弁舌じゃなくてルックスで信奉者集めてるだろ絶対(笑)
ロベスピエールが若くて美形なのは宝塚の特権かと思ったのに、
全登場人物中、一番「王子様」なのがロベスピエールって、そんなの許されていいのか(爆)
2幕冒頭、ジュードポームの誓いの場面、「誰のために踊らされているのか?」
カッコ良すぎる~~~~~
あーこれは、ルドルフ見たいわ。ロミオ見たいわ。
フェリペ(『レディ・ベス』)も良かったけど、正統派王子様で見たいわ。
そして事前にインタビュー記事も読んでから行ったんですが、
他の2人とは違う立ち位置、っていうアプローチで役作りされてるのがわかって、
それも興味深かった。
そうそう、こっちのロベスピエールも、「サイラモナムール」で、
どさくさに紛れて女の子口説いてます(笑)
インタビュー記事でもそれに触れてて、ロベスピエールに彼女がいても良い!という
解釈だそうです。まあ、このロベスピエールなら、よりどりみどりだよね…
続いて、カミーユ・デムーラン@渡辺大輔。
素直に、いい人で、正統派ヒーロー。
後に独裁者になる片鱗を少し覗かせるロベスピエールに比べて、
理想と人情のバランスが取れているのが良い感じ。
歌声が好きだった~~。
リュシル@あみちゃんとラブラブなのが微笑ましい。
(あみちゃん、良い役来て良かった~~)
ラスト、ロナンの死を本気で悲しんでくれてるのがわかる。
彼がいたから、ロナンも革命家チームに心を開いたんだろうなあ。
革命家トリオは3人とも180cmオーバーの長身なので、群舞でも目立つ目立つ。
そしてロナンとの身長差が(略
さて、「サイラモナムール」は、各カップルがかわいくて切なくて泣けたんですが、
一番きゅんきゅんしたのは、ダントン@上原理生&ソレーヌ@ソニンです……
ソニンの境遇の説得力。そして歌声の迫力。
地獄の中を生き抜いてきた、その痛々しさが伝わってくる、そのソレーヌを、
ダントンが後ろから包み込むように抱きしめてるわけです、ぎゅっと。
この身長差がねえ…萌えます。
この物語のテーマの一つが、プチ・ブルである革命家たちと、
ロナンたち、「地を這って生きている」民衆(サン・キュロットで良かったかな?)との
温度差だと思うのですが、ダントンは、彼の中で変化が生じているのがわかるのがいい。
元々、月組版でもコマ君のダントンが大好きだったので、それが影響しているとも思うし、
上原さんの歌声がめっちゃ心地よいのもポイントになっていると思うのですが、
ソレーヌに対して「今じゃ本気でモナムール」(笑)なのが、超・男前で。
机上の空論だった革命の理想が、ソレーヌを愛して、彼女と接する内に、
「彼女のような人々を守りたい・幸せにしたい」とリアリティを帯び、
血の通ったヒューマニズムになっていくのが伝わってくるのです。
ソレーヌに、体を売らなくても良い職を提供し、
民衆を扇動して暴力に走ろうとするソレーヌを、本気で心配して止めて。
その上での、「サイラモナムール」。
ときめいて、泣けた。
デムーラン夫妻とダントン夫妻(この場合の「妻」はソレーヌとは別人かも知れないけど)の
末路を思うと切ないよなあ。
5.その他
子役が上手い。
シャルロット@志村美帆ちゃん。もうかわいいの何の!
ビジュアル的にレミゼを連想しちゃったけど、ストーリーわかってたから
安心して愛でていられました。
最後の曲も彼女のソロから始まるのが、良い。
・ネッケル解任→「市民よ武器を取れ!」の流れは、
ベルばらで20回は見た気がする……と、遠い目になってしまった。
・「軍隊の一部が市民側に」という報告を聞いたら、「衛兵隊だよね」と思ってしまった。
昔、同じ梅芸で見た『マリー・アントワネット』(クンツェ&リーヴァイ、遠藤周作原作)を
あちこちで思い出す。でもあっちよりちゃんとエンタメ。
ルイ16世が、ちゃんとアントワネットと同年代。
アンサンブルもイケメン揃いで、ダンスがキレキレで眼福でした…。
そして音楽。
正直、宝塚で見た時には、「音が軽い…」と思っていたのですが、
男声が入ったら、凄く重厚になった。フレンチ・ロック。
どの曲もいいですが、パレ・ロワイヤルの場面が一番好き。
文句なしに楽しかったので、リピートしたかったです、心から…。
1年前に見た月組さん初演Ver.の感想はこちら
当時の感想をざっくりまとめると、
「トップコンビがカップル役じゃないし、群像劇で主軸が見えにくいし、
東宝ミュージカルのほうが向いてるんじゃないの?(途中まで)」
→「(途中から)皆カッコいい! このカッコ良さはタカラヅカならでは!」
……だったのですが。
東宝版、皆ものすご~くカッコ良くて美しくて、
じゃあ宝塚で初演した意義はどこにあったの?? と思ってしまったのですよ。
いや、決して月組さんVer.をディスりたいわけじゃなくて、むしろ見ながら
去年の月組メンバーの熱演を思い出して、「皆凄かったな~」と思っていたのです。
宝塚には、すみれコードとかスターシステムとか、様々な制約があるわけです。
私も保守的なヅカファンでなおかつコンビ厨なので、
トップコンビにはラブラブカップルでいてもらいたいし、
学年とか番手とかと役付との関係はやっぱり気になるし。
そういう制約があってこその宝塚だと思うし、
制約があったからこそ名作になった作品も多いと思ってます。
でもこの「1789」に関しては、そういう制約は不自由さでしかなく、
見る立場としては、キツイ言い方すると邪魔でさえあり、
その制約から解放された東宝版が実にストレスフリーだったのも事実。
(本当に、あれだけ制約をかけられながら、よくぞあそこまでのクオリティで
初演をやりきったと思うの、月組さん。
まさおも、ちゃぴちゃんも、かちゃもみやるりも、たまきちもありちゃんも、
くらげちゃんもはーちゃんも、マギーさんもるう君も、みんなみんな。)
加えて、ここ10年ぐらいの「外部」ミュージカル界は、
若くて実力のあるイケメン俳優さんたちが一気に増加しており、
宝塚の最大の売りである(と私が思っている)「ビジュアル」「非日常感」が
絶対的な優位性を持てなくなっているという現状がある。
「エリザベート」なんかは、東宝版も宝塚版もそれぞれ大好きなので、
宝塚は宝塚として揺るぎなく独自の世界を築けば良いと思っているのですが、
この「1789」を見て、宝塚と外部ミュージカルとの棲み分けはどうあるべきなのか、とか、
徒然考えてしまった次第です。
それだけ、今回の東宝版「1789」が良かったということなのよ!
何とは言わないけど「外部にしてリアル男性が演じると、
ファンタジーが成立しなくなってキツいな…」と思ってしまったものもあるんだから!
さて、以下は私的ポイント別に「好き」を語ります!
1.主役カップル
この日のキャストは、ロナン:小池徹平、オランプ:夢咲ねね。
てっぺい君、ザッツ主人公…!
小柄なんですよ~。後述するように、革命家トリオがのっぽさん揃いなので、体格差が凄いことに(笑)
それが、少年ぽさに拍車をかけて、未熟なのも、熱血なのも納得の、
少年マンガの主人公のようなロナン。ロナンの成長物語。
だからこそ、オランプとの純愛を素直に応援できるし、
最後の悲劇に泣ける。幸せになってほしかった……!
歴史を考えると、生き延びても茨の道しか待っていなかっただろうけれど、それでも。
そして、ねねちゃんのヒロイン力。
伊達にトップ娘役やってないよね。
宝塚の最後のほうは結構貫禄出てきていたし、多分、アントワネット役も可能なんだろうけど、
この「少女」役が、相変わらずめちゃかわいい。
そして、ロナンとオランプがあんまり身長差が無いのが(笑)萌え。
同じ目線でケンカして、同じ目線で恋に落ちて、同じ物を目指して走る。
身分故に引き裂かれても、この2人は一緒に生きる運命なのだと、そう思える。
そして宝塚以上に、この2人のラブストーリーが主軸になっていた。
おかげで、スッキリわかりやすい構成に。
(ていうか、なぜ宝塚でそれができなかった…!)
てっぺい君の「恋する男」いいなあ。『ちかえもん』の徳様も好きだった。
2.もう一組の主役カップル
マリー・アントワネット@花總まり&フェルゼン@広瀬友祐。
いや、フェルゼンの出番少ないし、見せ場はほとんどないんですが(情けない場面が多い)
お花様がフェルゼンへの想いを歌い出したら、それがメイン場面になってしまう(笑)
最後の歌なんか、革命サイドの存在を完全に忘れさせてくれましたからね。
花總まり、恐るべし。
造形としてはあんまり新鮮さは無かったです。これぞお花様、っていう感じだった。
ドレスの着こなしは言うに及ばず。
花總アントワネットは、永遠の少女。霞を食べて生きているような非現実感。
最後も、王妃としての覚醒というかは、余計な憑き物が全部落ちて、
本来の「あるべき姿」になった、という感じでした。
3.アルトワ伯&秘密警察チーム&ペイロール
月組さんの時の感想で、「アルトワ伯は、東宝でやるなら吉野圭吾さん一択」
とか書きましたが、そしたら本当に吉野さんだったので笑ってしまった。
安定の、吉野圭吾。期待通りの、吉野圭吾。楽しそう~~。
(ただ、「私は神と同じだ」で、昨年末のタカスペみやるりが浮かんでしまったのは内緒。)
媚薬の前段階で催眠術とか出てくるのは、有能なのかセコいのか。
そして、ラマール@坂元健児……
え、サカケンさんの使い方、これでいいの?? めっちゃ贅沢やん??
いやあ、愛しくて仕方ないのです、このラマール。
オランプ、もっと優しくしてあげようよ~(月組版に引き続き、今回も思った)
しかし秘密警察の皆さんは何故あそこまで無能なのか(爆)
ペイロール伯は岡幸二郎さん。
…怖いです。だってジャベールですよジャベール!!
彼がラスボスで、異議無し。
歌もがっつり聞かせてくれるし~~。黒ずくめでクールでカッコいいの!!
4.革命家トリオとその彼女たち
事前に、既に見た方から「古川雄大がヤバい」と聞いてきたのですが。
…ヤバいですね(真顔)
てか、革命家トリオ、3人ともヤバいですね……。
ロベスピエール@古川雄大は、あれはイケメンというか、美形だ。
弁舌じゃなくてルックスで信奉者集めてるだろ絶対(笑)
ロベスピエールが若くて美形なのは宝塚の特権かと思ったのに、
全登場人物中、一番「王子様」なのがロベスピエールって、そんなの許されていいのか(爆)
2幕冒頭、ジュードポームの誓いの場面、「誰のために踊らされているのか?」
カッコ良すぎる~~~~~
あーこれは、ルドルフ見たいわ。ロミオ見たいわ。
フェリペ(『レディ・ベス』)も良かったけど、正統派王子様で見たいわ。
そして事前にインタビュー記事も読んでから行ったんですが、
他の2人とは違う立ち位置、っていうアプローチで役作りされてるのがわかって、
それも興味深かった。
そうそう、こっちのロベスピエールも、「サイラモナムール」で、
どさくさに紛れて女の子口説いてます(笑)
インタビュー記事でもそれに触れてて、ロベスピエールに彼女がいても良い!という
解釈だそうです。まあ、このロベスピエールなら、よりどりみどりだよね…
続いて、カミーユ・デムーラン@渡辺大輔。
素直に、いい人で、正統派ヒーロー。
後に独裁者になる片鱗を少し覗かせるロベスピエールに比べて、
理想と人情のバランスが取れているのが良い感じ。
歌声が好きだった~~。
リュシル@あみちゃんとラブラブなのが微笑ましい。
(あみちゃん、良い役来て良かった~~)
ラスト、ロナンの死を本気で悲しんでくれてるのがわかる。
彼がいたから、ロナンも革命家チームに心を開いたんだろうなあ。
革命家トリオは3人とも180cmオーバーの長身なので、群舞でも目立つ目立つ。
そしてロナンとの身長差が(略
さて、「サイラモナムール」は、各カップルがかわいくて切なくて泣けたんですが、
一番きゅんきゅんしたのは、ダントン@上原理生&ソレーヌ@ソニンです……
ソニンの境遇の説得力。そして歌声の迫力。
地獄の中を生き抜いてきた、その痛々しさが伝わってくる、そのソレーヌを、
ダントンが後ろから包み込むように抱きしめてるわけです、ぎゅっと。
この身長差がねえ…萌えます。
この物語のテーマの一つが、プチ・ブルである革命家たちと、
ロナンたち、「地を這って生きている」民衆(サン・キュロットで良かったかな?)との
温度差だと思うのですが、ダントンは、彼の中で変化が生じているのがわかるのがいい。
元々、月組版でもコマ君のダントンが大好きだったので、それが影響しているとも思うし、
上原さんの歌声がめっちゃ心地よいのもポイントになっていると思うのですが、
ソレーヌに対して「今じゃ本気でモナムール」(笑)なのが、超・男前で。
机上の空論だった革命の理想が、ソレーヌを愛して、彼女と接する内に、
「彼女のような人々を守りたい・幸せにしたい」とリアリティを帯び、
血の通ったヒューマニズムになっていくのが伝わってくるのです。
ソレーヌに、体を売らなくても良い職を提供し、
民衆を扇動して暴力に走ろうとするソレーヌを、本気で心配して止めて。
その上での、「サイラモナムール」。
ときめいて、泣けた。
デムーラン夫妻とダントン夫妻(この場合の「妻」はソレーヌとは別人かも知れないけど)の
末路を思うと切ないよなあ。
5.その他
子役が上手い。
シャルロット@志村美帆ちゃん。もうかわいいの何の!
ビジュアル的にレミゼを連想しちゃったけど、ストーリーわかってたから
安心して愛でていられました。
最後の曲も彼女のソロから始まるのが、良い。
・ネッケル解任→「市民よ武器を取れ!」の流れは、
ベルばらで20回は見た気がする……と、遠い目になってしまった。
・「軍隊の一部が市民側に」という報告を聞いたら、「衛兵隊だよね」と思ってしまった。
昔、同じ梅芸で見た『マリー・アントワネット』(クンツェ&リーヴァイ、遠藤周作原作)を
あちこちで思い出す。でもあっちよりちゃんとエンタメ。
ルイ16世が、ちゃんとアントワネットと同年代。
アンサンブルもイケメン揃いで、ダンスがキレキレで眼福でした…。
そして音楽。
正直、宝塚で見た時には、「音が軽い…」と思っていたのですが、
男声が入ったら、凄く重厚になった。フレンチ・ロック。
どの曲もいいですが、パレ・ロワイヤルの場面が一番好き。
文句なしに楽しかったので、リピートしたかったです、心から…。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます