空中楼閣―Talking Dream―

好きなものを徒然なるままに。

世界選手権2012

2012-04-02 15:34:01 | フィギュアスケート
宝物が、また増えた。

今年はJスポーツの生中継が無いということで(涙)地上波の放送のみ。
だからこそ、地上波での生放送が本当にありがたかった!!

安藤美姫不在の、世界選手権。

だから、始まるまでの私の気持ちはそんなに盛り上がっていなかったんだけれど、
終わってみれば、また一つ、忘れられない大会になった。

<アイスダンス>

…放送があったのはちょっとだけどさー。

リード姉弟は、本当に残念だったけれど、とにかく、シーズン中に復帰できたことが大きいと思う。
見ているのも辛くなるような感じだったけれど、これを糧に、
また一つ成長した姿で帰ってきてほしい。

2位のデーヴィス&ホワイト組はフリーだけ見たんだけれども、
猛スピードで駆け抜けるステップワークに惚れ惚れ。
やっぱり、アイスダンスはステップよね!!

優勝したヴァーチュア&モイア組も、とっても素敵でした。

それからペシャラ&ブルーザ組、母国開催での表彰台おめでとう!!

<ペア>

高橋成美&マーヴィン・トラン組、銅メダルおめでとう!!

これは本当に嬉しかった。
演技見ながら泣いてしまうぐらい嬉しかった。

体いっぱい使って、「ペア競技の楽しさ」を表現してくれる、この2人の演技が本当に好きだ。
なるみちゃんの男前さも、マーヴィンの穏やかな笑顔も、
2人の信頼関係が伝わってくる美しいリフトもツイストも、
見ているだけで幸せになる。

日本代表として、ペアに出る、という意味。
日本は本当に「ペア不毛の地」(『銀のロマンティック…わはは』by川原泉)で、
悲しいぐらいにずーっと不毛の地で、
井上さんとか若松さんとか川口さんとか、素晴らしい女子選手はずっといるのに、
日本国内でペアを組めずに、日本国内で練習ができずに。
なるみちゃんも、やっぱりそんな過酷な環境下で競技を続け、
ここまで、登りつめた。
……って言うには、まだ早いな(汗)
まさかこんなに早く世界の表彰台に立っちゃうとは予想していなかったので、
驚きと感動で言葉が無いです。

これで、ペア競技の素晴らしさ、そして日本代表でこんなに素敵な2人がいるってことを、
世間の方々に知っていただけたらいいな、と、一ファンとしてそう思います。

解説の若松さんや実況アナウンサーが感極まっている様子にも感動しました。



<男子>

「宝物」の、演技がある。
見ながら感動して試合中から泣いて、一生忘れられないほどの思い出になった、演技がある。
例えば、2002年ソルトレーク五輪、アニシナ&ペーゼラ「自由」。
例えば、2006年トリノ五輪、荒川静香「トゥーランドット」。
例えば、2007年世界選手権、高橋大輔「オペラ座の怪人」。
例えば、2007年全日本選手権、安藤美姫「カルメン」。
例えば、2008年世界選手権、中野友加里「スペイン奇想曲」。
例えば、2008年NHK杯、鈴木明子「黒い瞳」。
例えば、2010年世界選手権、高橋大輔「道」。
例えば、2011年世界選手権、小塚崇彦「ピアノ協奏曲1番」。

演技の出来に加えて、様々な要因も含めて心を揺さぶられた、奇跡のような演技。

羽生結弦の、「ロミオとジュリエット」。

元々、ドラマチックなプログラムである。
そこに、羽生の持つ、ロミオに通じる若さやアグレッシブさが加わり、
いつ見ても、盛り上がるものではあった。
曲の力は、確かにある。

だが、そこに叩き込まれた、彼の「魂」のパワーとしか言いようのないものが、
画面越しででも確かに伝わってきた。

途中の転倒から後、明らかな「疲れ」が見えた。
全身の力をすべて出し尽くして、それでも彼は跳び、クリーンに着氷する。

こんなものをぶつけられたら、目を背けることは許されない。
こちらも覚悟を決めて、腹を据えて、受け止めなければならない。
そんな思いにさせられる演技。

最後のステップとサルコージャンプをやり遂げて、曲が止まり、
彼はいつもの、冷静で賢い少年の顔に戻って、ガッツポーズをした。

惚れた(笑)
はい、もう、降参します。
10も下の男の子の演技にときめくのはいっつも悔しかったんですが、
あんなもんを見せられたらどうしようもない。
素直に諸手を挙げて、認めるしかない。

……凄いもん見た。

実況でも、あの、荒川さんが泣いてるしさー。
(自分の金メダルでも泣いてない人だぞ)
会場のお客さんも、リンクサイドのコーチも、もちろん、視聴者も、
あれは泣く。

銅メダルという形で記録に残ったのも本当にうれしいんですが、
きっと、彼の演技もまた、永遠に忘れられないでしょう。
それだけの演技をやってのけた彼に、ただただ感嘆。
凄い。


そして高橋君、銀メダルおめでとう!!
どこまで行くんでしょうかね。
崇高すぎて、予想もつかなくなってきた。
ソチ五輪まで、あと2年。見届けます。


小塚君……(涙)
しつこいようですが、去年の世界選手権の彼のフリーには、リアルで号泣させられたんです。
それだけの力を持っている選手だから、(たぶん本人も)もどかしいシーズンでした。
でも、きっと、この1年が必要だったはず、彼には。
何もかも順調には行かない。
屈んだ分だけ、大きな飛躍があると信じて。

しかし、日本の男子には、まだまだ、織田も無良も町田も村上もいますからね!!
日本代表になるのが、まず、大激戦。
次のシーズンも楽しみです。

それから、この世界選手権は、ジュベールの活躍がとにかく嬉しかった。
ジュベールが四回転跳んでる! ジュベールが演技終わって嬉しそう!!
フランスのファンから本当に愛されてるんだな~というのがわかったのも嬉しい。

あと、テン君がまた入賞圏内に帰ってきたのが嬉しいですね。
彼もまだまだ成長期。どんなスケーターに育っていくのかが楽しみです。

えーっと、ロシアは来年、何枠ですか?(遠い目)
プルシェンコがヨーロッパ選手権で凄い演技したって聞いたんですが、
来年、がっちゃんとかヴォロノフとか出られますか??



<女子>
これはとにかく。

コストナー優勝おめでとう!!!

感涙。
朝のニュースで結果知って、「やったー!!」と叫んでしまった。

才能「は」ある、と、言われ続けてはや10年。
上がったり、下がったり。
(2005世界選手権3位→2006世界選手権12位 →2008年・2位→2009年・12位)
「永遠の未完の大器」とまで言われていた彼女が、ついに頂点に立った。

ショートもフリーも、彼女でなければ演じられない曲、彼女でなければ着られない衣装w
「カロリーナ・コストナー」という一つのスタイルを確立して、たとりついた金メダル。
嬉しい嬉しい嬉しい!!

そして、同じくらい、鈴木明子ちゃんの銅メダルが嬉しい。
枕詞のように「苦労人」として語られるが、それを抜きにしても、彼女の演技が大好き。
今回のフリーの、美しかったこと!
その前のコストナーの好演技の余韻が残る会場の空気を、一瞬にして塗り替えた。
彼女の頑張りが報われて、本当に良かった。

レオノワのメダルも嬉しい!
去年もとっても良かっただけに、メダリストにならせてあげたかった。
だから本当に、良かった。
「演じられる」スケーターになったんだなあ。


これで一つのシーズンが終わり、幸せな記憶が蓄積されていく。

この素晴らしい大会に携わってくれた方々が、みんなみんな、幸せでありますように。



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