前回の「アオドクロ」に引き続いての、別バージョンです。
脚本はだいたい同じ、メインキャストは総入れ替え、コンセプトは「シンプル&ソリッド」で、
潔く、別物でした。
面白いなあ、舞台って。
主演は古田新太氏。
「浮世の義理を全て流して、三途の川に捨之介」はこの人の役なんだなあ、と納得。
「アカドクロ」は女たちの物語でもあったので、
彼女たち全員をどーんと受け止めている大きさもありました。
天魔王は不気味で、邪悪。正しく「敵」。
いや、「アオドクロ」の染五郎丈は、とにかくこの天魔王が魅力的すぎて、
ともすれば髑髏党のほうを応援しがちだったのですが(爆)
「権力者から見れば虫けらのような者たちが立ち上がる」というテーマは、
こっちのバージョンのほうが正しく機能していたと思います。
そして、この「アカドクロ」はトリプルヒロイン。女の物語。
沙霧役は佐藤仁美さん。
彼女の場面から物語が始まるので、沙霧の視点で物語が動いていく。
(いや、アオドクロの派手派手オープニングも好きなんですが。)
沙霧になって、捨之介を好きだと思う。
無界屋蘭兵衛は水野美紀さん。
とにかくかっこいい! 色っぽい!
天魔王との場面、染五郎×池内が耽美だったのに対し、古田×水野は、エロでした。
生々しい。
池内蘭兵衛@アオドクロが儚さ・哀れさが前面に出ているのに対し、
水野蘭兵衛は強い。
同じ最期なのに、志を貫き通した姿だというのがわかる。
極楽太夫は坂井真紀さん。キュート。
「こんなにかわいい子がこんなに強い…!」という意外性がある。
そして蘭兵衛が女、という設定ゆえに、
戦国の世を生き抜く女の生き様、というのがテーマのひとつとして浮かび上がった。
お蘭と竜胆。
お蘭は剣、竜胆は銃。
男よりもはるかに強い二人の女。
戦の中で大切なものを失った二人は、協力して女の理想郷「無界」を作り上げた。
(「戦友としての女たち」というシチュエーションは、大好きです。)
髑髏城で対峙する二人。
過去を乗り越えて前を向いている竜胆と、過去に飲み込まれて「亡霊」となったお蘭。
鮮やかな対比が見える。
だから二人の決着は、あの形が正しいのだと思う。
とても悲しい結末だけれども。
愛しの橋本じゅんさん演じる、「抜かずの兵庫」。
愛しいバカ男(笑)
でも関八州荒武者隊のくだりはやっぱり泣ける。
梶原善氏は凄い。
彼が最後の戦いの場にいることを納得させる、存在感。
今回は予備知識がある分(誰が「七人」なのかわかっているから)、
「七人」が集っていく様子をしっかり見ることができた。
この七人である、必然性。
その「意味」がしっかりわかった。
クライマックス、スモークの中に七人のシルエットが浮かび上がる場面のカタルシス!
WAHAHA本舗佐藤さんの家康も良かった~!
最後の「馬引けーーい!」も迫力。
同じあらすじなのにここまで別の物語になるのか、とただただ感嘆です。
「アオドクロ」のエンタメとしてのゴージャスさも好きだけど、
「アカドクロ」はテーマと筋をしっかり見せてくれたと思います。
両方見られて良かった。
脚本はだいたい同じ、メインキャストは総入れ替え、コンセプトは「シンプル&ソリッド」で、
潔く、別物でした。
面白いなあ、舞台って。
主演は古田新太氏。
「浮世の義理を全て流して、三途の川に捨之介」はこの人の役なんだなあ、と納得。
「アカドクロ」は女たちの物語でもあったので、
彼女たち全員をどーんと受け止めている大きさもありました。
天魔王は不気味で、邪悪。正しく「敵」。
いや、「アオドクロ」の染五郎丈は、とにかくこの天魔王が魅力的すぎて、
ともすれば髑髏党のほうを応援しがちだったのですが(爆)
「権力者から見れば虫けらのような者たちが立ち上がる」というテーマは、
こっちのバージョンのほうが正しく機能していたと思います。
そして、この「アカドクロ」はトリプルヒロイン。女の物語。
沙霧役は佐藤仁美さん。
彼女の場面から物語が始まるので、沙霧の視点で物語が動いていく。
(いや、アオドクロの派手派手オープニングも好きなんですが。)
沙霧になって、捨之介を好きだと思う。
無界屋蘭兵衛は水野美紀さん。
とにかくかっこいい! 色っぽい!
天魔王との場面、染五郎×池内が耽美だったのに対し、古田×水野は、エロでした。
生々しい。
池内蘭兵衛@アオドクロが儚さ・哀れさが前面に出ているのに対し、
水野蘭兵衛は強い。
同じ最期なのに、志を貫き通した姿だというのがわかる。
極楽太夫は坂井真紀さん。キュート。
「こんなにかわいい子がこんなに強い…!」という意外性がある。
そして蘭兵衛が女、という設定ゆえに、
戦国の世を生き抜く女の生き様、というのがテーマのひとつとして浮かび上がった。
お蘭と竜胆。
お蘭は剣、竜胆は銃。
男よりもはるかに強い二人の女。
戦の中で大切なものを失った二人は、協力して女の理想郷「無界」を作り上げた。
(「戦友としての女たち」というシチュエーションは、大好きです。)
髑髏城で対峙する二人。
過去を乗り越えて前を向いている竜胆と、過去に飲み込まれて「亡霊」となったお蘭。
鮮やかな対比が見える。
だから二人の決着は、あの形が正しいのだと思う。
とても悲しい結末だけれども。
愛しの橋本じゅんさん演じる、「抜かずの兵庫」。
愛しいバカ男(笑)
でも関八州荒武者隊のくだりはやっぱり泣ける。
梶原善氏は凄い。
彼が最後の戦いの場にいることを納得させる、存在感。
今回は予備知識がある分(誰が「七人」なのかわかっているから)、
「七人」が集っていく様子をしっかり見ることができた。
この七人である、必然性。
その「意味」がしっかりわかった。
クライマックス、スモークの中に七人のシルエットが浮かび上がる場面のカタルシス!
WAHAHA本舗佐藤さんの家康も良かった~!
最後の「馬引けーーい!」も迫力。
同じあらすじなのにここまで別の物語になるのか、とただただ感嘆です。
「アオドクロ」のエンタメとしてのゴージャスさも好きだけど、
「アカドクロ」はテーマと筋をしっかり見せてくれたと思います。
両方見られて良かった。
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