空中楼閣―Talking Dream―

好きなものを徒然なるままに。

モーリス・ルブラン『ルパン、最後の恋』(ハヤカワ・ミステリ)

2013-06-16 18:14:35 | 読書
「宝塚原作シリーズ」なんですが…何かしみじみ、ルパンを好きで、良かった。

読むきっかけは、今度の月組さんの公演の原作がこれだ、ということだったんですが、
読了して、しみじみ、
私はルパンが好きだった
ということを思い出しました。

そう、怪盗紳士アルセーヌ・ルパンは、私の初恋(笑)

…と言っても、私が愛読していたのはポプラ社刊行の児童書バージョン(by南洋一郎)で、
ちゃんと原作に忠実な訳を読んだのは、
『怪盗紳士ルパン』(ハヤカワミステリ版か創元社推理文庫版かどっちか)と、
『奇岩城』(集英社文庫版、ナツイチキャンペーンのために購入)の2冊だけという(爆)
……いやあ、中学生時代、『続813』を読んだら、南版と結末が違うことに衝撃を受けてね…
以降ちょっとトラウマで(笑)

…とまあ、「ルパン・ファン」を名乗っていいのかどうか微妙なところではありますが、
(しかも一番好きだった話はボワロ=ナルスジャック作のパスティーシュ作品だったような)

それでも「ルパン様」は、私の永遠のヒーローなのです!(真顔)

今回読んだ『ルパン、最後の恋』は、2011年になってルブランの遺族の手で発表されたという
未発表原稿だそうで、解説で訳者が書いているように、確かに「推敲不足」なのかもしれない。
展開が駆け足なので、圧縮されたポプラ社版を懐かしく思い出した。

舞台は1921年。
えーっと、第一次世界大戦が終わっているということは…とか、
時系列をあんまり気にしてはいけないなw
ルパン40歳らしいです。(解説によると、48じゃないのか?とのことですが)
ヒロインは父を亡くしたばかりの大公令嬢。…と思いきや、出生の秘密アリ。
彼女の取り巻き4人のうち誰か1人がルパン!?ということなんですが、
これはわりと早々に判明します。

ミステリですのでネタバレは自重。
ただ、最後まで読み終えて、「ルパンを好きでよかった」としみじみ実感することができました。
彼の長い旅路の果てが、こういう結論であるのならば、
「アルセーヌ・ルパン」という存在を、ずっと愛してきて良かった。
会いたかったルパン。

心の中が少しずつあたたかくなっていくのを感じるような、幸せな読書でした。


宝塚版も非常に楽しみ。
正塚先生ワールドとの相性も良さそうです。

「奇岩城」とか、宝塚向けな気もするんだけど、
あれは「誰がルパンか?」を結構後までひっぱるので、
トップスター=ルパンだとわかりきっている宝塚には不向きなんだよね。

そしてかつて宙組で上演された「A/L-怪盗ルパンの青春-」も大好きだったので、
あの主題歌を歌う龍真咲もまだ見たかったり。(未練。)
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