久しぶりのゲキ×シネ。
この公演、上演時は見られていないのです。つくづく無念。
2012年に上演された、いのうえ歌舞伎「シレンとラギ」。
主な客演は藤原竜也、永作博美、高橋克実、北村有起哉、石橋杏奈。
古田新太を筆頭にお馴染みの劇団☆新感線の方々も多数出演。
河野まさとや三宅弘城もお馴染みですね。
時代のモデルは室町初期、ってか南北朝時代。人名はだいたいその時代の人物のもじり。
「南の教団」の教祖「ゴダイ」(高橋克実)=後醍醐天皇
「北の王国」の先代王「ソンシ」=足利尊氏
「北の王国」の二代目「ギセン」(三宅弘城)=義詮
その母「トウコ」=赤橋登子
ソンシの弟「ギチョク」=直義
「北の王国」の執権「モロナオ」(粟根まこと)=高師直
その弟「モロヤス」=高師泰………あたりはすぐにわかったし、
ゴダイの側近「シンデン」(北村有起哉)=新田義貞
「南の教団」の武闘派「ダイナン」(橋本じゅん)=大楠公=楠木正成
……がわかったときは嬉しかったw
ゴダイの妻の「モンレイ」(高田聖子)は阿野廉子でいいよね?
ほかにも「北の王国」チームには、
「ヤマナ=山名」「アカマ=赤松」「トキ=土岐」と足利幕府ゆかりの役名がたくさん。
それにしても古田新太の「キョウゴク=京極」は、
新田義貞や楠公と渡り合うには小さい役じゃないか?と思って調べてみたら、
これは京極高氏=佐々木導誉のことですね。バサラ大名。
ここまで行くと主役陣の「シレン」(永作博美)「ラギ」(藤原竜也)「ミサギ」(石橋杏奈)
あたりも名前の由来が気になる………
シレンが暗殺者集団「楼蘭族」の一員、というのは、
「蛮幽鬼」からの世界観の継続が見られてちょっと嬉しかったです。
美しき暗殺者・シレンと、彼女に惹かれる青年・ラギ。
しかし残酷な因縁が明らかになり……
予備知識は入れずに行ったんですが、公式サイトにあった予告編と、途中の伏線とで、
「因縁」の正体は見当がついていました。
ただ、それがオチになると思っていたので、一幕で早々に明らかになったのにはびっくり。
二幕は、展開が全く読めない状態で見ていましたが。
……さすが、いのうえ歌舞伎。
んーと、10月は、中島脚本作品・いのうえ演出作品と立て続けに見ただけに、
中島×いのうえコンビの作品のストレスフリーっぷりに舌を巻く。
いや、10月に見た2本をDISる意味ではなく、やっぱりこのコンビになると威力が増すんだなあ…と。
「そうか、『オイディプス王』なのか」と、二幕になってようやく気付いた(遅い)。
キーワードを言われないと気付かなかったらしいよ、私。
そしてシレンの幻想シーンを見ながら、「そうか、藤原竜也だから『身毒丸』をさせたかったのか」と、
これもようやく気付いた。
テイストとしてはギリシャ悲劇の雰囲気かな。
「南の教団」の無個性な人々も、コロスだと思えば違和感が無くなったし。
(藤原君を取り巻いているから、ちょっと「DEATH NOTE」も連想しましたが。)
そして、怒涛のクライマックスと、ラスト。
ラストの永作博美の笑顔に持っていかれた……!
これを生で見られなかったのは痛恨の極みですが、
映画館の大画面でアップになると、……凄いわ、永作さん。
そして、最後まで見て、「これは3.11後の神話だったのか」と思った。
全ての価値観が転倒し、究極の「罪」が「救い」に変わる。
毒に塗れた世界を救うのは、オイディプス=ラギの「罪」たる、「愛」の結果だった。
蛮幽鬼が壮大な歴史劇・人間ドラマを描きながら、
最後は伊達土門という一人の男の内面に収斂していったのとは対照的に、
この作品は「シレンとラギ」(とゴダイ)、或いはキョウゴクとラギとミサギという
非常にドメスティックな世界を描きながら、
最後は人類すべての救済という普遍的で大きなテーマに繋がっていった。
「それは母として? それとも女として?」「人として。」
母子関係を超えて、男女関係を超えて、一人の人間と一人の人間として、
シレンとラギは手を取り合って進む。
それこそが「救い」であり、「希望」だ。
藤原竜也@ラギ。
もともと彼の顔が好きなんですが(爆)
彼の存在が、この物語を生み出したんだろうなと思う。
身毒丸とか、オレステスとか、夜神月とか、
どれだけ狂乱しても、どれだけのたうち回っても、彼は美しかった。
生で見たかったな~。
永作博美@シレン。
かわいいのにエロくて年齢不詳という彼女の特徴を最大限生かした役ですね(笑)
殺陣になるとカッコいいし。
それから、藤原君と似てるのにもびっくりした。
高橋克実@ゴダイ。
怖い高橋克実、というのは初めて見た。「カリスマ」な高橋克実、も新鮮。
途中の「いい人」モードのほうが見慣れた感じなんだけど、その演じ分けが凄い。
古田新太@キョウゴク。
ラスボス。怖すぎる! 強いし。(さすがの立ち回り!)
本気の悪役って初めて見るかな~と思ってましたが、それにしては見覚えもあったので
帰ってから思い出した。「アカドクロ」の天魔王がありますね。
コメディ場面ではとことん笑わせてくれるだけに、ギャップが怖いのなんの。
北村有起哉@シンデン。
絶対に死に役だと思ったので(笑)生き残ってくれてよかったです。
いい役者さんですね~好きです。
橋本じゅん/粟根まこと/高田聖子 ほか新感線の方々に関する感想が毎回
「さすが」「すごい」しか言えなくて申し訳ない。
橋本じゅんさんが好きです。もう本当に。
三宅弘城@ギセンの立ち回りも凄すぎたな~。
「鋼鉄番長」もあっちこっちで思い出して楽しかったです。
河野まさと@ヒトイヌオの存在は救いでした、色々と。
大満足の3時間でした。やっぱり新感線大好きです。
この公演、上演時は見られていないのです。つくづく無念。
2012年に上演された、いのうえ歌舞伎「シレンとラギ」。
主な客演は藤原竜也、永作博美、高橋克実、北村有起哉、石橋杏奈。
古田新太を筆頭にお馴染みの劇団☆新感線の方々も多数出演。
河野まさとや三宅弘城もお馴染みですね。
時代のモデルは室町初期、ってか南北朝時代。人名はだいたいその時代の人物のもじり。
「南の教団」の教祖「ゴダイ」(高橋克実)=後醍醐天皇
「北の王国」の先代王「ソンシ」=足利尊氏
「北の王国」の二代目「ギセン」(三宅弘城)=義詮
その母「トウコ」=赤橋登子
ソンシの弟「ギチョク」=直義
「北の王国」の執権「モロナオ」(粟根まこと)=高師直
その弟「モロヤス」=高師泰………あたりはすぐにわかったし、
ゴダイの側近「シンデン」(北村有起哉)=新田義貞
「南の教団」の武闘派「ダイナン」(橋本じゅん)=大楠公=楠木正成
……がわかったときは嬉しかったw
ゴダイの妻の「モンレイ」(高田聖子)は阿野廉子でいいよね?
ほかにも「北の王国」チームには、
「ヤマナ=山名」「アカマ=赤松」「トキ=土岐」と足利幕府ゆかりの役名がたくさん。
それにしても古田新太の「キョウゴク=京極」は、
新田義貞や楠公と渡り合うには小さい役じゃないか?と思って調べてみたら、
これは京極高氏=佐々木導誉のことですね。バサラ大名。
ここまで行くと主役陣の「シレン」(永作博美)「ラギ」(藤原竜也)「ミサギ」(石橋杏奈)
あたりも名前の由来が気になる………
シレンが暗殺者集団「楼蘭族」の一員、というのは、
「蛮幽鬼」からの世界観の継続が見られてちょっと嬉しかったです。
美しき暗殺者・シレンと、彼女に惹かれる青年・ラギ。
しかし残酷な因縁が明らかになり……
予備知識は入れずに行ったんですが、公式サイトにあった予告編と、途中の伏線とで、
「因縁」の正体は見当がついていました。
ただ、それがオチになると思っていたので、一幕で早々に明らかになったのにはびっくり。
二幕は、展開が全く読めない状態で見ていましたが。
……さすが、いのうえ歌舞伎。
んーと、10月は、中島脚本作品・いのうえ演出作品と立て続けに見ただけに、
中島×いのうえコンビの作品のストレスフリーっぷりに舌を巻く。
いや、10月に見た2本をDISる意味ではなく、やっぱりこのコンビになると威力が増すんだなあ…と。
「そうか、『オイディプス王』なのか」と、二幕になってようやく気付いた(遅い)。
キーワードを言われないと気付かなかったらしいよ、私。
そしてシレンの幻想シーンを見ながら、「そうか、藤原竜也だから『身毒丸』をさせたかったのか」と、
これもようやく気付いた。
テイストとしてはギリシャ悲劇の雰囲気かな。
「南の教団」の無個性な人々も、コロスだと思えば違和感が無くなったし。
(藤原君を取り巻いているから、ちょっと「DEATH NOTE」も連想しましたが。)
そして、怒涛のクライマックスと、ラスト。
ラストの永作博美の笑顔に持っていかれた……!
これを生で見られなかったのは痛恨の極みですが、
映画館の大画面でアップになると、……凄いわ、永作さん。
そして、最後まで見て、「これは3.11後の神話だったのか」と思った。
全ての価値観が転倒し、究極の「罪」が「救い」に変わる。
毒に塗れた世界を救うのは、オイディプス=ラギの「罪」たる、「愛」の結果だった。
蛮幽鬼が壮大な歴史劇・人間ドラマを描きながら、
最後は伊達土門という一人の男の内面に収斂していったのとは対照的に、
この作品は「シレンとラギ」(とゴダイ)、或いはキョウゴクとラギとミサギという
非常にドメスティックな世界を描きながら、
最後は人類すべての救済という普遍的で大きなテーマに繋がっていった。
「それは母として? それとも女として?」「人として。」
母子関係を超えて、男女関係を超えて、一人の人間と一人の人間として、
シレンとラギは手を取り合って進む。
それこそが「救い」であり、「希望」だ。
藤原竜也@ラギ。
もともと彼の顔が好きなんですが(爆)
彼の存在が、この物語を生み出したんだろうなと思う。
身毒丸とか、オレステスとか、夜神月とか、
どれだけ狂乱しても、どれだけのたうち回っても、彼は美しかった。
生で見たかったな~。
永作博美@シレン。
かわいいのにエロくて年齢不詳という彼女の特徴を最大限生かした役ですね(笑)
殺陣になるとカッコいいし。
それから、藤原君と似てるのにもびっくりした。
高橋克実@ゴダイ。
怖い高橋克実、というのは初めて見た。「カリスマ」な高橋克実、も新鮮。
途中の「いい人」モードのほうが見慣れた感じなんだけど、その演じ分けが凄い。
古田新太@キョウゴク。
ラスボス。怖すぎる! 強いし。(さすがの立ち回り!)
本気の悪役って初めて見るかな~と思ってましたが、それにしては見覚えもあったので
帰ってから思い出した。「アカドクロ」の天魔王がありますね。
コメディ場面ではとことん笑わせてくれるだけに、ギャップが怖いのなんの。
北村有起哉@シンデン。
絶対に死に役だと思ったので(笑)生き残ってくれてよかったです。
いい役者さんですね~好きです。
橋本じゅん/粟根まこと/高田聖子 ほか新感線の方々に関する感想が毎回
「さすが」「すごい」しか言えなくて申し訳ない。
橋本じゅんさんが好きです。もう本当に。
三宅弘城@ギセンの立ち回りも凄すぎたな~。
「鋼鉄番長」もあっちこっちで思い出して楽しかったです。
河野まさと@ヒトイヌオの存在は救いでした、色々と。
大満足の3時間でした。やっぱり新感線大好きです。
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