空中楼閣―Talking Dream―

好きなものを徒然なるままに。

雪組博多座公演「フットルース」

2012-08-10 15:21:04 | 観劇(タカラヅカ)
博多座、4年ぶり!

今回は小倉と門司港(+壇ノ浦)を含む福岡旅行で、
夫に付き合ってもらって行ってきました。

5年前からネット上でお話ししていた方と幕間にお会いできるのも楽しみで。
博多座は4年ぶり3回目なんですが、やっぱり、この劇場は好きです。
快適で、活気があって、見やすくて。

劇場の外の柱には、出演者のサイン入りポスター。
キム君の「No雪組、No Life!」に、いきなり泣きそうになってしまった。
何よー、君たちはもうすぐ行っちゃうくせに……

◆フットルース◆

実は少し、見るのが恐かった。
キムみみの、プレサヨナラ作品。
次の公演で、この美しくかわいらしいコンビとはお別れ。
その「喪失」を、直視するのが。

これは個人的都合なんだけど。
ちょうどキム君が退団発表したのと同じ時期に、
リアル世界で、とっても辛い出来事があった。
それは、キム君の退団とは何の関係もなく、そもそも全く次元の違うことだったんだけど、
次元が違うからこそ、そのリアルな痛みと、キム君退団の痛みが、連動してしまうという
困った事態になっていた。
現実の辛いことを忘れられる、逃避先である「宝塚」でも、
キム君がいなくなる、という別次元の痛みが、発生してしまって、
逃避先が逃避先たりえない、という状況になってしまっていた。

リアル世界のほうはそのまま何の進展もなく、とりあえず日常だけが続いていって、
宝塚のほうも、星組さんや月組さんを見る中で、その痛みは癒えていったのだけれども、
だからこそ、久しぶりに雪組さんを見ることで、キムみみがいなくなることを実感することで、
封印していたリアルの痛みまで引っ張り出されるのではないかと、
そんなことを恐れていた。


「フットルース」は、喪失を抱えた少年が、喪失を抱えた少女やその父親と出会い、
新しい一歩を踏み出す物語だった。

びっくりするほど、作中のセリフに酷く傷口をえぐられた(笑)
妙にシンクロしてしまう台詞がたくさんあって、正直、聞いているのが辛かった。

レンの傷も、アリエルの傷も、ムーア牧師の傷も、簡単には癒えない。
失ってしまったものは、帰ってこない。最後まで。
そんなに都合よく、物語は終結しない。

でも。

レン@キム君は、失ったものは失ったものとして、「現実に折り合いを付けて」、
「新しい人生を祝おう」とする。

最初はそれを拒んでいた人々も、自分の痛みから逃げるのをやめて、
自分の人生に正面から向き合い、新しい人生を言祝ぐことを選ぶ。


救われた。

自分自身の喪失ゆえの痛みから、救われるのがわかった。
そんなに都合よく、解決はしない。人生はそんなに簡単じゃない。
それでも、だからこそ、生きていく必要があるのだ。

footをlooseに。
解き放たれて。


奇跡のように感じた。
現実の世界と、キムミミの喪失に、二重に傷ついていた心が、
同じ一つの作品によって、同時に救われたこと。
これは、奇跡だ。
このタイミングだから。
このメンバーだから。


客席参加型、ペンライトを振って一緒に踊る。
解き放たれる、快感。
満ち足りる、幸せ。

この作品を見られて良かった。
今、ここで、出会えて良かった。


キャストも皆良かったよー!

キムミミコンビはかわいくて素敵だったし、
まっつ牧師は上手すぎだし、
コマ君とあゆちゃんのカップルもかわいかった。
キングも立派になって……(直近の記憶:トークショーでのぐだぐだぶりw)
咲奈くんもイケメンになっててびっくりした。

若者たち(主役含む)がわいわいとバカやってる楽しさ、って、
何かを思い出すなあ、と思い、帰ってきて気付いた。「A/L」だ!
(あの、ちぎ君とかたっちんも好きだったなあ…)

ミーマイのときも感じたけど、博多座の、あったかい雰囲気も大好き。
(本当は去年のノバボサも一昨年のロミジュリも見たかったんだけどな)

旅行の締めとして最良の観劇でした!

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