来月、これをまた見られる幸せ。まずはマイ初日の感想を、上書きする前に書いておきたい。
エリザに関する前置きはどうしても長くなってしまうけれど、
一昨年の花組さんとか、昨年の東宝版とかでいろいろ書いたので省略。
どうしても過去作と比較されるのは再演のサガ、
でも今回は「まぁ様&みりおんの」エリザについて語りたい。
【エリザベート -愛と死の輪舞- 】
初日の翌日に見に行けました。前情報はあまり無し。
見ながら、私の印象も変化しているので、順を追って箇条書き的に書いていきます。
あ、今回は、訳あって黒天使に注目して見ていたので、
他の人や場面を見逃しているところもたくさんあると思います。
(しかも黒天使についてはあまり書くことが無い。
改めてじっくり見ると、めっちゃカッコいい! 以外に言うことが無い)
・プロローグ
ルキーニ@愛ちゃんから始まる物語。愛ちゃん、スタイル良すぎ!!
ヒゲも似合ってます。
宙組のコーラス力。
エリザだと生きますねえ。ところで、
誰も知らない真実 エリザベート
のところって、あんなにテンポゆっくりだったっけ?
トート閣下@まぁ様降臨。
最初にビジュアルが出た際に、「まぁ様トート=バンコラン説」が
私のTLを席巻していたのですが(笑)実際に見てみると、
全体的に、タッチが魔夜峰央。
……って言って通じるのかなあ?(不安)
パタリロだけじゃないですよ。魔夜先生の、怪奇ものとか悪魔もののタッチ。
あしべゆうほ(『悪魔の花嫁』とか)でもいいです。
往年の少女マンガの「人外」が、3Dでそこにいる。
・パパみたいに
シシィ@みりおん登場。美少女!!
今回、みりおんのビジュアルの成長に刮目しました。
元々美人さんなんだけど、メイク上手になった!!
そして、一路真輝さんにどこか似てる、と昔から思っているんですが、
東宝版の一路さんシシィを結構思い出しました。
そして歌が安心して聞ける~~
・愛と死の輪舞
色気全開でシシィに迫る閣下。
この時、「通常運転」という言葉が頭に浮かびました。
対象を誘惑し、黄泉の世界へ連れて行く。この色気、標準装備ですね、閣下。
それが、シシィに触れて、何かが「弾ける」。
いつもとは違う。「ただの少女のはずなのに」彼女だけ、違う。
「戸惑っている」のが伝わってくる。
目覚めたシシィに「待って!」と声をかけられて、また、戸惑う。
トートを「忘れ去」ったはずの少女が、「覚えてる」ことが意外、という風に。
「通常運転」と「戸惑い」の間の揺らぎが見えるのが、まぁ様トートの特徴だったと思います。
対・シシィだけ、何かがチガウ。同じようにできない。
それが何なのか、確かめるために、彼女を追いかけるかのような。
・皇帝の義務~嵐も怖くない
フランツ@真風がイケメンすぎる。
いや、キャスト発表時から、「真風はフランツでいいのか…?」と思っていたのですが、
まさしく「若くてハンサムな皇帝」。王子様。
これは、シシィも何も考えずにプロポーズ受けちゃうわ。
真風くん、「ボンボン」感があるんだよね、そう言えば。
「ハプスブルクの宝剣」でかなめ君の弟役だったときとか、すごくハマってたのを思い出した。
地がノーブルなのか。ゆえに、ルキーニよりフランツ。
歌も頑張ってた…!
グリュンネ@すっしー組長がカッコいい……
そしてお見合いドレスのみりおんのかわいさよ!
若い2人が後先考えずに勢いで結婚しちゃう展開に説得力がありました。
・不幸の始まり~最後のダンス
ここも宙組のコーラスを堪能。ただ、綺麗に歌いすぎてて不協和音をあまり感じないような??
1人になったシシィの元に、勿体付けて登場する閣下。
ここも、通常運転。
今までもこうやって、ターゲットを落としてきたんだろうなあと想像できる。
いやあ、余裕があるんですよ、まぁ君に。
文句なしにカッコいい。どう見せたら一番効果があるか、わかってる人の見せ方。
シシィは落ちてくれないけど、観客は一発で仕留められます(笑)
・皇后の務め~私だけに
ゾフィー様@せーこちゃんと、リヒテンシュタイン@しーちゃんと、みりおん。
耳が幸せな「皇后の務め」。
でもせーこちゃんはもっとフルパワーで行ってほしい。
しーちゃんもみりおんも、ちゃんと受け止められるはずだから。
(ここは過去に、ハマコ様&美穂景子様のコンビで聞いてるからなあ。)
そして、みりおんの「私だけに」。
歌える人がこの曲をやると、ここまで細かく表現できるのか、と思った。
歌うことだけでいっぱいいっぱいになってしまわないので、細やかに演技ができる。
歌いながら、シシィの感情が変化していくのが、よくわかる。
みりおんのシシィは、賢い。
自分の置かれた状況がどういうものか、そこで自分はどのように生きていくのか、
淡々としたメロディを重ねていく中で、そこがクリアになっていくのがわかる。
ここでのトートは「戸惑い」。
シシィが絶望の中で「生」に向かって目覚めていく姿を直視して、どうしていいのかわからない。
・ハンガリー訪問~退屈しのぎ
シシィの「賢さ」を特に感じたのは、ハンガリーの三色旗ドレスの場面。
そうだよね、その前に「皇后は遂に気付き始める/その美貌が役に立つと」って
ルキーニが歌ってるもんね。自覚的に「演出」したわけだ。
どんな登場の仕方をするのが、一番効果的か。それがよくわかる、圧倒的な美しさでした。
エルマー@あっきーたちを煽るトートは、通常運転。
ここの妖しく美しい閣下が大好物。カフェでのコーラスも良かった~~
・エリザベート(愛のテーマ)
真風君の歌がとっても良かった!!
そして、通常運転で誘惑してくるトート様の、安定のエロっぷり。
一転、シシィに拒絶されて「戸惑う」姿とのギャップに萌える。
(この辺りで「通常運転」と「戸惑い」を強く意識した)
・ミルク!
文句ないです。この場面だけでお金払えます。宙組大好き。
・皇后の務め(リプライズ)~私だけに三重唱
しーちゃんソロ、素晴らしかった。
そして「私だけに」三重唱は、「自覚」する場面。
フランツは、「君無しの人生は耐えられない」ことを。
シシィは「私の人生は私のもの」であることを。
トートは「おまえしか見えない/愛してる」と。
3人とも本当に美しくて、歌も素晴らしくて、うっとりして見ていました。
・キッチュ~私が踊る時
世界の美女がみんな美女!
そして、やっぱりこのシシィは賢いなあ、自己演出力ぱねぇなあ、と思ってしまう。
シシィが強いので、「私が踊る時」が心地良い。
・ママ、どこなの?~皇后の勝利
子ルド@まどかちゃん良かった!
そして一幕では物足りなさを感じていたゾフィー様もすごく良かった。
・マダム・ヴォルフのコレクション
ここはもちろん、マダム@うらら様!!
マデレーネ出してくるよりもマダムが直接行ったほうが早いんじゃないですか的な美しさ!
そして自分からルキーニ捕まえてキスしに行く肉食マダム!!
…ごちそうさまでした。
・落下~放浪
ドクトル・ゼーブルガーな閣下、通常運転です。
シシィの服を脱がせるのも実にナチュラル、エロいことこの上なし。
ただ、そういう攻め方はシシィには効かないということを、そろそろ学習しましょう(笑)
「死ねばいい!」がすごく嬉しそうで好き。
放浪の旅に出るシシィ。
ゾフィーが死んでも、戻ってこない。
シシィは何を求めて旅をするのか、誰にも分からない。本人にも。
フランツに裏切られて、「目的」を見失ってしまったのだと思った。
それまでは、がむしゃらに頑張れていたものが、何のために戦うのか、わからなくなった。
・精神病院
この場面が、出色でした。
そしてこの場面から、私にとっての今回の「エリザベート」が、加速度的に「わかった」。
はい、ヴィンディッシュ@モンチです。
…やりすぎてます(笑)凄まじいです。
アイデンティティを否定されてパニックになる場面の攻撃性と、
魂の安定を取り戻した後の無垢な笑顔と。
鳥肌が立つほど、凄かった。
このヴィンディッシュと対峙して、シシィの「欠落」が見えた。
それは「孤独」なのか「不自由」なのか。
とにかく、シシィは決して幸せでもなく満ち足りてもいないことが、
はっきりわかった。
今まで、この場面って、好きなんだけど全体の中でどう位置づけていいかわからなかったんだけど
(宝塚版と東宝版だと順番違うし。
東宝版はまだわかるんだけど、宝塚版は何を感じたらいいのかわかっていなかった)
ヴィンディッシュが手にしたものを、シシィは手にできていない。
・闇が広がる(リプライズ)~マイヤーリンク
で、ルドルフ@ずんちゃんが、素晴らしかったのです。
…来月行く時はルドルフが替わってるので、ずんルドをもう見られないのが無念…。
ハンガリー独立運動での存在感。トート閣下との相性。
「僕はママの鏡だから」……そう、このルドルフは、間違いなくシシィの鏡だった。
シシィが自覚していなかったシシィ自身を、映し出す存在。
ルドルフにキスした後のトート閣下が、笑わなかった。
(ここは水トートの、にやりと笑った顔が本当に好きだったので、オペラで凝視する癖がついている)
「あれ?」と思いながら、次の場面に移る。
・死の嘆き~愛と死の輪舞(リプライズ)
ルドルフを失って、初めて彼と自分が「鏡同士」だったことに気付いたシシィ。
みりおんシシィはここで、心からトートを求める。求めている。
彼女の欠落を埋めてくれるのは、死しかないのだと。
思えば初めから、彼女にはトートが見えていた。
ずっと、わかっていたのだ。自分がトートを求めていたことを。
なのに、トートはそれを拒絶する。「死は逃げ場ではない!!」
彼もまた、気付いてしまった。ルドルフでは駄目だった。満たされなかった。
シシィでなければ、駄目なのだと。
その衝撃に打ち震えているような、「愛と死の輪舞」だった。
そう、この2人の関係は「ロンド」。
お互いがお互いを追い続けながら回り続ける。
どちらかが立ち止まれば追いつくのに。止まることができずに回り続ける。
こんな「エリザベート」は、初めてだった。
強いて言えば、ウィーン版が近いかもしれないんだけど、
ウィーン版よりもはっきりと「愛」だと思った。
「死が人を愛する! じゃあ、人が死を愛することはあるのだろうか?」(宝塚版)
「真実だ! 皇后は死を愛し、死も皇后を愛した! ウン・グランデ・アモーレ!」(東宝版)
ルキーニがずっと言っていた、「エリザベート」の主題。
今回の宙組版で、この「死との愛」が初めて腑に落ちた。
シシィは、ずっとトートを求めていた。心の底から、「死」を欲していた。
彼女自身を解放してくれる死を。
彼女にとっての死は甘やかなものだからこそ、トートはあんなに美しい姿をしている。
トートはトートで意志を持った存在で、ずっとシシィを求め続ける。
この2人には、お互いしかいない。
ルドルフでは駄目で。フランツでは駄目で。
・夜のボート~最後の答弁
…と、わかった後なので。ごめん、フランツ…あなたじゃ、駄目なのだ。
夜のボート、良かったんだけどね…最後の答弁も良かったんだけど…
トートの「違う!!」に同調。
ていうか、フランツのピークが「嵐も怖くない」だったんだよね…
文句なしの王子様だったけど、晩年の空気っぷりが悲しい。
そしてルキーニも、物語のパーツでしかなかった。
シシィとトートにとって都合の良い存在。
この辺も、回を重ねれば変わってくるのだろうけれど。
・昇天
結構、マジで泣いた。
ラブストーリーと言うべきなのか、1人の女性の解放の物語というべきなのか、
そういうの全部超越した、究極のハッピーエンドだと思った。
2人でいて初めて、完結できる。充足される。その多幸感。カタルシス。
・フィナーレ
男役群舞からハケていく時のまぁ様の投げチューに、全私が萌え死んだ……
あそこだけでも何回でも見たい。
……以上、とにかく初見の感想!
また気付いたことがあったら書き足します!!
エリザに関する前置きはどうしても長くなってしまうけれど、
一昨年の花組さんとか、昨年の東宝版とかでいろいろ書いたので省略。
どうしても過去作と比較されるのは再演のサガ、
でも今回は「まぁ様&みりおんの」エリザについて語りたい。
【エリザベート -愛と死の輪舞- 】
初日の翌日に見に行けました。前情報はあまり無し。
見ながら、私の印象も変化しているので、順を追って箇条書き的に書いていきます。
あ、今回は、訳あって黒天使に注目して見ていたので、
他の人や場面を見逃しているところもたくさんあると思います。
(しかも黒天使についてはあまり書くことが無い。
改めてじっくり見ると、めっちゃカッコいい! 以外に言うことが無い)
・プロローグ
ルキーニ@愛ちゃんから始まる物語。愛ちゃん、スタイル良すぎ!!
ヒゲも似合ってます。
宙組のコーラス力。
エリザだと生きますねえ。ところで、
誰も知らない真実 エリザベート
のところって、あんなにテンポゆっくりだったっけ?
トート閣下@まぁ様降臨。
最初にビジュアルが出た際に、「まぁ様トート=バンコラン説」が
私のTLを席巻していたのですが(笑)実際に見てみると、
全体的に、タッチが魔夜峰央。
……って言って通じるのかなあ?(不安)
パタリロだけじゃないですよ。魔夜先生の、怪奇ものとか悪魔もののタッチ。
あしべゆうほ(『悪魔の花嫁』とか)でもいいです。
往年の少女マンガの「人外」が、3Dでそこにいる。
・パパみたいに
シシィ@みりおん登場。美少女!!
今回、みりおんのビジュアルの成長に刮目しました。
元々美人さんなんだけど、メイク上手になった!!
そして、一路真輝さんにどこか似てる、と昔から思っているんですが、
東宝版の一路さんシシィを結構思い出しました。
そして歌が安心して聞ける~~
・愛と死の輪舞
色気全開でシシィに迫る閣下。
この時、「通常運転」という言葉が頭に浮かびました。
対象を誘惑し、黄泉の世界へ連れて行く。この色気、標準装備ですね、閣下。
それが、シシィに触れて、何かが「弾ける」。
いつもとは違う。「ただの少女のはずなのに」彼女だけ、違う。
「戸惑っている」のが伝わってくる。
目覚めたシシィに「待って!」と声をかけられて、また、戸惑う。
トートを「忘れ去」ったはずの少女が、「覚えてる」ことが意外、という風に。
「通常運転」と「戸惑い」の間の揺らぎが見えるのが、まぁ様トートの特徴だったと思います。
対・シシィだけ、何かがチガウ。同じようにできない。
それが何なのか、確かめるために、彼女を追いかけるかのような。
・皇帝の義務~嵐も怖くない
フランツ@真風がイケメンすぎる。
いや、キャスト発表時から、「真風はフランツでいいのか…?」と思っていたのですが、
まさしく「若くてハンサムな皇帝」。王子様。
これは、シシィも何も考えずにプロポーズ受けちゃうわ。
真風くん、「ボンボン」感があるんだよね、そう言えば。
「ハプスブルクの宝剣」でかなめ君の弟役だったときとか、すごくハマってたのを思い出した。
地がノーブルなのか。ゆえに、ルキーニよりフランツ。
歌も頑張ってた…!
グリュンネ@すっしー組長がカッコいい……
そしてお見合いドレスのみりおんのかわいさよ!
若い2人が後先考えずに勢いで結婚しちゃう展開に説得力がありました。
・不幸の始まり~最後のダンス
ここも宙組のコーラスを堪能。ただ、綺麗に歌いすぎてて不協和音をあまり感じないような??
1人になったシシィの元に、勿体付けて登場する閣下。
ここも、通常運転。
今までもこうやって、ターゲットを落としてきたんだろうなあと想像できる。
いやあ、余裕があるんですよ、まぁ君に。
文句なしにカッコいい。どう見せたら一番効果があるか、わかってる人の見せ方。
シシィは落ちてくれないけど、観客は一発で仕留められます(笑)
・皇后の務め~私だけに
ゾフィー様@せーこちゃんと、リヒテンシュタイン@しーちゃんと、みりおん。
耳が幸せな「皇后の務め」。
でもせーこちゃんはもっとフルパワーで行ってほしい。
しーちゃんもみりおんも、ちゃんと受け止められるはずだから。
(ここは過去に、ハマコ様&美穂景子様のコンビで聞いてるからなあ。)
そして、みりおんの「私だけに」。
歌える人がこの曲をやると、ここまで細かく表現できるのか、と思った。
歌うことだけでいっぱいいっぱいになってしまわないので、細やかに演技ができる。
歌いながら、シシィの感情が変化していくのが、よくわかる。
みりおんのシシィは、賢い。
自分の置かれた状況がどういうものか、そこで自分はどのように生きていくのか、
淡々としたメロディを重ねていく中で、そこがクリアになっていくのがわかる。
ここでのトートは「戸惑い」。
シシィが絶望の中で「生」に向かって目覚めていく姿を直視して、どうしていいのかわからない。
・ハンガリー訪問~退屈しのぎ
シシィの「賢さ」を特に感じたのは、ハンガリーの三色旗ドレスの場面。
そうだよね、その前に「皇后は遂に気付き始める/その美貌が役に立つと」って
ルキーニが歌ってるもんね。自覚的に「演出」したわけだ。
どんな登場の仕方をするのが、一番効果的か。それがよくわかる、圧倒的な美しさでした。
エルマー@あっきーたちを煽るトートは、通常運転。
ここの妖しく美しい閣下が大好物。カフェでのコーラスも良かった~~
・エリザベート(愛のテーマ)
真風君の歌がとっても良かった!!
そして、通常運転で誘惑してくるトート様の、安定のエロっぷり。
一転、シシィに拒絶されて「戸惑う」姿とのギャップに萌える。
(この辺りで「通常運転」と「戸惑い」を強く意識した)
・ミルク!
文句ないです。この場面だけでお金払えます。宙組大好き。
・皇后の務め(リプライズ)~私だけに三重唱
しーちゃんソロ、素晴らしかった。
そして「私だけに」三重唱は、「自覚」する場面。
フランツは、「君無しの人生は耐えられない」ことを。
シシィは「私の人生は私のもの」であることを。
トートは「おまえしか見えない/愛してる」と。
3人とも本当に美しくて、歌も素晴らしくて、うっとりして見ていました。
・キッチュ~私が踊る時
世界の美女がみんな美女!
そして、やっぱりこのシシィは賢いなあ、自己演出力ぱねぇなあ、と思ってしまう。
シシィが強いので、「私が踊る時」が心地良い。
・ママ、どこなの?~皇后の勝利
子ルド@まどかちゃん良かった!
そして一幕では物足りなさを感じていたゾフィー様もすごく良かった。
・マダム・ヴォルフのコレクション
ここはもちろん、マダム@うらら様!!
マデレーネ出してくるよりもマダムが直接行ったほうが早いんじゃないですか的な美しさ!
そして自分からルキーニ捕まえてキスしに行く肉食マダム!!
…ごちそうさまでした。
・落下~放浪
ドクトル・ゼーブルガーな閣下、通常運転です。
シシィの服を脱がせるのも実にナチュラル、エロいことこの上なし。
ただ、そういう攻め方はシシィには効かないということを、そろそろ学習しましょう(笑)
「死ねばいい!」がすごく嬉しそうで好き。
放浪の旅に出るシシィ。
ゾフィーが死んでも、戻ってこない。
シシィは何を求めて旅をするのか、誰にも分からない。本人にも。
フランツに裏切られて、「目的」を見失ってしまったのだと思った。
それまでは、がむしゃらに頑張れていたものが、何のために戦うのか、わからなくなった。
・精神病院
この場面が、出色でした。
そしてこの場面から、私にとっての今回の「エリザベート」が、加速度的に「わかった」。
はい、ヴィンディッシュ@モンチです。
…やりすぎてます(笑)凄まじいです。
アイデンティティを否定されてパニックになる場面の攻撃性と、
魂の安定を取り戻した後の無垢な笑顔と。
鳥肌が立つほど、凄かった。
このヴィンディッシュと対峙して、シシィの「欠落」が見えた。
それは「孤独」なのか「不自由」なのか。
とにかく、シシィは決して幸せでもなく満ち足りてもいないことが、
はっきりわかった。
今まで、この場面って、好きなんだけど全体の中でどう位置づけていいかわからなかったんだけど
(宝塚版と東宝版だと順番違うし。
東宝版はまだわかるんだけど、宝塚版は何を感じたらいいのかわかっていなかった)
ヴィンディッシュが手にしたものを、シシィは手にできていない。
・闇が広がる(リプライズ)~マイヤーリンク
で、ルドルフ@ずんちゃんが、素晴らしかったのです。
…来月行く時はルドルフが替わってるので、ずんルドをもう見られないのが無念…。
ハンガリー独立運動での存在感。トート閣下との相性。
「僕はママの鏡だから」……そう、このルドルフは、間違いなくシシィの鏡だった。
シシィが自覚していなかったシシィ自身を、映し出す存在。
ルドルフにキスした後のトート閣下が、笑わなかった。
(ここは水トートの、にやりと笑った顔が本当に好きだったので、オペラで凝視する癖がついている)
「あれ?」と思いながら、次の場面に移る。
・死の嘆き~愛と死の輪舞(リプライズ)
ルドルフを失って、初めて彼と自分が「鏡同士」だったことに気付いたシシィ。
みりおんシシィはここで、心からトートを求める。求めている。
彼女の欠落を埋めてくれるのは、死しかないのだと。
思えば初めから、彼女にはトートが見えていた。
ずっと、わかっていたのだ。自分がトートを求めていたことを。
なのに、トートはそれを拒絶する。「死は逃げ場ではない!!」
彼もまた、気付いてしまった。ルドルフでは駄目だった。満たされなかった。
シシィでなければ、駄目なのだと。
その衝撃に打ち震えているような、「愛と死の輪舞」だった。
そう、この2人の関係は「ロンド」。
お互いがお互いを追い続けながら回り続ける。
どちらかが立ち止まれば追いつくのに。止まることができずに回り続ける。
こんな「エリザベート」は、初めてだった。
強いて言えば、ウィーン版が近いかもしれないんだけど、
ウィーン版よりもはっきりと「愛」だと思った。
「死が人を愛する! じゃあ、人が死を愛することはあるのだろうか?」(宝塚版)
「真実だ! 皇后は死を愛し、死も皇后を愛した! ウン・グランデ・アモーレ!」(東宝版)
ルキーニがずっと言っていた、「エリザベート」の主題。
今回の宙組版で、この「死との愛」が初めて腑に落ちた。
シシィは、ずっとトートを求めていた。心の底から、「死」を欲していた。
彼女自身を解放してくれる死を。
彼女にとっての死は甘やかなものだからこそ、トートはあんなに美しい姿をしている。
トートはトートで意志を持った存在で、ずっとシシィを求め続ける。
この2人には、お互いしかいない。
ルドルフでは駄目で。フランツでは駄目で。
・夜のボート~最後の答弁
…と、わかった後なので。ごめん、フランツ…あなたじゃ、駄目なのだ。
夜のボート、良かったんだけどね…最後の答弁も良かったんだけど…
トートの「違う!!」に同調。
ていうか、フランツのピークが「嵐も怖くない」だったんだよね…
文句なしの王子様だったけど、晩年の空気っぷりが悲しい。
そしてルキーニも、物語のパーツでしかなかった。
シシィとトートにとって都合の良い存在。
この辺も、回を重ねれば変わってくるのだろうけれど。
・昇天
結構、マジで泣いた。
ラブストーリーと言うべきなのか、1人の女性の解放の物語というべきなのか、
そういうの全部超越した、究極のハッピーエンドだと思った。
2人でいて初めて、完結できる。充足される。その多幸感。カタルシス。
・フィナーレ
男役群舞からハケていく時のまぁ様の投げチューに、全私が萌え死んだ……
あそこだけでも何回でも見たい。
……以上、とにかく初見の感想!
また気付いたことがあったら書き足します!!
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