2022年7月9日
「アベさんに対する銃撃について思うこと」
小出 裕章
アベさんが銃撃を受けて死んだ。
悲しくはない。
アベさんは私が最も嫌う、少なくとも片手で数えられる5人に入る人だった。
アベさんがやったことは特定秘密保護法制定、集団的自衛権を認めた戦争法制定、共謀罪創設、フクシマ事故を忘れさせるための東京オリンピック誘致、そしてさらに憲法改悪まで進めようとしていた。
彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争ができる国への道づくりだった。
アベさんは弱い立場の国・人達に対しては居丈高になり、強い国・人達に対してはとことん卑屈になる最低の人だった。
朝鮮を徹底的にバッシングし、トランプさんにはこびへつらって、彼の言いなりに膨大な武器を購入した。
彼は息をするかのように嘘をついた。
森友学園、加計学園、桜を観る会、アベノマスク…
彼とその取り巻きの利権集団で、国民のカネを、あたかも自分のカネでもあるかのように使い放題にした。
それがばれそうになると、丸ごと抱え込んだ官僚組織を使って証拠の隠ぺい、改ざん、廃棄をして自分の罪を逃れた。
その中で、自死を強いられる人まで出たが、彼は何の責任も取らないまま逃げおおせた。
私は彼の悪行を一つひとつ明らかにし、処罰したいと思ってきた。
私は一人ひとりの人間は、他にかけがえのないその人であり、殺していい命も、殺されていい命も、一つとして存在していないと公言してきた。
アベさんにはこれ以上の悪行を積む前に死んでほしいとは思ったが、殺していいとは思っていなかった。
悪行についての責任を取らせることができないまま彼が殺されてしまったことをむしろ残念に思う。
多くの人が「民主主義社会では許されない蛮行」と言うが、私はその意見に与しない。
すべての行為、出来事は歴史の大河の中で生まれる。
歴史と切り離して、個々の行為を評価することはもともと誤っている。
そもそも日本というこの国が民主主義的であると本気で思っている人がいるとすれば、それこそ不思議である。
国民、特に若い人たちを貧困に落とし、政治に関して考える力すら奪った。
民主主義の根幹は選挙だなどと言いながら、自分に都合のいい小選挙区制を敷き、どんなに低投票率であっても、選挙に勝てば後は好き放題。
国民の血税をあたかも自分のカネでもあるかのように、自分と身内にばらまいた。
原子力など、どれほどの血税をつぎ込んで無駄にしたか考えるだけでもばかばかしい。
日本で作られた57基の原発は全て自由民主党が政権をとっている時に安全だと言って認可された。
もちろん福島第一原発だって、安全だとして認可された。
その福島原発が事故を起こし、膨大な被害と被害者が出、事故後11年経った今も「原子力緊急事態宣言」が解除できないまま被害者たちが苦難にあえいでいる。
それでも、アベさんを含め自民党の誰一人として、そして自民党を支えて原発を推進してきた官僚たちも誰一人として責任を取らない。
もちろん裁判所すら原発を許してきた国の組織であり、その裁判所は国の責任を認めないし、東京電力の会長・社長以下の責任も認めない。
どんな悲惨な事故を起こしても誰も責任を取らずに済むということをフクシマ事故から学んだ彼らはこれからもまた原子力を推進すると言っている。
さらに、これからは軍事費を倍増させ、日本を戦争ができる国にしようとする。
愚かな国民には愚かな政府。
それが民主主義であるというのであれば、そうかもしれない。
しかし、それなら、虐げられた人々、抑圧された人々の悲しみはいつの日か爆発する。
今回、アベさんを銃撃した人の思いは分からない。
でも、何度も言うが、はじめから「許しがたい蛮行」として非難する意見には私は与さない。
心配なことは、投票日を目前にした参議院選挙に、アベさんが可哀想とかいう意見が反映されてしまわないかということだ。
さらに、今回の出来事を理由に、治安維持法、共謀罪などが今まで以上に強化され、この国がますます非民主主義的で息苦しい国にされてしまうのではないかと私は危惧する。
100日、100万超。1月20日に最初の新型コロナウイルス感染者が見つかってから
現在までの100日あまりで、米国は感染者数が1人から100万人以上に増加し、世界で新型
コロナウイルス感染者と死者が最も多い国になった。
国内での蔓延が深刻な中、米国の一部の政治家は感染抑制に取り組むのではなく、デマを流して他人の顔に泥を塗り、他人のせいにするなどしている。
これは責任を転嫁できないどころか、かえって米国の防疫における数々の疑問点
を明るみにし、外部から様々な疑問の声が上がっている。感染症流行に関するこの10個の疑問について、米国政府にははっきり回答、説明する責任と義務がある。
1、鳥インフルエンザウイルスの改造を昨年突然再開したのに、その後の情報がないのはなぜか。
昨年2月、米国のサイエンス誌ウェブ版は、米国の政府機関が、かつて巨大な論争を
引き起こした鳥インフルエンザウイルスの改造実験をひっそりと認可し、「危険」とされた実験が何年も経って再開されることになったと伝えた。
関連の実験はH5N1鳥インフルエンザウイルスを哺乳類同士で伝染しやすくし、人から
人への伝染リスクにもつながる可能性があると見られている。米国が4年後にこのような危
険な実験を再開するのはなぜか。また、進展を明かさないのはなぜか。
2、米軍生物実験室が一時閉鎖された真相は何か。
真相は何か。
ウェブサイト「Global Biodefense」の報道によると、メリーランド州フォート・デト
リックにある米陸軍伝染病医学研究所(USAMRIID)は業務を全面的に再開した。昨年7月、米国疾
病予防管理センター(CDC)はメリーランド州フォート・デトリックにある米陸軍伝染病医学研究所に「業務停止令」を出し、「特定バイオ製剤と毒素」の研究の停止を要請した。
今年3月、ホワイトハウスは請願サイトに特殊な請願書を掲載し、米政府に昨年7月にUS
AMRIIDを閉鎖した本当の理由を発表するよう求めた。USAMRIIDの謎に包まれた閉鎖と迅速な再開は注目を集めている。ホワイトハウスの請願サイトに掲載された請願書に対し、米国はどのように対応するのか。
3、昨年の伝染病演習が今年本当に発生したのは、ただの偶然か。
今年3月、ニューヨーク・タイムズ紙は米国の公式秘密文書を掲載した。文書には、201
9年1月から8月16日にかけて、米保険福祉省(HHS)は「Crimson Contagion」というコード名
のシミュレーションを実施し、中国でウイルスが発生したことを想定
した演習を行うと記されていた。2019年10月には、米国の多くの機関が「Event 201」というコード名のパンデミック演習を実施した。
演習は、SARSより致命的で風邪のように伝染しやすいがワクチン未開発のコロナウイルスが発生し、急速に蔓延が進みパンデミックになったという設定だった。
米国が昨年実施した伝染病演習の設定が現実とこれほど合致しているのは、ただの偶然か。演習があったのに、新型コロナウイルス発生後に米国がそれほど重視せず、「まだ 把握の範疇」としたのはなぜか。
4、感染症の大流行を予想しながらも警告を無視したのはなぜか。
今年4月、米ABCは消息筋の言葉として、2019年11月下旬、米国の情報官は国防情報局、ペンタゴン、ホワイトハウスに対し、伝染病が中国武漢地区を席巻していると何度も警告した。
米国家医学情報所(NCMI)は昨年11月、ウイルスの大流行状況を詳しく記
載した報告を作成し、その後に新型コロナウイルス感染症「COVID-19」であることが確認された。あるアナリストは、武漢での感染症流行は災害に発展する可能性があると見ていた。
米ワシントン・ポストのウェブ版は、年初めの2カ月あまり、トランプ氏は米情報機関
から新型コロナウイルスに関する密集警告を受け取っていたと伝えた。米国政府が「国家非常事態宣言」を3月13日まで先延ばしにしたのはなぜか。
5、どれほどのインフルエンザ患者が実際は新型コロナウイルスに感染しているのか、はっきりさせてほしい。
今年2月21日、日本のテレビ朝日は「米国のインフルエンザによる死者1万4000人の
一部は新型コロナウイルスで死亡した」と報道し、話題になった。米国疾病予防管理センター(CDC)が2月末に発表した報告は、今冬のインフルエンザ流行時期、米国で少なくとも3200万人がインフルエンザに感染すると予想した。
3月11日、米国議会下院でCDCのロバート・レッドフィールド主任は、米国のインフルエンザに
よる死者の一部が実際は新型コロナウイルスに感染していた可能性があると認めた。米国のインフルエンザ感染者のうち、どれほどの新型コロナウイルス感染者がいるのか。
米国はインフルエンザで新型コロナウイルス感染状況を隠そうとしているのか。米国はい
つになったらインフルエンザウイルス標本と遺伝子配列情報を公開し、世界保健機関(WHO)や国連が派遣
する専門家チームに分析を許可するのか。
6、新型コロナウイルスが米国で発生したのは一体いつか。コミュニティ感染は早くに始まっていたのか。
7、世界初の新型コロナウイルスワクチンの人体実験を開始したが、これほど早くどのようにしてウイルス株を取得したのか。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、米国立
衛生研究所(NIH)は3月16日、バイオ技術会社Moderna Inc. (MRNA)が新型コロナウイ
ルスの試験性ワクチンの初の人体実験を開始したと発表した。世界初の新型コロナウイルスワク
チンの人体実験が米国で始まったことについて、
専門家は「早くから実験を開始し、ウイルス株を取得していない限り、あまりにも速
すぎる」としている。米国でワクチンの人体実験がこれほど早いのはなぜか。いつど
のような方法でウイルス株を取得したのか。
8、政府は感染症流行は深刻でないと示したのに、官僚が保有株を売ったのはなぜか、
ワシントン・ポスト紙によると、新型コロナウイルス感染症の流行による米株暴落が発生す
る1週間ほど前、米下院情報委員会のリチャード・バー会長は、自分と夫人が保有する33銘柄の
株式を売った。その額は62万8000ドルから172万ドルになると見られる。
2月中旬に米国政府は本国の新型コロナウイルス流行を重視していなかったのに、下院情報委
員会の多くの官僚がこの時期に100万ドル相当の株式を売ったのはなぜか。政治家はインサイダー取引を利用して株式を売りながら、庶民に感染症流行を隠していたのか。
9、米国の専門家と学者が新型コロナウイルスについて公の場で語るのを許可しない目的は何か。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、マイク・ペンス副大統領が米国の防疫作業を指導す
るようになってから、ホワイトハウスは現地時間2月27日、新型コロナウイルス情報の「発言」規制を強化した。米国立衛生研究院(NIH)アレルギー・ 感染症研究所(NIAID)の主任で米国疾病予防管理セ
ンター(CDC)トップクラス伝染病専門家のアンソニー・S・ファウチ氏を含む多くの科学者と政府の衛生官僚は、
米国副大統領事務所との相談後に新型コロナウイルスについての声明発表または公の場で発言
することが要求された。発言の自由を主張する米国が、専門家と学者の新型コロナウイルスに関す
る自由な発言を許可しないのはなぜか。何かを隠しているのか、それとも何かを恐れているのか。