jykell7引越し先

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あとがき?

2005-11-29 19:33:48 | ノンジャンル
本当はここで終わるはずでした。アンハッピーエンドで。
巨悪を前にして志半ばにして屈する。こういう話はキライじゃないです^^
現実では恐怖と怒りで身体が震える思いをしているのにねw

しかし、あまりにも中途半端なので後日談みたいなものを書き足すことに
しました。

思えば俺、失意のうちにFFに移ってきたんだなぁ~と。

この一件から数年が経つ今、彼ら(豆腐)の存在ってあの世界には必要悪みたいな物で結構、重要なんではないかと感じたりもしています。
彼らが完全なヒールを演じてくれるからこそ、こちらは正義の味方ごっこw
ができる。これぞMMORPGなのではないか?

FFのバリスタなんかはそこら辺を完全に否定して作られており、それがメリットでもあり、デメリットでもあり。あれもハマると楽しいらしいけどねー
ね、Uさん?w

それではもう少しだけお付き合いください~

憎悪~第4話~

2005-11-27 13:56:51 | ノンジャンル
光り輝く黄金のプレートアーマー。がっしりと大地に足を踏ん張り、独特の腰を落として身構える威嚇的な戦闘態勢。まるでダースベーダー卿の様な荒々しい吐息。
俺は心臓が止まりそうになった。 
敵ナイトはあろうことか、【デスナイト】に変身して俺の前に仁王立ちしている。

このゲームのプレイヤーなら誰もが目指し、そして誰もが夢破れて忸怩たる思いを被る存在【デスナイト】。
FFプレイヤーにはなんと説明したらいいのだろう。闇王か、嘉村か、AAか。
いや、あんなランクを上げれば誰でもお目にかかれるようなもんじゃあ、ない。本来の【デスナイト】はある高レベルダンジョンの最奥にリアル一週間に一度、出現するか、しないかという、ボスキャラクターだ。 こいつに変身できるのはLv52以上のプレイヤーだけなのだが
このゲーム、Lv49→Lv50になる時にとんでもない壁がある。 
必要経験値が天文学的に跳ね上がり、計算すると49から50にたった1つ上げるのにLv1からLv49のキャラを約3人、育てるのと同じ経験値を必要とする。
その間、一度でも死んでしまえばそこでロストする経験値は一日6時間プレイする人で約、二か月分が一瞬で失われる。まぁ、事実上のレベルキャップになっているわけだが、韓国製のゲーム(口の悪い奴はチョンゲーと言う)がおしなべて廃人仕様、といわれる所以だ。 俺も多聞にもれず、DK(この場合はデスナイト)を目指したくちだ。LV49までには10ヶ月でなった。そして・・・49から一ヶ月であきらめた。経験値取得パーセントが0.00%で画面左下に現れるのだが、何百匹モンスターを狩ってもそれがピクリとも動かなくなるのだ。 それから後の俺の凋落振りは以前、話した通りだ。 

FFであれば70を過ぎてもnext expは50000ほどか。時給4000~5000のPTに入れば次レベルまでの10%は1回の狩で稼げる。 ところがリネの場合、これが0.8~2.0%に落ち込むため、Lv49を過ぎるとまさに疑獄の苦しみが・・・回線ラグで死んだり、事故死しただけで、そのあまりのロスト経験地に絶望し、失意のうちに引退してしまうやつも後を絶たない。

それでもどこにでも廃人はいるもので、俺が引退するとき、4000人いたサーバーでデスナイトは5人、存在していただろうか。なれる確立0.00125%か。ひどいもんだ。 
更にそのDK5人中の2人はアカウント共有がバレて運営会社からBAN(アカウント削除)された、というおまけつきだ。噂ではなんでも、7人から8人がかりで交代で24時間休みなく、育てていたそうだ。
本場韓国ではLv54のデスナイトキャラが日本円で50万で出品、即落札されたと言う。装備も武器も全てRMTで稼ぎ、人海戦術で育てあげられるデスナイト・モーフ。
なんにしても正気の沙汰ではない。 そんな狂気のゲームから俺がFFに逃げ出してから約一年。鯖自体も成熟期を通り越して退廃、末期症状のなかで、プレイヤーのレベルも上がってきているのか・・それとも経験値補正パッチでも当たったのだろうか。

いずれにしろ、俺はこのデスナイトと戦わなくてはならない。勝ち目などない。テレポスクロールでとんずらする手もあるが・・それでは面白くねーだろ? みんな。

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憎悪~第3話~

2005-11-26 13:43:38 | ノンジャンル
俺はためらいながら、自分の愛犬に刃を向ける・・・・

ギャウン! ガゥガゥ、ギャヒィィィン!!
悲痛な叫びが俺の心をえぐる。想像して欲しい。FFの竜騎士が自分の愛する子竜を殺すだろうか。
許せよ、ワン公。間に合うのなら、戦闘後、必ず復活させてやるからな・・
愛犬は鳴きながら、いや、正確に表現するなら泣きながら主人である俺に反撃してくる。おぅ、お前の攻撃、けっこう痛いじゃねぇか。お前、強くなってたんだなぁ・・・
ごめんな、俺ここで負ける訳には行かねぇんだよ。

と、敵ナイトの攻撃が一瞬やんだ。なんて野郎だ、一緒になって俺の愛犬を攻撃してきやがった。俺の怒りは頂点に達する。このキチガイナイトめ、そうはさせるかっっ! しかし、冷静に考えるとこの敵ナイトは極めてマトモだったのだ。伊達にDK(ドッグキラー)はやっていなかった。俺が愛犬を殺そうとする目的を素早く察知していたのだ。

コントローラを握る手が汗でびっしょりだ。喉もカラカラだがすぐ目の前に置いてあるコーヒーも手が出せない。

クゥオオーン・・ 愛犬がひときわ、悲しげな断末魔の叫びを上げて倒れる。
さぁ、どっちだ!! 犬のタゲは俺が取っていたはずだ、その体内に格納していた、200個のポーションはどちらへドロップするっ?
ログを注視する。息が詰まりそうだ・・・

俺はニヤリ、と嘲った。この勝負、もらった。俺の総ポーション数、限界値の256個。
敵はおおよそ、50個はきっているだろう。魔道士にヒール援助をもらったとはいえ、俺に強力な精霊と弱体を撃ち続けたせいでMPは底をついているはずだ。さっきから俺の背後で貧弱な杖でペチペチと俺を叩くのだが、かすりもしない。MPの尽きた魔道士に用などない。ナイトの後でゆっくり味わいながら切り刻んでやる。

勝ち誇った俺の前から敵ナイトの姿がフッと消える。ふん、やはりそうやって逃げるのか。糞野郎のくせに、死ぬのは嫌なのか。今度は俺が地獄の果てまで追い続けてやるよ、楽しみにしてろ。

しかし・・・。奴は瞬間テレポートしたのではなかった。再び現れたそいつはまばゆい光を放ちながら俺の眼前に現れたのだ。

そして俺は驚愕と絶望の淵に立たされた・・・・・・・。


==========次回、最終回につづく===========


第2部~憎悪 第2話~

2005-11-25 02:05:14 | ノンジャンル
「待たせたな。」
早速相手キャラの名前を聞こうと近づいていくと初めて魔道士が口を開く。
「キタ--!!!」・・・・失礼なやつだと思いつつ俺は
「で、殺るやつの名は?」
「それが、よくわかんないのw jjjijjjiiとかなんとかwあ、そこにいるけ どねwww」

なにぃ!? どういう事だ、と思った瞬間、俺の後頭部に凄い衝撃が走った。
ふ、おめでたいな、俺は。こんなよくある罠にハマっちまうなんてな。
恐らく先日殺したナイト達のチンピラ仲間に違いない。豆腐屋のバカやつらだ。
反射的に振り向きながら剣を抜くと一人のナイトが加速しつつ猛然と俺を攻撃している。

ヘイストポーション、ブレイブポーション!! 俺も二段階加速しつつ、反撃へ。
ちと、出遅れたが、なんとかなるかな。少なくとも持てるポーションは俺のほうが上だ。
戦争に参加するために作ったこのキャラは初期ステータスのポイント割り振りをすべてCON(体力&持てるアイテムの多さ)に振り分けてある。STR(攻撃力)とDEX(素早さ)はあえて無視した。爆発的な攻撃力には欠けるが要はこのゲーム、どれだけポーションを搭載できて、長時間、敵の攻撃を耐えるかにかかっている。FFのナイトにも共通するところか。

背後からアイスランスという魔法が飛んできて、俺の体が巨大な氷の塊に閉じ込められた。
約15秒間、氷付けになって身動きができない。(くっ、なーにがLv22だ、Lv41以上あるな)
固まってる間に敵ナイトに絶え間なくグレイターヒール。そして俺には追い討ちをかけるようにカーズポイズン、カーズパラライズ、パンパイアリックタッチ。弱体魔法のオンパレード。
当初、230個もっていたポーションがこの時点で残り約110個。
敵ナイトの体力残量、不明。FFの様にグラフィックに変化がないこのゲームでは相手のLvがわからない。
ポーションの使用間隔、一撃の痛さから推測すると相手のほうが格上のようだ。・・・殺されるな。仕方がない、自分の犬に死んでもらうか・・。

俺は茂みの中に潜ませておいたドーベルマンをコマンドで呼び寄せた。野良犬から半年間育てた愛犬だ。Lvもあがり、狩のよき相棒だった・・・・。
「ごめんな、ワン公。」
俺は一瞬、タゲを外すと、自分の愛犬に切りかかった。

===========つづく============


第2部~憎悪~第2話

2005-11-23 00:05:39 | ノンジャンル
・ ・・依頼の内容はこうだ。

●何度も同じ相手に殺されて困っている
●武器、防具はそのままだが、お金と宝石類を略奪される
●いっしょにはじめた友達も怖がって半ば、引退状態・・
●問いただしても相手は一言も喋らない
●犬を連れていると先に犬を攻撃、反撃するとこちらが赤ネームになり、相手に正当防衛扱いされてしまう
●相手のクランマーク(LS)はその都度、変わっている

DK(ドッグキラー)をするあたり、かなり昔からのPKらしい。武器、防具を奪わないのは、狩の効率を落とさせないように、すなわち、カモとして次回の稼ぎをなるべく早く蓄積させる為。もっとも、DKは現在は仕様変更されていて、無効な技であるはずなのだが・・ LSマークがころころ変わるのは偽装の為だろう。まぁいい、面白くなってきた。
俺は魔道士にwis(tell)を送り、相手のキャラ名を教えるように伝えた。ところがその魔導士は俺と会って直接、依頼したい、と言ってきた。お礼はいくら払えばいいのか、しきりに気にしている。度重なる略奪で、恐らく数百アデナ(ギル)しか持っていないのだろう。 こちらの身も危険に晒されるし、ポーション代もばかにならない。正直、一人に付き、10,000ギルは欲しいところだ。 俺はこう、返事した。

「10ギルでいーよ」

あ~あ、またイイ人のふり、かよ。ま、引退するのに金なんかもらっても意味ないけどな。 どこで会うのがいいか、と聞くと、相手はケントからSKT(シルバーナイトタウン)に抜ける森の奥にある水神の神殿前に30分くらいで着きますので、そこでお願いします、と伝えてきた。俺はすぐさま、フル装備してアイテム屋へ。すると、そこのブクブク太ったハゲ親父のNPCが 「・・・。てめぇに売ってやるアイテムなんかねぇよ。帰れ」
・・・まだ、カオティック数値(悪人度)が回復していないのを忘れていた。街のガードNPCに嗅ぎ付けられる前にランダムテレポートしてすぐ、ログアウト。
半年振りに倉庫キャラのエルフを引っ張り出すと、犬を2匹連れ、再度アイテム屋へ。
重量制限を越えてポーション、テレポスクを買い込むため、犬にもアイテムをフルに持たせる。 

あと10分ほどで約束の時間が迫っていた。

===========つづく============