10/09,10 クチャ滞在
クチャは西域三十六国中の大国の一つ亀茲王国の都であり、西域の政治・経済・軍事及び交易の中心でした。四世紀から五世紀にかけては仏教が栄え、特に仏典を漢訳した鳩摩羅什(クマラジュー)は亀茲出身です。西暦627年には玄奘三蔵も滞在しています。
2日間をかけキジル(克孜?)、クムトラ(?木吐拉)、シムシム(森木塞姆)及びクズルガハ(克孜尓?哈)石窟を見学してきました。
DigiBook「亀茲石窟を訪ねる」をご覧ください。
</object>
4石窟ともイスラム教の進出により仏教が衰退した結果大きく破壊され、さらに1900年代の各国探検隊(ドイツのグリュンヴェーデルやル・コック、日本の大谷探検隊など)により、かなりの壁画が切り取られ、往時の姿は保たれていない。しかし、亀茲の石窟壁画はガンダーラ、インド風に、後に中原からの影響も加えて独特の画風・色彩を持っています。
・キジル石窟 クチャの西70kmのムザルト河北岸にあり、3~8世紀(三国、西晋、南北朝隋、晩唐)に造営され236の石窟が残っている。中国で最古の石窟群です。今回は西谷区8,10,17,27,32,34,38窟、東谷区の165,166,167,175,178,180窟を見学。
・クムトラ石窟 クチャから南西30kmのムザルト河左岸の石窟群。5~8世紀にかけて造営され、現在112窟が残っている。15,16,17,34,45,58,63,68,69,70,71,72窟を見学。
・シムシム石窟 クチャ東北40kmにあり、4~5世紀に造営され、57窟が残っている。1,11,19,20,24,27,28,30,31,36,40,4142,43,44,26窟を見学。
・クズルガハ石窟 クチャ北12kmにあり、 6~8世紀に造営され、66窟が残っている。11,13,14,16,27,28,30,31,32窟を見学。
・スバシ古城 クチャの北東23kmにある魏晋時代の仏寺遺跡。昭怙厘大寺とも呼ばれ、クチャ河上流をはさみ東西両岸に分かれている。
・クズルガハ烽火台 クチャの北クズルガハ石窟への途上にある天山南路最古の烽火台。クズルガハとは「赤い嘴のカラス」の意。
・クチャ大寺 イスラム教がクチャに伝搬した後、15世紀頃の寺院。カシュガルのエイテガール寺院に次ぐ大寺。