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『神の家の災い』 ポール・ドハティー(著),古賀弥生(翻訳)

2024年12月05日 22時14分04秒 | ■読書
イギリスの作家ポール・ドハティーの長篇ミステリ作品『神の家の災い(原題:Murder Most Holy)』を読みました。
イギリスの作家の作品は、先日読了したアレックス・パヴェージの『第八の探偵』以来ですね。

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摂政ジョン・オブ・ゴーントの宴に招かれたクランストン検死官は、四人もの人間を殺した〈緋色の部屋〉の謎を解くはめになる。
一方、アセルスタン修道士の守る教会では、改修中に発見された人骨が、傷を癒やす奇跡を起こしたと大評判をとっていた。
さらに、かつてアセルスタンが籍を置いた修道院で、神をも恐れぬ修道士連続殺人が発生する……。
いずれも手ごわい3つの謎に、さしもの名コンビも苦戦する、中世英国ミステリ第3弾。
解説=古山裕樹
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1992年(平成4年)に刊行された、14世紀後半のイングランドを舞台にした歴史ミステリ・アセルスタン修道士シリーズの第3作です。

時は1379年6月、リチャード二世の摂政ジョン・オブ・ゴーントの宴に招かれたジョン・クランストン検死官は、酔ったはずみで4人もの人間をが怪死を遂げた〈緋色の部屋〉の謎を解くと豪語してしまう……期限はわずか2週間、、、

一方、アセルスタン修道士が守る教会では、改修中に発見された人骨が治癒の奇跡を起こしたと評判になっていた……さらに、かつてアセルスタンが籍を置いた修道院から調査を依頼された事件が、修道士連続殺人だったことが明らかになり……。

それぞれに手ごわい3つの謎に、さしもの名コンビも苦戦する……中世歴史ミステリシリーズ第3弾。

14世紀後半のロンドンが舞台……人々の営みが生み出す臭いが渦巻き、現代風の殺菌された無味無臭の都市とは全く異なる、強烈な臭いが感じられる作品でしたね、、、

酒の臭い、人々の体臭、ペットや家畜の臭い、ゴミや排泄物の臭い、そして死体の臭い……当時のロンドンは凄まじい臭いに満ち溢れた、猥雑な都市だったことが、ひしひしと伝わってきました。

登場する住民たちも、汚わい屋に溝堀人、豚飼い、売春婦、物乞い……と、なかなかの曲者揃いでしたね、、、

そんな当時の雰囲気は感じられたものの、知識不足なのか、想像力不足なのか……私の頭の中で都市の風景を描くことができず、なかなか物語の中に気持ちが入らなかったですねー 登場人物の目線や、気持ちにシンクロできなかったので、残念ながら愉しめませんでした。
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