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『カエルの小指 a murder of crows』 道尾秀介

2025年01月30日 21時44分41秒 | ■読書
道尾秀介の長篇ミステリ作品『カエルの小指 a murder of crows』を読みました。
道尾秀介の作品は、昨年11月に読んだ『風神の手』以来ですね。

-----story-------------
「久々に、派手なペテン仕掛けるぞ」
詐欺師から足を洗い、実演販売士として生きる道を選んだ武沢竹夫に、訳ありの中学生・キョウからとんでもない依頼が。

母親が残酷な詐欺被害にあったのを境に、厳しい現実を生きることになったキョウ。
武沢は彼女を救うため、かつての仲間を再集結、大仕掛けを計画する。
シリーズ累計70万部の人気作!
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講談社が発行している小説現代増刊号『メフィスト』に2018年(平成30年)から翌年にかけて掲載され、2019年(令和元年)10月に刊行された作品……カラスの親指シリーズの第2作で10年ちょっと前に読んだ『カラスの親指 by rule of CROW’s thumb』の続篇です。

「久々に、派手なペテン仕掛けるぞ」詐欺師から足を洗い、口の上手さを武器に実演販売士として真っ当に生きる道を選んだ武沢竹夫……しかし謎めいた中学生・キョウが「とんでもない依頼」とともに現れたことで彼の生活は一変する、、、

シビアな現実に生きるキョウを目の当たりにした武沢は、ふたたびペテンの世界に戻ることを決意……そしてかつての仲間――まひろ、やひろ、貫太郎らと再集結し、キョウを救うために人気タレント・瀬谷ワタルが司会を務める超人気テレビ番組『撲滅ウォリアーズ』を巻き込んだド派手な大仕掛けを計画するが……。

前作『カラスの親指 by rule of CROW’s thumb』を読んでから10年以上が経過しているので、さすがに内容は覚えていませんでしたが、それでもしっかり愉しめました……キョウを救うために、詐欺師から足を洗った武沢が10年ぶりに仕掛ける人生を賭けた騙し合い、、、

終盤にその条件が一変する事実が判明するのですが、その情景が結末を前にしてさらに塗り替わってしまうんですよねー ハートウォーミングな騙し合いが愉しめました。

次々と明らかになる意外な仕掛けや予期しない展開に翻弄され続け、何が本当で、誰が誰を騙しているのかわからなくなるのですが……だかといって、内容が難しいわけではなく、すっと頭に入ってくるんですよね、、、

筆致の巧さと予想を裏切る展開が醍醐味の作品でした……心地良く騙されました。


以下、主な登場人物です。

武沢竹夫
 元詐欺師。
 「ある出来事」をきっかけに詐欺師から足を洗い、「ヒューマンブラッサム」に所属し、口の上手さを武器に実演販売士として生計をたてている

河合まひろ
 以前はスリで生計を立てる。「ある出来事」により、武沢に救われた過去を持つ

石屋やひろ
 まひろの姉

石屋貫太郎
 やひろの夫。元マジシャン

キョウ
 中学2年生。謎の依頼人、実演販売をしている武沢に話しかける

チョンマゲ
 飼い猫

津賀和聖也
 探偵事務所『津賀和エージェンシー』の代表

瀬谷ワタル
 『発掘天才キッズ』などに出演する人気男性タレント

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