私は誰になっていくの?―アルツハイマー病者からみた世界 | |
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クリエイツかもがわ |
2003年10月31日 初版第1刷
2004年 1月20日 初版第5刷
著者は1995年に46歳でアルツハイマー病の診断を受ける。1996年、オーストラリア政府の首相・内閣省第一次官補を退任。この経験を1998年にwho will be when I die?で出版。
1997年頃から著しい症状の回復がみられ1998年前頭側頭痴呆症と診断される。1998年に再婚。クリスティーン・ブライデンとなる。2003年痴呆症本人として始めて国際アルツハイマー病協会理事となる。
著者は痴呆ではあるが前頭側頭型痴呆というアルツハイマー病の中核群からやや外れた病態。専門家のあいだではこの病態は区別して論じられるのが普通。(P223)
複雑な刺激が氾濫している場所では、とても騒がしいと感じることを報告している。(P226)
初期の症状は十分自覚でき取り繕うとする。
何故病状が回復したのかは書かれていない。
キリスト教への信仰心について多くのページを費やしている。
子・友人、彼女をとりまく人々の優しさや理解力に恵まれている。
本人の自己を深く見つめる力、冷静な観察力がとても優れている。
メモでは2013年10月に借りたことになっているが、もっと以前に読んでいたような気がする。定かではない。2013年10月といえば父はもう寝たきりになっていた。この本を読んだとき父にはまだ復活する可能性があると感じたような記憶があるから。
(2013年10月 西図書館)