![]() | 電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。 |
日垣 隆 | |
講談社 |
2011年4月28日第1刷発行
著者は作家、ジャーリスト、プロデューサー。1958年長野県生まれ。
電子書籍について調べていた時に読んだ本の一冊。前篇、中篇、後篇の構成。電子書籍については前篇のみ。後は何だろう?色々書いた文章をつなぎ合わせた本になっている。電子書籍については前篇だけで良いかも。中篇にも混ざってはいるが・・・。
可処分時間については納得。面白い表現だと思う。可処分時間の奪い合いをしているのは今に始まったことではないけど、最近問題だなと思うのは限られた可処分時間を一つの機械で奪い合っていることか。音楽も活字も映像も静止画もみな一つの機械を通して聴けたり読めたり見えたりしてしまう。その機械が大量の雇用を生み出しているわけでもない。
IT機器って世の役に立っているんだろうか?
この本を読んだ後にアメリカの経済がなぜ調子が悪いのかという本を読んだのだが、それを読んで感じたのはITの発達で仕事を奪われてしまう階層が年々増えているということ。例えば大量の数字をさばく必要がある経理業務など、ちょっと前まではそれなりの人出を必要としていた。日本の話しだけど2000年くらいまで経理を扱う部署には算盤が置いてあったりした。使ってはいなかったけど、残骸として残っていて廃棄処分されたけど。残骸でもそれがあったということは、少し前までは使っていたということで、どんな達人でも算盤でできることは限られているわけで、それなりの人手が必要だったはずだ。それがPCの発達で一部の人が全部こなすことができるようになり、そのうちそのセクションさへ不要になり解散した。
つい最近まで所属には一人は必ず間接経費の職員がいたけど今いますか?
私が手掛けた数万人の職員を擁する組織のシステム開発ではWEBから職員個人が全ての申請を可能にした結果、それまでその業務を担当していた数百人の職員が異動になってしまった。なんだかな~。
と思うことを書いたが、ほとんどこの本とは関係ない。
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P9 大学に入る前の3月から、後にノーベル化学賞を受賞する田中耕一氏らとともに大学生協の組織部員や理事(いずれも有給)を勤める傍ら、内ゲバによる殺人事件やら講義棟のバリケード封鎖が日常茶飯事だった77年から80年にかけて5000人を越える全学集会を成立させて正常化させた自治会連合の委員長を4期務め、大量の文章を毎日書き続けた。
P47 結局は可処分時間の奪い合い
P72 書店に日常的によく立ち寄るのは200万人。「きちんと」本を選べる人が20万人。パイはそれだけしかないのです。しかも本のヘビーユーザーたちが好む本は、おおむね頁数が多い。文学書、歴史書、専門書、学術書、古典・・・すべて電子より紙の方が読みやすい。
P75 余った5分、10分で読める器が復活している。まとまった時間が2時間なりないと、本を読む習慣が減っていく可能性はとても高い。もともと読書人でもこれから本を読むのが難しい時代がやってくることは忘れないほうがいい。
P77 物書堂 創基
アプリを手がけるデザイン事務所や制作会社や出版社が日本も150社以上出てきている
P78 電子書籍アプリ 今こそ参入しておく価値が非常に高い
iphone、ipadで電子書籍を売るためにはAPP Storeと契約
P92 再びライブの時代へ
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(2012年3月 西図書館)