(東アジアのなかの日本の歴史13)
1990年3月30日初版印刷
1990年4月10日初版発行
著者は中国社会科学院新聞研究所助教授。
六興出版の「東アジアのなかの日本の歴史」は全13巻のシリーズもの。この本はその最終巻。中国の学者によって日本の歴史を日本語で出版するという珍しい企画物。全13巻全てが中国の学者によって書かれている。
著者はあとがきで「中国の外国史研究は三つの古さ-資料が古い、研究の方法が古い、研究のテーマが古い-という欠陥があるが、近年このような立ち遅れた状況は速やかに変わりつつある。このシリーズを顧りみるとこの見方が、それほど的外れではなかったことを示し得たのではないかと信じる」と書いている。
中国皇帝と日本の天皇について交互に時代ごとに書き連ねるという形になっている。後半巻末あたりで明治から昭和の時代になるが、お決まりの戦争責任の話になる。
昭和天皇だけでなく明治天皇にまで侵略の責任を問おうとするあたり中国人の考え方が透けて見えるどころかはっきり見える。1990年3月30日初版ということで企画はバブル経済まっただ中の頃と思われる。金の使い道にこまってたてた企画だろうか?中国人が珍しく日本の歴史について日本語で書いた本という以上に意味はないのでは・・・と思ったりする。
唯一ためになったところ・・・
「天子」とは中国皇帝の自称だそうで、小野妹子が「日没する処の天子・・・」と隋の皇帝に「天子」という言葉を使ったことは大きな誤りだという。「日没する処の皇帝・・・」とするのが正解だそうだ。この場合、天皇を「日出づる処の天子」とすることはOK。小野妹子も二回目は「東天皇、西皇帝」としている。
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