2013年11月23日公開の邦画。監督は山下敦弘、出演は前田敦子、康すおん、伊東清矢、富田靖子、他。
東京の大学を出た前田敦子は就職もせず甲府の実家に戻る。実家は父親が一人で営むスポーツ店。そこで無為に暮らす。就職する気もなく友人と会うでもなく仕事を手伝うでもなく。
春が過ぎ夏が来た頃に父親に再婚話が出る。相手は富田靖子。前田はスポーツ店の客だった写真屋の息子、伊東清矢に富田が開いているアクセサリー教室に行かせたり、自身もその教室に入ってみたりと父親の再婚相手が気になって仕方ない。富田に父親の普段の姿がどんなにだらしないかとか話してみたり、父親と離婚して東京で暮らす母親に電話をしてみたり。
時は流れる、そして人も周りも変わるのだ、それが当たり前なのだが前田敦子は認めたくない。ここにきて前田は時を止めていたかったのだというのがよく分かる。でもそうもいかない。夏が終わる頃、前田敦子はそれを認めるのだ。
選んだ食事の場面は映画が終わる直前の場面。前田と伊東がベンチに腰を掛けアイスクリームを食べながら家を出るということを伊東に伝える場面。何度も何度も食事の場面があって、どれもこれも前田敦子らしい食べ方なのだが、この最後の場面のふてくされたような、投げやりな姿がとても印象に残った。