投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

指し手の顔 - 首藤瓜於(講談社文庫)

 
2010年11月12日第1刷発行
2010年11月21日第3刷発行

2007年11月講談社より刊行

著者は1956年栃木県生まれ。上智大学法学部を卒業。会社勤務を経て2000年に脳男で作家となる。脳男で第46回江戸川乱歩賞を受賞。

脳男の続編。愛宕(おたぎ)市 という架空の都市が舞台。上下二巻。この本を貸した友人の評はキリスト教の知識が必用とのことだったがそういうのは関係なく楽しめる。鈴木一郎が表だって出てくるのは下巻も半ばを過ぎたころから。上巻の初めから怪しさ十分な財閥のオーナーでありアメリカ帰りの老精神科医、彼女がこの物語での最終的なターゲットなのだが、彼女を追い詰め自殺に至らせる役が鈴木一郎。主人公の鷲谷真梨子は鈴木一郎のこの行為を機にシンパシーを抱いていた鈴木一郎と決別する。

映画「脳男」の話。鈴木一郎の観察力、洞察力を表す印象的な場面がある。オリジナルの登場人物に志村昭文(染谷将太)がいる。同性幼児性的虐待を繰り返し少年院に入所。真梨子によるカウンセリングを繰り返し社会復帰した。その志村が真梨子のところに挨拶に来る場面。鈴木一郎は真梨子を訪ねてきた志村を一瞥して彼が出所してから再犯を繰り返していることを見抜く。真梨子がその理由を尋ねると一郎は志村の腕に子供の歯型が付いていたからだと答える。「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」のホームズを思わせる場面。

2021年 私物

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