あったかもしれない日本―幻の都市建築史橋爪 紳也紀伊國屋書店このアイテムの詳細を見る |
2005年11月9日第1刷
著者は1960年大阪市生まれ。京都大学工学部建築学科卒。大阪市立大学大学院文学研究科助教授。建築史都市文化論専攻。
本の題名を見て最初は荒唐無稽な話が載っている本なのかと思っていた。大きな間違いだった。
大正時代から昭和初期、日本の国力というより日本人の力はとても大きくなり西洋のそれと比較しても見劣りしなかったことが良くわかる。
あったかもしれないとは、真面目に企画がたてられ公募した建物や都市設計などの話で今見ても全く見劣りしないどころか、土地の面積に制限があって背が高い建物ばかり見させられる昨今にあって、この本に出てくるものは重厚で見ごたえがある。
皇紀2600年の東京オリンピックはそのまま昭和39年の東京オリンピックに繋がるし、大阪の木津川空港は伊丹空港に繋がる。あったかも知れないけど実現できずに消え去ったわけではない。我々はその企画の・計画の上、延長線上にいる。