30話は「年越しそば」の回なのだが選んだのは「お雑煮」。だって肝心の「蕎麦」が映らないから。もともと「お雑煮」が主題じゃなかったのかと思わせる。
マスターの小林薫は大晦日はいつもより早く店をあける。恒例の小林薫手製の年越しそばを求める客が早い時間帯から集まるため。手打ちの蕎麦を振る舞おうとイソイソと準備を始める。
しかし常連客は蕎麦を持参でやってくる。誰それからもらったとか送ってきたとか。常連客が集まった夜更け、やっとマスターの蕎麦に全員から注文が入り「あいよ!」とカウンターを囲む常連客の顔をぐるっと指さしながら嬉しそうに用意をする小林薫。
日本酒で大晦日の乾杯も終わったころ地周りのヤクザの松重豊と山中崇が餅つきの準備ができたと引き戸を開けた。賑やかに路地で餅つきが始まる。杵を薦められた小林薫は用意があるからと辞退。雑煮の準備に入るのだ。
マスターが作る雑煮はてっきり東京の下町風の雑煮かと思っていたら違った。とても私には馴染みのある雑煮で印象に残った。
鶏肉、大根、ニンジン。そして餅はいっしょに出汁で煮る。私の母が作ってくれる雑煮と同じなのだ。
上に乗るのは蒲鉾と青菜。ここでうちの実家だと焼いたブリも乗るのだが、それにはこだわりはない。
今年もカウンターを囲みながら年が明ける。