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イギリス人の食卓  - 林 望(ランティエ叢書―グルメシリーズ)

イギリス人の食卓 (ランティエ叢書―グルメシリーズ)
林 望
角川春樹事務所

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1998年11月18日 第1刷発行 角川春樹事務所

著者は昭和24年2月20日東京亀戸生まれ。父は元東京工業大学教授の林雄二郎。母は幸子。林家は徳川直参下級士族の出。江戸開府以来、江戸に住む。1993年、東京藝術大学音楽部助教授。慶応大学文学部卒。同大学博士課程。1984年~1987年、イギリス留学。

この本は、イギリス留学時代の経験が基になっている。

イギリスの料理ってどんなものがあるのかと考えたが、フィッシュ&チップスとローストビーフくらいしか思いつかなかった。家族そろってイギリスの大学に留学した従兄にがいて、何食べてたと聞いたら、肉は非常に安いという答えしか返ってこなかった。やたらと肉ばかりの「すき焼き」か「しゃぶしゃぶ」を食べていたのだろうか。イギリス料理で珍しいところではハギスなんてものあるらしいが、羊の内臓と脂肪を玉葱をみじん切りにして麦とまぜてそれを羊の胃袋に詰めて茹でたものらしいが、あれが一般的とは思えない。というかあればスコットランドの食べ物だったか。ドリトル先生の映画を観ていたら夕食にソーセージだけを食べている風景があったが、ああいうものなのだろうか。イギリス人自慢のアーガやディープフライヤーで出来上がる料理とはいったいどんなものなのか。などと考えながら借りた本。

結論から言うと「イギリスの食事はマズイ。マズイが豊かで贅沢」だそうだ。あまり小技をきかせない、ドーンとした古風な料理をイメージしたら良いかと思う。豊かで贅沢なのは、それを楽しむ雰囲気か。アーガやディープフライヤーを備えたキッチンで作った料理を、きっちり整えたテーブルに自慢の食器に盛り付けて食す。

イギリス式のフルコース料理がある。一人分に分けて盛り付けられていない。大きな盆に入っていて、銘々が好きなだけ取るというものだそうだ。エリザベス女王が来日した際のイギリス大使館で催される晩餐会での食事は、こういう大皿料理になるらしい。フランス料理も基は同じで、今のようなスタイルになったのはロシアの影響らしいが。

著者が別に出した「イギリスはおいしい 平凡社 1991年」でも探して、イギリス料理を調べてみようかと思う。

ところでイギリスでは人との付き合いの順序は、酒→茶→食事となるそうだ。そうそう自宅にお茶に招かれることはないらしい。

著者は東京芸大に勤めたことから声楽を学び、バリトン歌手の顔も持つ。また作詞も行う。

・イギリスはおいしい 平凡社 1991年
・イギリスは愉快だ  平凡社 1991年

(2009年3月 西図書館)
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