東京国立近代美術館は、2/29から3/15まで臨時休館中です。
2020年2月の東京国立近代美術館の常設展の戦争記録画コーナー。
展示される戦争記録画6点は、全て、1943年12月〜翌年1月に東京都美術館で開催された第二回大東亜戦争美術展の出品作である。
大東亜戦争美術展は、朝日新聞社の主催により、大東亜戦争勃発一周年を記念して、1942年12月に第一回が開催される。
第二回は、翌年12月に開催される。出品370点と戦時中の戦争美術展で最大規模とのことであり、東京のあとは5都市(大阪、京都、福岡、佐世保、名古屋)を巡回している。
第三回も予定されていたが、戦況の悪化を受けて見送られる。
第一回では、陸軍と海軍の作戦記録画が一堂に会した(結果としてその唯一の機会となった)が、第二回は、海軍の作戦記録画のみの展示となった。
松見吉彦
《十二月八日の租界進駐》
1942年頃、油彩・キャンバス
小堀安雄
《イサベル島沖海戦》
1943年、紙本彩色
橋本関雪
新井勝利《航空母艦上に於ける整備作業(三部作)》
《十二月八日の黄浦江上》
1943年、絹本彩色
中村研一
《珊瑚海海戦》
1943年、油彩・キャンバス
宮本三郎
《海軍落下傘部隊メナド奇襲》
1943年、油彩・キャンバス
藤田嗣治
《○○部隊の死闘−ニューギニア戦線》
1943年、油彩・キャンバス
東京国立近代美術館は、第二回大東亜戦争美術展出品作を他に13点所蔵しているようである。
茨木衫風《潜水艦の出撃》
大久保作次郎《船団護送》
加藤栄三《設営隊の活躍》
北蓮蔵《提督の最後)
小早川篤四郎《印度洋作戦》
佐藤敬《ニューギニア戦線-密林の死闘》
三田康《レンネル島沖海戦》
清水良雄《ルンガ沖夜戦》
藤田嗣治《ソロモン海域に於ける米兵の末路》
藤本東一良《駆潜艇の活躍》
三輪晁勢《ツラギ夜襲戦》
山口華楊《基地に於ける整備作業》
東京国立近代美術館の常設展では、戦争記録画の展示は見逃せない。展示替えに合わせて毎回訪問したいところだが、実行できておらず、今回も久々の訪問である。2〜3回に会期を分けてもよいから、同館所蔵(無期限貸与)のすべての戦争記録画を展示する特別展が開催されるといいのだが、なにかと難しいのだろうか。