興福寺中金堂再建記念特別展
運慶
2017年9月26日〜11月26日
東京国立博物館
10/31に最後の展示替えがあった運慶展。
それを受け、3回目かつ最後(予定)の訪問。
展示替えの対象だが、運慶仏ではない。運慶仏は10/21に出陳予定の22点がすべて揃い、以降閉幕まで変動しない。
今回は運慶仏以外の出陳品の展示替え。今回をもって閉幕まで変動はない。
過去2回の訪問は入場待ち行列なしであったが、さすがに今回はあり。正門での表示は30分、行列最後尾での表示は40分、実際の待ち時間は約20分で入場。展示室内の混雑ぶりは過去2回と大差なし。
10/31新登場の仏像は、運慶の父・康慶の作で、現存では最初期の作品とされる。
No.3
重文《地蔵菩薩坐像》
1177年
静岡・瑞林寺
で、今回は康慶!と、国宝作品を最前列に並んで改めてじっくり見る。
No.8
国宝《法相六祖坐像》6軀
康慶作
1189年
個人をモデルにしたのか、いわゆるトローニー的な表現なのか、「壮年」「老年」の人物の肖像。皺や頭に浮き出る管の表現も印象に残る。
No.7
重文《四天王立像》4軀
康慶作
1189年
奈良・興福寺(仮講堂安置)
四者四様の、もの凄い様相・表情をした邪鬼の造形を、最前列に並んで楽しむ。
勿論、運慶仏も観る。
私的ベスト3は、次の3体。
No.20
国宝《無著菩薩立像 世親菩薩立像》2軀
1212年頃
奈良・興福寺
素晴らしい!としか言いようがない。
No.9
国宝《毘沙門天立像》
1186年
静岡・願成就院
《毘沙門天立像》のどこに惹かれているのかよく分からないけれど、ひたすら見つめ続ける。
静岡県伊豆の国市にある願成就院は、本展非出陳の運慶仏をあと4体所蔵するとのこと。
国宝《阿弥陀如来坐像》
国宝《不動明王・矜羯羅童子・制吒迦童子三尊立像》
東京駅から新幹線を使えば2時間程度で行くことができる距離。常時公開されているのであれば、来年あたり行ってみようかなあ。
本展の強い照明。和歌山・金剛峯寺の国宝《八大童子立像》6軀では、強烈な照明をまともに受けないよう立ち位置に苦慮するが、大混雑必至の展覧会において、像から距離・角度があっても、人に遮られていない部分は概ねちゃんと見えるというのはよかったと思う。
ところで、上野公園では、TOKYO数寄フェス2017が開催中。期間は11/10〜19。上野公園のほか、不忍池・谷中地域で開催されているとのこと。
私が見たのは、東博前の上野公園噴水池に設置された高さ13.5メートルの大型インスタレーション、および、その周辺に設置された東京芸大の学祭にて制作・展示の巨大お御輿3基である。
大巻伸嗣
《プラネテス ー 私が生きたようにそれらも生き、私がいなくなったようにそれらもいなくなった ー》
上野公園ができる以前、この場所一帯には寛永寺の仏閣が建ち並んでいました。災害や戦争を経て、明治初期に公園となりました。本作品では、寛永寺の山門「文殊楼」をモチーフに、かつてそこに存在したものや時間、空間、記憶の連鎖を体感させる大型インスタレーションを展開します。