「国宝」展
2017年10月3日〜11月26日
京都国立博物館
2017年秋、半年ぶりの関西プチ美術旅行。
行き先は、悩んだ末に京都国立博物館、最終の第4期入りした国宝展とする。
8:45京博に到着、敷地内への入場が開始されたばかりのよう、開館時刻まで平成知新館内での待ちとなる。その日は雨、外の様子を見ていると、9:00頃には最後尾が建物外の屋外テントを超え傘を差しながらの待ちが始まる、早い新幹線に乗ってよかった。9:30入場開始、約10分後に私も入場する。
混雑する日の混雑する時間帯、展示室内は大混雑、なので私の興味に応じて飛ばし飛ばし鑑賞する。
以下、私が見た順番で。
1階
絵巻物の間
最初に向かうのは、1階の絵巻物の間。
徳川美術館の《源氏物語絵巻・竹河(一)》、2010年五島美「国宝源氏物語絵巻」展の全19点の展示に4週間弱の会期中に展示替えもないのに4回通った経験があるので、1点展示では物足りなく思う。
大和文華館の《寝覚物語絵巻》は絵4段中3段が公開、初見と思ったが、後で確認すると2014年東博「日本国宝展」で見ている(その時はおそらく全4段の公開)。
大阪・四天王寺の《扇面法華経冊子 法華経巻第一・巻第七》は、絵も金も美しく、お気に入り国宝にカウントする。
2階
仏画の間
京都・東寺の《両界曼荼羅図(伝真言院曼荼羅)》。奈良・西大寺の《十二天像のうち帝釈天》《同、火天》、京博の《十二天像のうち火天》《同、水天》。東博の《孔雀明王像》(高野山→井上馨→原三溪と移転)。奈良博の《十一面観音像》(ピンクと白の肉身)。京都・曼殊院の《不動明王像(黄不動)》(滋賀・圓城寺所蔵の原本が存在する模本、でも国宝)。
肖像画の間
中央に神護寺三像が展示、左から《伝源頼朝像》《伝平重盛像》《伝藤原光能像》、三像揃うのは「展覧会では23年ぶり」と謳っているが「展覧会では」を付けたのは展覧会ではない機会があったのだろう。
中世絵画の間
京都・退蔵院の《瓢箪図》、狩野正信《周茂叔愛蓮図》など。
この展示室に国宝の雪舟6点が並ぶ様は壮観だったろう。
近世絵画の間
右に円山応挙《雪松図屏風》、中央に「100年ぶりの里帰り」尾形光琳《燕子花図屏風》、左に与謝蕪村《夜色楼台図》。
東京だと光琳、応挙ともほぼ毎年所蔵館で鑑賞する機会があると思い、蕪村の夜の表現の鑑賞に専念する。
中国絵画の間
中央左手の京都・仁和寺の《孔雀明王像》、先の東博作品と隣同士(せめて同じ間)で見たいところ。
左右には、京都・清凉寺の《十六羅漢像》全16幅、8幅ずつ向かい合っての展示、全幅の展示は貴重な機会なのかもしれない。
1階
陶磁器の間
大阪市立東洋陶磁美術館の《油滴天目》を見つつ、やはり第2期の京都・龍光院の《曜変天目》が見たかったと思う。
《宮女図(伝恒野王図)》は第1期と第4期の飛び石出品、2014年三井記念美「東山御物の美」展で見逃した作品、男装の女官なのか。
染織、金工、漆工の間
混雑していたので、私の関心に応じてスルー。ただ、京都・妙法院の《ポルトガル国印度副王信書》だけは見る、ポルトガル語かあ。
彫刻のスペース
大阪・金剛寺の《大日如来坐像》《不動明王坐像 行快作》の2体を特に推しているよう、2017年に国宝新指定、まずはその大きさに感心。もう1体、同寺の《降三世明王坐像》は奈良博のなら仏像館で展示中のようだ。
逆にその小ささ+優美さに感心したのが、京都・仁和寺の《薬師如来坐像》、11cmばかりとのこと。
優美さと言えば、京都・平等院の《雲中供養菩薩像 北8号・北9号・北15号》の優美な造形に改めて見惚れる。
3階
書跡、考古の間
標準ルートでは最初の展示室は特に大混雑、最前列で並ぶほどの関心はなく、独立ケースの3点のみ見る。
国宝土偶は、長野・茅野市の《縄文のビーナス》と《仮面の女神》の2点、何度か見る機会を得ているがその度にその造形美に惹かれる、国宝となるような土偶の造形は実に素晴らしい、年に1度は見たい国宝土偶。
新潟・十日町市の《深鉢形土器(火焔型土器)No.6》、意外にもピンと来ない、第1〜2期展示のNo.1なら印象が違ったかも。