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【画像】クリスチャン・ボルタンスキー(東京都現代美術館コレクション展示)& 藤井光(Tokyo Contemporary Art Award 2020-2022 受賞記念展)

2022年04月05日 | 展覧会(現代美術)
 東京都現代美術館のコレクション展示。
 1月12日から休室されていたが、3月23日から再開されている。
 今般、企画展の鑑賞後に、コレクション展示も見る。
 
 印象に残るのは、2021年7月に逝去したクリスチャン・ボルタンスキー(1944〜2021)の作品2点。
 
 1991年に東京都現代美術館が収蔵。
 2019-20年に大阪・国立国際美術館、東京・国立新美術館、長崎県立美術館を巡回した大規模回顧展の出品作とのことであり、確かに見た記憶がある。
 
クリスチャン・ボルタンスキー
《D家のアルバム、1939年から1964年まで》
1971年、写真
 1934年から1964年のデュラン一家のアルバムから作家が150点写真を選んで左から縦に時系列順に並べているとのこと。
 デュラン一家の30年の物語。
 写真の中の一家は、それぞれのイベントのなかで楽しそうに笑顔を浮かべている。
 途中に第二次世界大戦があるが、それには特に触れられていないようだ。
 30年ということは、祖父母は曾祖父母に、両親は祖父母に、子供は親に、そして新たな子供の誕生と、ちょうど1世代進む時間。
 
 
クリスチャン・ボルタンスキー
《死んだスイス人の資料》
1990年、ビスケット缶、写真、電球、電線
 写真が貼られた630個の缶が積み上げられる。
 この缶はフランスでは一般的なビスケットの缶、写真はスイスの新聞の死亡欄から切り取られたものとのこと。
 年配の方のみならず、若い方の写真も多いことが気になる。作家は新聞掲載上の男女・年齢比率を反映して選択したのだろうか。
 
 
 
 
 コレクション展示の鑑賞後、入場無料という本展をのぞく。
 
Tokyo Contemporary Art Award 2020-2022 受賞記念展
2022年3月19日〜6月19日
東京都現代美術館
 
 受賞者である藤井光氏(1976年生)と山城知佳子氏(1976年生)の作品が展示されているが、時間の関係で山城氏の作品(映像)はスルーせざるを得ない。
 
 以下、藤井氏の作品の画像を掲載する。
 
 
 
 いったいなんなのか、戸惑う。
 単なる物質のようなものとして見るのか、絵面があるものとして見るのか。
 
藤井光
《日本の戦争画》
153点の絵画とキャプションによるインスタレーション、2022年
《日本の戦争美術》
マルチチャンネル・ビデオ・インスタレーション、2022年
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 藤井は、国内外の歴史的事象に起因する、あるいはそれにより顕在化した社会構造を主題に映像を主軸に制作しています。彼が設定した、史実にもとづいた出来事の再演や実際的な議論の場をとおして、その主題が我々の日常に潜む諸問題と地続きであることを示します。
 本展では、1946年に東京都美術館で、占領軍関係者に向けて開催された戦争記録画の展覧会を、アメリカ国立公文書館に現存する資料を元に考察した映像とインスタレーションで再現します。資料から垣間見える戦争記録画の処置に関する占領軍の逡巡をとおして、時局の変遷によって、その捉え方も変化する絵画を巡る議論へ鑑賞者を導きます。


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