「カラヴァッジョ展2019-20」の出品予定作品の現状を整理する。
【札幌展】
8月7日
カラヴァッジョ2点を含む計8点について、到着遅延のお知らせがなされる。
8月10日
カラヴァッジョ8点および周辺画家25点の計33点で開幕。
なお、この時点で上記8点とは別に、所蔵者都合により出品取りやめとなった作品2点があった模様。
9月2日
続報。状況進展なし。
9月20日
未着作品の状況報告。展示可否につき近く最終判断する由。
9月27日
到着遅延作品の展示断念のお知らせがなされる。
10月14日
閉幕。
【大阪展】
10月上旬頃
展覧会サイトから《ホロフェルネスの首を斬るユディト》の画像がいつの間にか消えていることに気づく。
コメントいただいたマタイ様からの情報によると、9月30日に札幌展の会場に置かれていたユディトを前面に出した大阪展のチラシが、10月4日には撤去されていたとのこと。
また、この頃、10月5日から予定されていた前売券の販売を都合により延期するの旨のお知らせがなされている。
11月4日時点
前売券の販売は未だ行われていない。
難題続きである札幌展、大阪展。
一方、名古屋展は。
【名古屋展】
10月26日
開幕。サイトに出品リストを発表。
と何事もなかったかのように、開幕した。
そこで、出品予定作品が現状どうなっているか整理する。
1 カラヴァッジョ作品
(札幌展) 予定 10点→実際 8点
(名古屋展)予定 9点→実際 8点
(大阪展) 予定 9点→実際 ?
3会場で13点の出品予定であったカラヴァッジョ作品。
3会場共通 7点
札幌限り 2点
名古屋限り 1点
札幌・名古屋 1点
大阪限り 2点
札幌展では、札幌展限りの《女占い師》と3会場共通の《瞑想するアッシジの聖フランチェスコ》が展示断念となった。後者の作品は、名古屋展にも出品されていない。
《病めるバッカス》ボルゲーゼ美
札:○、名:-、阪:-
《女占い師》 カピトリーノ美
札:展示断念、名:-、阪:-
《リュート弾き》個人蔵
札:○、名:○、阪:出品予定
《メドゥーサの盾》個人蔵
札:○、名:○、阪:-
《ホロフェルネスの首を斬るユディト》バルベリーニ宮美
札:-、名:-、阪:出品予定???
《瞑想するアッシジの聖フランチェスコ》バルベリーニ宮美に寄託
札:展示断念、名:非出品、阪:非出品?
《執筆する聖ヒエロニムス》ボルゲーゼ美
札:-、名:-、阪:出品予定
《法悦のマグダラのマリア》個人蔵
札:○、名:○、阪:出品予定
《聖アガピトゥスの殉教》司教区博物館、パストリーナ
札:○、名:○、阪:出品予定
《聖セバスティアヌス》個人蔵
札:○、名:○、阪:出品予定
《歯を抜く人》パラティーナ美
札:○、名:○、阪:出品予定
《洗礼者聖ヨハネ》ボルゲーゼ美
札:○、名:○、阪:出品予定
《ゴリアテの首を持つダヴィデ》ボルゲーゼ美
札:-、名:○、阪:-
2 周辺画家
(札幌展) 予定 32点→実際 25点
(名古屋展)予定 32点→実際 32点
(大阪展) 予定 32点→実際 ?
カラヴァッジョ展の図録上、32点が掲載される。全て3会場共通。
札幌展では、うち次の2点が所蔵者の都合により出品取りやめとなった。名古屋展にも非出品。
アルチンボルド
《菜園家(野菜の諧謔)》
クレモナ、アラ・ポンツォーネ市立美術館
オラツィオ・ジェンティレスキ
《聖ヒエロニムスの悔悛》
トリノ、市立古典美術館マダマ宮
*アルチンボルドの非出品は痛い。ミラノにいた頃の若いカラヴァッジョがその影響を受けたであろう、プラハのハプスブルク宮廷を辞して故郷ミラノに戻り活動していたアルチンボルド。この作品自体は、2017年の「アルチンボルド展」で来日している。
また、札幌展で展示断念となった次の6点。名古屋展にも非出品。
バルトロメオ・マンフレーディ
《イサクの犠牲》
ローマ、ジェズ聖堂
ヘリット・ファン・ホントホルスト
《蝋燭の灯で本を読む聖ヨセフ》
ローマ、サン・フランチェスコ・ア・リーパ修道院
ヴァランタン・ド・ブーローニュ
《洗礼者聖ヨハネ》
カメリーノ、サンタ・マリア・イン・ヴィア聖堂
グイド・レーニ
《フォルトゥナ(運命の女神)》
ローマ、サン・ルカ・国立アカデミー
ジュゼペ・デ・リベーラ
《エジプトの聖マリア》
ナポリ、市立フィランジェリ美術館
グエルチーノ
《聖マタイと天使》
ローマ、カピトリーノ絵画館
よって、札幌展での出品数は24点(32点-2点-6点)との計算となるが、公式サイトでは出品数25点とある。
この1点の差が何なのか分からずにいる。
(次に記載する8点のうちの1点なのだろうか?それとも別?)
名古屋展では、24点(32点-2点-6点)以外に、次の8点が出品されている。全て個人蔵。計32点の出品。
本体図録には掲載されないこれら8作品のため別冊図録が作成されている。
オラツィオ・ジェンティレスキ
《聖母子(イエスを待ち受ける悲劇を感じとる聖母》
グイド・レーニ
《ルクレツィア》
トンマーゾ・サリーニ
《羊に乗る子どもと婦人》
ジュゼペ・デ・リベーラ
《聖アグネスの殉教》
アルテミジア・ジェンティレスキ
《スザンナと長老たち》
バルトロメオ・マンフレディ
《荒野の洗礼者聖ヨハネ》
ニコラ・トゥルニエ
《フィアスコから飲む若者》
グエルチーノ
《聖アンデレ》
気になるのは大阪展の動向。
まずは前売券販売のお知らせを待つ。
(以上、勘違い等があるかもしれませんのでご留意ください。)
大阪展ですが、9月23日に札幌で開催された宮下先生の講演会の際に伺ったところ、カラヴァッジョのある作品名を挙げられた上で、そちらが『ユディト』の代わりに来るかもしれないと仰っていました。
名古屋展の出品リストや大阪展の前売券の発売延期を踏まえましても、やはり『ユディト』は厳しい状況なのでしょうか。
(因みに札幌展では、ジェンティレスキの『聖母子』が特別出品として展示されていました。)
コメントありがとうございます。
また、貴重な情報をいただき、ありがとうございます。
「ダヴィデ」が当初予定どおり来日することが第一の希望ではありますが、それが叶わないというのであれば、是非とも別作品の緊急招集を実現していただきたいものです。
いずれにせよ、大阪展の前売券の販売開始待ちですね。
札幌展の特別出品情報につきましても、ありがとうございます。数字が一致してスッキリしました。
今後ともよろしくお願いいたします。