東京でカラヴァッジョ 日記

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【画像その3・彫像】「ポンペイ」展(東京国立博物館)

2022年01月24日 | 展覧会(その他)
ポンペイ
2022年1月14日〜4月3日
東京国立博物館
 
 ポンペイ展の「決定版」が登場。
 なんと、展示室内、全ての展示品の写真撮影が可能!
 
 そこで、ポンペイ展の画像シリーズその3。
 彫像7選。
 所蔵はすべてナポリ国立考古学博物館。
 
 
【その1】
 前5世紀ギリシャ彫刻家の巨匠による傑作のローマン・コピー。
 
《ポリュクレイトス「槍を持つ人」》
前1〜後1世紀(オリジナルは前450〜前440年)
ポンペイ、「サムニウム人のパラエストラ」出土
カッラーラ大理石
 
 西洋美術の人体表現に大きな影響を及ぼしたポリュクレイトスのブロンズ像「槍を持つ人」の模刻のひとつとされる。近年の高性能3Dモデルによる調査から、ポリュクレイトスの原作を忠実に写した可能性が高い。(会場内解説)
 
 
 
【その2】
 残存する金彩や彩色がビキニに見えることからの命名。
 
《ビキニのウェヌス》
前1〜後1世紀
ポンペイ、「ビキニのウェヌスの家」、アトリウム出土
大理石(彩色・金彩の痕跡あり)、目:練りガラス
 
 沐浴する直前、サンダルを脱ごうとする美の女神ウェヌス。ウェヌスを支えるプリアプスとクピドは、えらく小さい。残存する金彩や彩色は、装身具を表していた。
 
 
 
【その3】
 男女のテラコッタ像は、劇場で演技中の俳優さん。
 
左《俳優(悲劇の若者役)》
右《俳優(女性役、おそらく遊女)》
1世紀後半
ポンペイ、「カロリーナ妃の家」、庭園出土
 
 女優さんの目と口を大きく開けた顔が印象的。
 
 
 
【その4】
 毛織物業の組合から肖像を捧げられた女性。
 
《エウマキア像》
1世紀初頭
ポンペイ、「エウマキアの建物」、クリュプタ出土
大理石
 
 有力かつ裕福な実業家の娘で、女性としての最高の名誉である市の公的神官となり、広場の巨大な回廊建造の資金を提供し、毛織物業組合の後援者となるなど、社会的に成功した女性の、理想化された肖像。
 
 
 
【その5】
 左手に竪琴を、右手にピックを持つ像。
 
《竪琴を弾くアポロ》
前1世紀後半
ポンペイ、「竪琴奏者の家」、ペリステュリウム出土
ブロンズ
 
 この像にちなんで、出土した家は「竪琴奏者の家」と呼ばれる。
 後ろ姿もどうぞ。
 
 
 
【その6】
ファウヌス? サテュロス? 
 
《踊るファウヌス》
前2世紀
ポンペイ、「ファウヌスの家」、アトリウム出土
ブロンズ
 
 この像は、ローマ神話の森の神「ファウヌス」と考えられていて、出土した家はこの像にちなんで「ファウヌスの家」と呼ばれる。ただし、会場内解説によると、実は、ギリシャ神話の酒の神・ディオニュオスの陽気な従者である「サテュロス」だという。
 ファウヌス? サテュロス? 違いはわからないけど。
 
 
 
【その7】
 こちらはエルコラーノからの出土品。
 
《ペプロスを着た女性(通称「踊り子」)》
アウグストゥス時代(前27〜後14年)
エルコラーノ、「パピルス荘」、大ペリステュリウム出土
ブロンズ(象嵌:銀、銅)、目:骨、石
 
 ペプロスとは、古代ギリシャの女性が着用していた長衣のこと。
 アッピア上水道を守護する5柱の女神「アッピアデス」を表したと考えられている5体の女性像のひとつ。
 
 
 
 
 ポンペイ展画像シリーズは、以上とする。
 
 他にも、撮影漏れや撮影不良で取り上げることができなかったモザイク画や彫像、および私の記事では基本的に対象外としたフレスコ画や工芸品の傑作の数々や日用品関係など、展示品が多数。そのすべてが写真撮影可能。
 
 
 本展は、京都、宮城、福岡を巡回する。展示品は一部変更がある模様。
 ところで、本展に限らず、宮城会場の発表が遅いのは、事情があるのだろうか。
 


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