ゴッホの原点
オランダ・ハーグ派展
近代自然主義絵画の成立
2014年4月19日~6月29日
損保ジャパン東郷青児美術館
ハーグ派に馴染みはないが、ゴッホやモンドリアンの初期作品を期待しての訪問。
【章立て】
第1章 バルビゾン派
第2章 ハーグ派
1 風景画
2 大地で働く農民
3 家畜のいる風景
4 室内と生活
5 海景画
第3章 フィンセント・ファン・ゴッホとピート・モンドリアン
ハーグ市立美術館所蔵作品による。
ただし、一部は、クレラー=ミュラー美術館(ゴッホ)、国内美術館(バルビゾン派、ゴッホ)の助けも借りている。
ゴッホ作品は6点(うち油彩3点)。
≪白い帽子をかぶった農婦の顔≫(1884-85年、クレラー=ミュラー美)を中心に見る。
このタイプの農婦の顔を描いた作品は多数存在する。初期の代表作≪ジャガイモを食べる人々≫の習作的作品。
モンドリアン作品は4点。
≪夕暮れの風車≫(1917年頃、ハーグ市立美)など。
【ハーグ派との関係(会場キャプションより)】
<ゴッホ>
・1869-73年、美術商グーピル商会のハーグ支店に勤務。ハーグ派に触れる。
・1880年、絵を学ぶためブリュッセルに行き、ラッパルトと知りあう。
→ラッパルト(No.65)は、風景画を描いていたが、ゴッホとの交流を通じて、労働者や貧しい人々を描くようになる。(ゴッホより5歳下。1892年、30代半ばで没。)
・1882年、ハーグに戻る。いとこが結婚したアントン・マウフェ(No.55,61,85)から絵の手ほどきを受ける。
・イスラエルス(No.59,60,69,70)の作品にみられる農民の生活や働く人々の姿は、ゴッホの重要なモティーフの一つとなる。
<モンドリアン>
・マリスなどから教えを受けたハーグ派の流れを汲む風景画家である叔父の影響を受ける。
【その他】
クールベ≪ルー川源流にかかる橋の水車小屋≫が興味深かった。
ルー川は、故郷オルナンの南部に流れる川。
クールベの風景画は、他の風景画とは印象が異なる。先入観だろうが、自負心の強さを伺わせる。