東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

オランダ・ハーグ派展(損保ジャパン東郷青児美術館)

2014年05月17日 | 展覧会(西洋美術)

ゴッホの原点 
オランダ・ハーグ派展
近代自然主義絵画の成立
2014年4月19日~6月29日
損保ジャパン東郷青児美術館


 ハーグ派に馴染みはないが、ゴッホやモンドリアンの初期作品を期待しての訪問。


【章立て】

第1章 バルビゾン派
第2章 ハーグ派
 1 風景画
 2 大地で働く農民
 3 家畜のいる風景
 4 室内と生活
 5 海景画
第3章 フィンセント・ファン・ゴッホとピート・モンドリアン

 ハーグ市立美術館所蔵作品による。
 ただし、一部は、クレラー=ミュラー美術館(ゴッホ)、国内美術館(バルビゾン派、ゴッホ)の助けも借りている。

 ゴッホ作品は6点(うち油彩3点)。
 ≪白い帽子をかぶった農婦の顔≫(1884-85年、クレラー=ミュラー美)を中心に見る。
 このタイプの農婦の顔を描いた作品は多数存在する。初期の代表作≪ジャガイモを食べる人々≫の習作的作品。

 モンドリアン作品は4点。
 ≪夕暮れの風車≫(1917年頃、ハーグ市立美)など。


【ハーグ派との関係(会場キャプションより)】

<ゴッホ>
・1869-73年、美術商グーピル商会のハーグ支店に勤務。ハーグ派に触れる。
・1880年、絵を学ぶためブリュッセルに行き、ラッパルトと知りあう。
 →ラッパルト(No.65)は、風景画を描いていたが、ゴッホとの交流を通じて、労働者や貧しい人々を描くようになる。(ゴッホより5歳下。1892年、30代半ばで没。)
・1882年、ハーグに戻る。いとこが結婚したアントン・マウフェ(No.55,61,85)から絵の手ほどきを受ける。
・イスラエルス(No.59,60,69,70)の作品にみられる農民の生活や働く人々の姿は、ゴッホの重要なモティーフの一つとなる。

<モンドリアン>
・マリスなどから教えを受けたハーグ派の流れを汲む風景画家である叔父の影響を受ける。


【その他】
 クールベ≪ルー川源流にかかる橋の水車小屋≫が興味深かった。
 ルー川は、故郷オルナンの南部に流れる川。
 クールベの風景画は、他の風景画とは印象が異なる。先入観だろうが、自負心の強さを伺わせる。



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