フランス国立クリュニー中世美術館所蔵 貴婦人と一角獣展
2013年4月24日~7月15日
国立新美術館
美しき赤の世界。
ひたすら眺めました。
翌日首に痛みを感じる始末。
「奇跡の来日」。
中世美術の至宝であり、旅をすることはない、と思っていた。
過去、貸出し実績あり(1973-74年、米・メトロポリタン美)ということが驚き。
美術館の改修となると、次はまた40年後くらい? 旅先はきっと2度目のアメリカだろうなあ。
一生縁がないと思っていた作品を実見できて、実に幸せなことである。
全6面のタピスリーが「順序良く均等に」展示されている。
貴婦人、侍女、獅子、一角獣、4本の木、赤の千花文様(ミル・フルール)、藍色の島、バラの生垣。
犬、犬、犬、うさぎ、うさぎ、うさぎ、うさぎ、うさぎ、うさぎ、きつね、ジェネット、子ヒツジ、ヤギ、サル、サル、ヒョウ、チーター、子獅子、カワサギ、サギ、ハヤブサ、ヤマウズラ、キジ、カモ、オウム。
マツ、オレンジ、フユナラ、セイヨウヒイラギ。
意外だったのが、一角獣の役割。
「触角」では貴婦人に角を触られ、「視覚」では貴婦人の左手で背中を撫でられ、貴婦人の膝に両前脚を載せている、といった重要な役割を担っている場面もあるが、基本は、獅子と同様、三日月が3つ並べられた四角旗、幟、楯を持つという地味な役割。
本作は、1500年頃、パリに居を構えたリヨン出身のル・ヴィスト家の注文により、「アンヌ・ド・ブルターニュのいとも小さき時祷書の画家」の図案により、南ネーデルランド、北フランスまたはパリで製織されたという。
「アンヌ・ド・ブルターニュのいとも小さき時祷書の画家」は、メトロポリタン美所蔵のタピスリー「一角獣狩り」の下絵制作にも携わったとのこと。この作品も見たい。
触角:373cm×358cm
味覚:377cm×466cm
嗅覚:368cm×322cm
聴覚:369cm×290cm
視覚:312cm×330cm
我が唯一の望み:377cm×473cm
他に36点の関連作品も展示。そのなかでは、No12「聖女バルバラ」が、アトリビュートの塔も含めて、印象的。