牧野邦夫-写実の精髄-展
2013年4月14日~6月2日
練馬区立美術館
見に行きました、牧野邦夫(1925生~1986没)展。
好みか否かと問われると、明らかに好みではない。
濃厚な自画像。
隙間のない、超高密度な心霊写真。
「写実」「細密」「濃密」「自己愛」「幻想」「グロ」「エロ」「耽美」・・・。
これでもきっと、本当にどきつい作品は展覧会への出品を控えているに違いない。
そうはいえど、閉館時刻まで約2時間見ていると、ほんの少しは慣れてくる。
見て、プラスの印象だった3作品。
◇南京のキリスト(No95)
左下隅のウィスキーや100・500・1000円札はどうでもいいけど。
◇邪保のいる街(No291)
ちょっとエロ・グロだけど。
◇インパール(高木俊朗作品より)(No339)
藤田を思い起こさせる作品。
作品を味わう状態に至るにはさらなる観賞時間が必要。
「レンブラントへの憧れ」が強く、レンブラントが63歳で亡くなったのなら、自分はそれより30年長く生きなければと考えていたらしい。
4月27日の「美の巨人たち」で、本展ではトップに展示されている、絶筆の「未完成の塔」(No452)が紹介されるらしい。
50歳を過ぎた時に、10年かけて1層ずつ、5層を90歳で完成させる計画で描き始めたが、一番下の層とその次の層の一部で描いたところで未完で終わったとのこと。今存命なら、完成していたのだろうか。