生誕300年記念
伊藤若冲
2016年7月1日~12月4日
相国寺承天閣美術館
京都市美術館の若冲展を観たあと、東山三条から201系統バスに乗り、「同志社前」で下車し、徒歩6分(公称)、相国寺承天閣美術館に行く。
同美術館訪問は、2007年、伝説の阿鼻叫喚の展覧会「若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵 120年ぶりの再会」以来、9年振りである。
第1展示室は、2007年の阿鼻叫喚の舞台となった展示室。
今回も、2007年時と同じく《釈迦三尊像》3幅と《動植綵絵》30幅が並ぶ。
が、観客数は二桁なく、非常に静かである。
《釈迦三尊像》3幅は、都美以来半年ぶりの対面。
《動植綵絵》30幅は、実物ではなく、コロタイプ印刷による複製品。
コロタイプ印刷とは、
ゼラチン水溶液に重クロム酸塩を加えた感光液をガラス板に塗布・乾燥させ、これに撮影されたネガフィルムを密着し紫外線をあてる。これによってできる細かい“しわ”にインクを付着させ印刷する。多色印刷は、幾度も撮影を繰り返し、各色の製版を作り、重ね刷りをする。複雑な手間と高度な技術により、本物と見紛うほど精密に復元される。現在では、世界的に希少な技術となっている。
とのこと。
私の低性能の眼では、やや色彩が濃い感はあるが、実物そのものにしか見えない。実物大でもあるし、都美のあの状況下で実物を観るくらいであれば、こちらでコロタイプ印刷をじっくり観たほうがずっと味わえる気がする。
時間の関係から第一展示室は軽く流し、そう、明治22年に明治天皇に献上した際の「宮内庁発給文書」はしっかり見て、目的の第二展示室に向かう。
第二展示室。
鹿苑寺大書院旧障壁画9点50面。
葡萄、松鶴、芭蕉、鶏・秋海棠、竹を観る。
また、若冲の掛幅画13点。先の京都市美術館で観た題材が多いが、エイや芭蕉などを興味深く観る。
小一時間の滞在で退出。
これで今回の関西プチ美術旅行は終了。若冲づくしのプチ美術旅行。はて、私はそれほどの若冲贔屓ではないのだが。