パオロ・ウッチェロ
《森の狩り》
1465-70年頃、73.3×177cm
アシュモレアン美術館、オックスフォード
圧巻。遠近法と様式化。見事な工芸絵画。
月。
つまり「夜の森での狩り」。
狩猟の女神ディアナのシンボル、三日月。
カシの木。
狩猟の女神ディアナを祭っていた、カシの木立。
下枝は狩りの視界を遮らないよう綺麗に伐採されている。
馬の手綱と臀部の馬具の革ひもにつけられた飾りも三日月。
飛び跳ね逃げる雄鹿。
走り追う猟犬。
様式化された形態の鹿と犬、画面の中心奥に吸い込まれていくよう。
ウッチェロ晩年の作品。
この極端に横長の作品は、貴族の屋敷の部屋の壁に据え付けられる装飾羽目板「スパッリエーラ」として、制作されたと思われる。
実物はどんなに素晴らしいことだろうか、いつの日か観たい作品。
ウッチェロを巡る旅。
フィレンツェ、プラート、ウルビーノ、パリ、ロンドン、そしてオックスフォードというところだろうか。