根付-江戸と現代を結ぶ造形
2017年1月14日~3月20日
三鷹市美術ギャラリー
根付。
煙草入れや印籠、小型の革製鞄などの持ち物を携帯する際に、紐の先端に付けて帯にくぐらせ留具として用いる小さな細工物。
和装の時代に日常的な実用品であった根付は、意匠や細工が次第に洗練され、江戸後期に全盛期を迎える。明治以降洋装化とともにその需要は衰えるが、欧米人によって美術工芸品として新たな価値を見いだされる。(展覧会サイト参照)
東京国立博物館の総合文化展でお馴染みの根付であるが、根付に特化した展覧会を見るのは初めてである。
JR吉祥寺駅から1駅、三鷹駅南口すぐの三鷹市美術ギャラリーを、ぐるっとパス効果で訪問する。
本展では、「京都 清宗根付館」が所蔵する、江戸から昭和前半にかけての「古根付」約60点と、1970年代以降新たな発想・個性で制作された「現代根付」約245点の計約300点が展示される。
最初は「古根付(古典根付・近代根付)」の展示。制作年代の記載がないので、江戸時代の作品なのか、昭和時代の作品なのか不明だが、イメージどおりの根付が並ぶ。
印象に残るのは、安藤緑山《焼栗》。実物大で、本物そっくりの超絶技巧。でも根付?
「現代根付」は、テーマ別に分類される。21世紀になってからの作品が多い。古根付とは違って、技術の進歩というか、作家の芸術的興味の追及というか、根付のイメージに合わないものも含め、多彩な作品が並ぶのは面白い。
印象に残るのは、桑原仁《焼鰯》2000年。実物大で、本物にしか見えない作品。これは欲しい。机の引き出しに入れておいて、それに気付いた人が驚く、をしたい。
要は、実物大で本物と見間違えそう、という作品が私の今の好みのようだ。
受付にて、虫眼鏡の貸出がある。