東京でカラヴァッジョ 日記

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「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」図録を眺める。

2020年03月23日 | ロンドンナショナルギャラリー展
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
 
開幕日未定(当初2020年3月3日)〜6月14日
国立西洋美術館
 
2020年7月7日〜10月18日
国立国際美術館
 
Botticelli to Van Gogh
Masterpieces from the National Gallery, London
2020年11月13日〜21年2月21日
National Gallery of Australia, Canberra
 
 
   ロンドン・ナショナル・ギャラリー展の図録をネットにて入手する。
 
   本展の図録は、カバーがゴッホ(裏はフェルメール)のものと、クリヴェッリ(裏はターナー)のものと2種類ある。私はクリヴェッリ版の方がいいのだが、ネットではゴッホ版のみの取扱いとあるので躊躇していたところ、臨時休館の延長により決断。注文の2日後(その間土日祝はない)に到着する。早い。
 
   ぼ〜っと図録を眺めていると、初めて知る事実が。
   本展は、東京、大阪のあと、オーストラリアのキャンベラに巡回する。
   ロンドン・ナショナル・ギャラリーやオーストラリア国立美術館のサイトを見ると、昨年11月には発表されていたようだ。ゴッホ《ひまわり》、フェルメール《ヴァージナルの前に座る若い女性》、レンブラント《34歳の自画像》をハイライトとする60点超の出品作、7章建ての構成とあるので、基本的にそっくりそのまま巡回するらしい。
    日本での会期延長の可能性はないことを認識した。
 
 
 
    ロンドン・ナショナル・ギャラリーの初期ルネサンス絵画の充実ぶりは特筆すべきであるが、その貢献者として、初代館長イーストレイク(1793〜1865、館長在任1855〜65)が紹介されている。
 
   彼は、画家修業のため1816年から14年間ローマに滞在、その間に培ったイタリア美術の知識を活かして、初期ルネサンスやヴェネツィア派の作品の収集活動に努めたようだ。
 
    図録の第1章「イタリア・ルネサンス絵画の収集」の解説には、「イーストレイクは小さな地方都市の数々を訪れては、そうした都市の聖職者たちや主要な市民たちを口説いて回ったのである。事実、マルケ州やヴェネト州、トスカーナ州やウンブリア州の主だった町のほとんどは、ナショナル・ギャラリーのコレクションに絵画を提供している。」と誇らしげに記述されている。
 
   一方、イタリアでは、そのような海外からの口の達者なディーラーたちの甘言に乗せられ、その真の価値を認識することもないまま、目先の金が欲しい教会の関係者や地元の有力者の独断により、貴重な美術品が多数流出することとなる。
  
    本展にはその成果の一つである、マルケ地方で活動したクリヴェッリの《聖エミディウスを伴う受胎告知》が出品される。イーストレイクの館長在任中の1864年の取得であるが、1847年までには英国にもたらされていたようだ。
 
   また、ギルランダイオ《聖母子》は、イーストレイクの旧蔵品。妻の没後に売立、その購入者の遺贈により1924年に取得。館に直接ではない。
 
 
 
   早く実物と対面できる日が来て欲しいもの。
 


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