東京でカラヴァッジョ 日記

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【再訪】「岡上淑子 フォト・コラージュ 沈黙の奇蹟」展(東京都庭園美術館)

2019年03月08日 | 展覧会(現代美術)

岡上淑子
フォト・コラージュ  沈黙の奇蹟
2019年1月26日〜4月7日
東京都庭園美術館
 
 
  一度目がえらく楽しかったから再訪すると今ひとつ盛り上がらない、そういうことがままあるが、本展は違う。
  一度目と同等かそれ以上に、楽しく鑑賞する。滞在時間も一度目と同等、カタログも購入する。
  戦後日本の空気を反映した1950年代のフォト・コラージュ、実に魅惑的。
 
 
  本展では、作家が元ネタとした写真が掲載された洋雑誌6冊が参考展示されている。
  うち私が作品特定できた5冊について、元はどんな記事内容の写真であったかを確認する。
 
 
《沈黙の奇蹟》
1952年、東京都写真美術館
 
⇒LIFE  1949.10.10号
・公開の左頁は全面が写真で、右頁は他の雑誌と重ねられ隠れていたので、記事内容は不明。
 
 
2  
《懺悔室の展望》
1952年、ヒューストン美術館
 
⇒LIFE  1951.3.12号
  「THE  Shah  TAKES   A  BRIDE」「Iran's  ruler  marries  in  lighthearted  ceremony」
・王族の結婚式
 
 
3  
《海のレダ》
1952年、個人蔵
 
⇒LIFE  1950.8.28号
  「the  world's  fastest boat」
・左頁の全面が本写真。写真は右頁にもまたがっていて、波の先を走るボートが写っている。
 
 
4  
《幻想》
1954年頃、個人蔵
 
⇒VOGUE  1951.10月号
  「‥‥(見えない)Apartment:AIR conditioned BAROQUE」
・バロック風デコレーションのアパルトメント拝見
・本作の写真は右頁に掲載。左頁に全面掲載の写真も《寝室》として作品化されている。元の掲載写真のサイズに応じて、作品のサイズも本作より《寝室》のほうが大きい。
 
 
《侵入者》
1954年頃、ヒューストン美術館
 
⇒BAZZAR  1953.5月号 
・女性は、フィレンツェ・レース商品の広告より採取されている。
 
 
 
 
  1の《沈黙の奇蹟》の記事内容を知りたいと調べると、新たな事実を知る。
  元の写真はカラー写真。
 
  雑誌の版の違いにより白黒写真掲載となり、それを作家が参照して元の写真と全く異なる世界を創造する。これがシュルレアリスムの醍醐味なのか?
 
 
 
ついでに、2の《懺悔室の展望》。
 
 
 
参考:カタログ正誤表
(2/14当美術館サイトのニュースより)


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