東京でカラヴァッジョ 日記

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高橋コレクション展 ミラー・ニューロン(東京オペラシティ アートギャラリー)

2015年05月16日 | 展覧会(現代美術)

高橋コレクション展 ミラー・ニューロン
2015年4月18日~6月28日
東京オペラシティ アートギャラリー


 精神科医・高橋龍太郎氏の収集による現代アートのコレクションを紹介する展覧会。
 90年代以降の日本現代アートを中心とした所蔵作品2000点(2011年2月現在)のなかから、52画家139点の出品。

<展覧会HPより>
本展によせて
 コレクター・精神科医 高橋龍太郎
 ミラーニューロンはイタリア、パルマ大学のジャコモ・リゾラッティによって、1996年発見された神経細胞である。実験者がエサを拾い上げたときに、それを見ていただけのマカクザルが、エサを取るときと同じ脳の部位が活動したことに由来する。このように他者の行動を自分もやったかのように映すニューロンは、人間にも存在することが確かめられている。人間はこのミラーニューロンによってもたらされる模倣行動によって、他者の行動を理解し共感する。人間の言語をこのミラーニューロンによって獲得されたものとする学説もある。
 しかし人間にとって最大の模倣は自然への模倣だろう。アリストテレスは、芸術は自然を模倣するとして、模倣(ミメーシス)を人間の本質と高く評価した。1980年代以降現代アートは模倣と引用によるシミュレーショニズムの影響なくしては語れない。しかしシミュレーションといえば、日本には本歌取り、見立て、やつし等、千年の歴史がある。とするなら日本の現代アートシーンは、正面に西欧のアートミラーがあり、背後に千年の伝統ミラーを見据える合わせ鏡の只中にあることになる。
 それは世界のアートシーンのなかの稀有な痙攣する美になるのか。はたまた無限に映し返される煉獄に過ぎないのか。


 現代アートの展覧会。
 その場ではそれなりに感心するが、しばらくたつと何も印象に残っていない。
 たまに行っては、そんな感じを繰り返している。

 以下、感心した作品。


草間彌生
No.09≪鏡の部屋-愛は永遠に(No.3)≫

 2014年展覧会集客数・世界No.1の画家は、最初の展示室に17点の展示。
 窓から箱のなかをのぞく。
 深夜、人っ子一人いない、果てしなく続く地下道をイメージする。上部の照明灯がその感を増す。


奈良美智
No.34≪Candy Blue Night≫

 お馴染み、にらみつけるような目の女の子が6点。
 今まであまり見たことはなかったが、今回初めて感心する。


会田誠
No.75≪美しい旗(戦争画RETURNS)≫
No.77≪紐育空爆之図(戦争画RETURNS)≫

 森美術館の2012-13年の展覧会以来の再見。
 ≪美しい旗≫には惹かれる。女子高生でなく、ジョルジョーネ風の老婆であってもよいかな。
 ただ、もう1点のNo.76≪ジューサーミキサー≫は感心しない。


西尾康之
No.74≪Crash セイラ・マス≫

 まずは大きさに感心。280×400×600cmの巨大彫像。
 アニメ(機動戦士ガンダム)の登場人物らしい。知らないけど。
 靴の裏や踵、腰ベルトに見られる、指の模様が多数重なっている部分を面白く見る。


舟越桂
No.48≪遠い手のスフィンクス≫

 美しい肌。魅惑的な彫像。


名和晃平
No.72≪PixCell-Lion≫

 本展のメインビジュアル。


 村上隆は7点あったが、感心することなし。


今回も、そんな感じの繰り返しになるのかな。


最後に撮影可能な作品。
草間彌生≪ハーイ、コンニチワ!ヤヨイちゃん≫と≪ハーイ、コンニチワ!ポチ≫。 



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