国立博物館が本日(2/27)より約半月間(3/16まで)の臨時休業を突如決定。国立美術館や公立美術館もすぐに続くだろう。しばらく美術鑑賞は休みとなりそうだ。
開館記念展
見えてくる光景
コレクションの現在地
2020年1月18日〜3月31日
アーティゾン美術館
ブリヂストン美術館の会期終了間際の「ベスト・オブ・ベスト」展に行ったのが2015年5月のこと。
それから約4年半、2020年1月、新しい23階建て高層ビル「ミュージアムタワー京橋」1〜6階に、アーティゾン美術館として開館した。
2月下旬になってようやく初訪問。開館記念展は、美術館所蔵作品による「見えてくる光景 コレクションの現在地」展である。
日時指定入場制が導入されたアーティゾン美術館(入替制ではなく、入場後は閉館まで滞在可)。
訪問当日に、ネットで14:00〜15:30の入館時間枠の回を12:30頃に購入する(各回時間枠の終了10分前まで販売しているとのこと)。
13:55頃、アーティゾン美術館に到着。1階で入場開始までしばし待つ。1階には、当日券用のチケット売場(完売していない場合のみ販売、ただしネット購入価格より高い)とカフェがある。
14:00頃、入場開始。エスカレーターで2階へ。この時点ではチケットはチェックされない。2階には、ミュージアムショップとロッカーがある。ロッカーで荷物を預ける。再びエスカレーターで3階へ。3階にてチケットチェック(スマホにQRコードを表示)を受け、セキュリティゲートを通過し、これをもって入場となる。今度はエレベーターで6階へ。以降、6階→5階→4階と展示室をめぐることとなる(4〜6階の行き来は自由)。音声ガイド機の貸出しはない。自らのスマホに美術館公式アプリをダウンロードする方式(もちろん無料。私は今回利用していない)。イアホン必須だが、イアホンは2階のミュージアムショップでも販売しているとのこと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/22/48a470f6121ef4734b27a63bc4d5d5d5.jpg)
アーティゾン美術館所蔵作品が全206点展示される。約2800点の美術作品コレクションを所蔵するとのことなので、ごく一部であるが、それでも大変な量。5年ぶりの再会に心踊る作品が多数。一方で、約4年半の休館中に新たに収蔵した作品も31点展示(キャプションに「新収蔵作品」の表示あり)。新収蔵作品は184点とのことなので、これまたごく一部であるが、これまた大変な量である。
撮影可能な本展。
以下、本展展示の新収蔵作品のうち西洋絵画作品の一部の画像を掲載する。
1 印象派の時代の画家たち
ベルト・モリゾ
《バルコニーの女と子ども》
1872年、61.0×50.0cm
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/00/05f0aacd8d000299df4cc6dfebc4a16e.jpg)
メアリー・カサット
《日光浴(浴後)》
1901年、74.0.×93.0cm
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/0b/7c4c057ac0ef15097e0711d81470fe43.jpg)
メアリー・カサット
《娘に読み聞かせるオーガスタ》
1910年、116.2×88.9cm
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/ee/b23e02bc47b9c944e25283902eaeafbf.jpg)
まずは、印象派の女性画家。ベルト・モリゾ1点とメアリー・カサット2点。なお、本展には出品されていないが、マリー・ブラックモンとエヴァ・ゴンザレスも各1点新収蔵しており、本年6月末からの「特集コーナー展示:印象派の女性画家たち」のなかで5点揃って展示予定とのこと。
もう1点、同時代の画家の作品。
アンリ・ファンタン=ラ・トゥール
《静物(花、果実、ワイングラスとティーカップ)》
1865年、59.0×73.0cm
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/58/af44a00fa0e8cb1b443107f3fd04afa7.jpg)
2 キュビスムの画家たち
キュビスム作品群。左から3番目がピカソ作品。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/13/6ba909bbb0fcf054749f54385a9ac254.jpg)
ピカソ
《ブルゴーニュのマール瓶、グラス、新聞紙》
1913年、46.3×38.4cm
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/2e/2ce108632fe5b74e3bca690220753252.jpg)
このピカソ作品は新収蔵ではないが、他の3点が新収蔵作品。左からジョルジュ・ブラック、ジャン・メッツァンジェ、一つ置いてファン・グリス。この壁の対面にも(画像なし)、ジーノ・セヴェリーニ、フランシス・ピカビアのキュビスムの影響を受けた新収蔵作品も。キュビスム作品の収集に力を入れたようである。
3 第二次世界大戦後の画家
アルベルト・ジャコメッティ
《矢内原》
1958年、92.0×73.0cm
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/12/c100b464ce759e0839f6aa78dc8792b2.jpg)
矢内原伊作(1918〜89)は、実存主義哲学の研究者。研究員としてパリ滞在中の矢内原が初めて作家のモデルを務めたのが任期を終えて帰国間近の1956年10月のこと。以降、矢内原を描くことにこだわり続けた作家に応じて、4度もフランスに行くこととなる。
ウィレム・デ・クーニング
《リーグ》
1964年、76.5×58.7cm
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/de/a7aba9a7c4a5299a30fd6108e7b657b3.jpg)
「ウィレム・デ・クーニング」展がブリヂストン美術館で開催されたのは、2014年10月〜15年1月、休館直前のこと。そのメインビジュアルを務めた本作。当時の所蔵はジョン・アンド・キミコ・パワーズのコレクション(アメリカのリョービ・ファウンデーション管理)。展示35点中、27点が同コレクションからの出品。拙ブログ記事を見返すと、最初の油彩画2点は楽しめたが、あとはどうも、との感想。本作は最初の油彩画2点に含まれている。
マーク・ロスコ
《無題》
1969年、177.2×104.1cm
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/43/22b774375fbf6464f4924fd557f6e68a.jpg)
ピンクの色調をじっくり楽しみたいところだが、今回は手狭なスペースに展示されており、近距離で眺めるしかない。今後の展示機会に期待。
以上、10点の西洋絵画の新収蔵作品である。