今年見た展覧会のお気に入りベスト10(といいつつ11展選出)(今年が5回目)。
1:フェルディナント・ホドラー展
2014年10月7日~2015年1月12日
国立西洋美術館
長年気になっていたスイスの国民画家、1975年に回顧展が開催されていたので、またあるとは思っていなかった。
今ではすっかりホドラー・ファン。1/12まで開催なので、再訪したい。
2:バルテュス展
2014年4月19日~6月22日
東京都美術館
バルテュスには、題材ゆえにではなく、その技術ゆえに惹かれる。
三菱一号館美の「バルテュス最後の写真-密室の対話」も好企画。
3:ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション
2014年4月4日~5月25日
Bunkamuraザ・ミュージアム
「ヨーロッパで最も優雅な邸宅美術館」のピエロ・デル・ポッライウォーロ≪貴婦人の肖像≫やボッティチェリ≪死せるキリストへの哀悼≫ほか、1350-1520年頃のイタリア絵画を堪能。
現在、同美術館では、横顔美人4点(本美術館、ベルリン、ウフィツィ、MET)を集めた展覧会が開催中。
4:チューリヒ美術館展
2014年9月25日~12月15日
国立新美術館
セガンティーニ、ホドラー、ベックマン、ココシュカ、ヴァロットン等、ドイツ・スイス系の画家は、さすがに充実した展示。その他、モネやシャガール、キリコなど、素敵な作品が多数。
ただ、会場は非常に寒かった。
5:シャヴァンヌ展
2014年1月2日~3月9日
Bunkamuraザ・ミュージアム
シャヴァンヌといえばオルセー美の≪貧しい漁夫≫しか思い浮かばなかった私。
当代随一の「壁画家」であったシャヴァンヌの、壁画の「縮小作品」をフランスのほか世界各地のブランド美術館から集めた本展。
壁画の「縮小作品」と聞くと、なんとなく残念感が漂う作品をイメージしてしまうが、とんでもない。サイズも大きく、質も高く、非常に見応えがあった。
6:日本国宝展
2014年10月15日~12月7日
東京国立博物館
夜間開館時を狙って訪問、鑑賞環境にも恵まれ、国宝シャワーを浴びる(ただし、鑑賞時間は限られる)。
国宝土偶5点勢揃い、正倉院宝物、地獄草紙や餓鬼草紙、信貴山縁起絵巻、仏画の名品などを楽しむ。
次は、東京オリンピックが開催される2020年の開催を期待していいですか。
7:テート美術館の至宝 ラファエル前派展-英国ヴィクトリア朝絵画の夢
2014年1月25日~4月6日
森アーツセンターギャラリー
高レベルの作品が多数並んだ、これまた見応えのある展覧会。
8:江戸妖怪大図鑑
2014年7月1日~9月25日
太田記念美術館
3部構成のうち、第2部の幽霊が特にお気に入り。
今まで受け身姿勢で見てきた浮世絵。今回の幽霊鑑賞を機に、少しは能動的に観れるようになるかも。
9:ウフィツィ美術館展
2014年10月11日~12月14日
東京都美術館
ボッティチェリ≪パラスとケンタウロス≫が34年ぶりに来日したからには、ランクインさせないわけにはいかない。
全6点(帰属を含む)のボッティチェリ作品はよかったが、全体としては物足りなさ感が残る。
2015年のBunkamuraの「ボッティチェリとルネサンス-フィレンツェの富と美」展をもって完結するのかもしれない。
10:東山御物の美-足利将軍家の至宝-
2014年10月4日~11月24日
三井記念美術館
第5~7週に4回通う。
その後、日本国宝展にて≪紅白芙蓉図≫を見るが、環境が変わると、従来どおり反応しない。
中国絵画に目覚めるのは、あるとしても、まだまだ先のことのようだ。
10:名画を切り、名器を継ぐ 美術にみる愛蔵のかたち
2014年9月20日~11月3日
根津美術館
古い美術品が、制作当初の形のまま今に受け継がれていることは稀。
経年劣化や損傷へのやむを得ぬ対策であったり、売買や相続など所有者移転を円滑に進めるためであったり、ときには個人や時代の趣向にあわせるためであったり、いろいろな理由で改変がなされる。
そのことを改めて認識させられた展覧会。
それは本展が対象とする日本・東洋美術のみならず、西洋美術でも同様である。
2015年も素敵な展覧会に多数出会えることを期待しています。
いつも楽しく拝読しております。
第9位の「ウフィツィ美術館展」ですが、私もボッティチェリやブロンズィーノなどを堪能しました。
ここで、ボッティチェリ展について言及が御座いました。
春のBunkamuraでのボッティチェリ展は、公式サイトが立ち上がるなど、情報が少しずつ出てきました。
来年度のボッティチェリ展ですが、もう一つ別の展覧会が企画されているようです。
東京都美術館が、来年度展覧会ラインナップを発表したのですが、その中に下記の展覧会がありました。
「ボッティチェリ展」 2016年01月16日~04月03日
これが、今春の展覧会と同じかどうか分かりませんが、春の展覧会の公式サイト等を見る限り、別物の展覧会と思われます。
東京都美術館の「トップページ」>「各種手続き・プレス」>「プレスリリース」と見て頂くと、該当のPDFファイルにアクセスできます。
ご参考になさってください。
コメントありがとうございます。
また、素晴らしい情報ありがとうございます。びっくりです。
2014年4月にポルディ・ペッツォーリ美術館展で始まったボッティチェリ・シリーズは、実は2年間にわたって4展覧会が繰り広げられる超大型企画だったのですね。
どんな作品が来るのでしょうか。
ボッティチェリ作品の最大保有者であるウフィツィ美術館から、画集定番の作品2点は来てほしい。
フィリッポ・リッピやフィリッピーノ・リッピ、ヴェロッキオやポッライウオーロにも期待しています。
2016年1月の開始だから、今年の「美術の窓2月号」に情報は載らないのでしょうね。
今後の詳細情報が楽しみです。