「酒井抱一生誕250年 琳派芸術-光悦・宗達から江戸琳派」第1部 煌めく金の世界
2011年1月8日~2月6日
出光美術館
古田亮著「俵屋宗達」(平凡社新書)を読んでから行こうと思ってましたが、なかなか手を伸ばさず。
結局、美術館に向かう電車のなかで、「はじめに」と「第1章」だけを読んでの鑑賞となった「琳派芸術」第1部。
第1部のメインは、俵屋宗達と尾形光琳。
出光美術館所蔵作品を中心に、他の美術館等からも招聘し、戦力補強を図っています。
見ていて思ったのが、「伝」が多いなあということ。
本展第1部における「伝」状況は。
1 俵屋宗達
◇出光美術館蔵 計14点
うち「伝」なし5点、「伝」つき8点、伊年印1点
◇他美術館等蔵 計7点
うち「伝」なし5点、「伝」つき0点、伊年印2点
「伊年」印とは、今回初めて知ったのですが、画面の隅に「伊年」の印が捺されているもので、宗達の弟子や工房作とみなされているもの。
2 尾形光琳
◇出光美術館蔵 計4点
うち「伝」なし1点、「伝」つき3点
◇他美術館等蔵 計4点
うち「伝」なし4点、「伝」つき0点
戦力補強の重点は、「伝」なし作品を充実させることにあったようです。
うーん、この世界は、「○○に○○なし」ということなのか。
「○○展」を開催することは、著名美術館等が相応数所蔵する「伝」ではなく、1点(ないしは数点)しかない貴重な「伝」なし作品を集めることなんだなあと、その大変さをなんとなく想像しました。
主に見たもの。
◇「花卉摺絵古今集和歌巻」書:本阿弥光悦、版下絵:俵屋宗達、出光美術館蔵
◇「扇面散貼付屏風」俵屋宗達、出光美術館蔵
◇「月に秋草図屏風」伝 俵屋宗達、出光美術館蔵
◇「燕子花図」尾形光琳、大阪市立美術館蔵
◇「白楽天図屏風」尾形光琳、個人蔵
第2部は、2月11日から。出品リストを見ると、1点を除き、全て出光美術館所蔵のものになっています。
イタリアではカラヴァッジョが1571年生、俵屋宗達は生年不明ですが概ねこの数年前の1568年(古田亮著「俵屋宗達」でのイメージを持つための仮置き)。
洋の東西で同じ時期に新しい美術の流れが作られたのですね。何か必然があるのでしょうか。