光の賛歌 印象派展
2013年10月22日~2014年1月5日
東京富士美術館
マネ《アルジャントゥイユ》の衝撃!!
本展に、マネの重要作《アルジャントゥイユ》 が特別出品されるという。
マネ《アルジャントゥイユ》
1874年頃、トゥールネ美術館
トゥールネ美術館が所蔵するマネ作品といえば、《ラテュイユ親父の店》(1879年)。
2010年の三菱一号館美術館「マネとモダン・パリ」展にて来日した。
前面に女性を口説いている若い男性、右後方にウェーターが描かれた、実に印象深い作品であった。
トゥールネ美術館は、マネの重要作をもう1点所蔵しており、それが本展で来日するのである。
ただし、東京会場では出品されない。
本展は、東京の後、福岡と京都に巡回するが、京都会場のみの特別出品である。
東京会場にも出品されていれば、本展は、マネ《アルジャントゥイユ》の展覧会として、強く記憶に残るだろうに。
さて、東京会場の本展。
宣伝では。
1:メイン・ビジュアルは、ボストン美のルノワール≪ブージヴァルのダンス≫。
2:「世界の有名美術館から印象派の名画が集結!」を謳い、主な借用先として7カ国29美術館の名前が掲げられている。
印象派の展覧会といえば、1(または特定)美術館の所蔵作からなる展覧会か、多数の美術館から作品を集めたものならば特定画家の回顧展というイメージがある。
多数の美術館から作品を集めて印象派展を謳う展覧会は、近年では珍しいなあ、しかしテーマが見えないなあ、と思っていた。
訪問してようやく認識したが、テーマは「水辺の印象派」。
印象派のイメージにぴったりの作品が並ぶ。
第1章 セーヌ河畔の憩い-パリ近郊の川辺を描く画家たち
いきなりシスレー12点が並ぶのは圧巻。
テート、フィラデルフィア、オルセー、ボストンなど、所蔵元も豪華。
レピーヌ、ピサロ2、モリゾ、シニャックが続いたあと、目玉作品のルノワール≪ブージヴァルのダンス≫が登場。
続いてもう1点ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵のルノワール作品が登場するが、ルノワール作品は、意外にも(メイン・ビジュアルで利用している割には)2点どまりである。
モネ、ピサロ、シスレー3、べリアール、ピサロ2と続き、怒濤のモネが始まる。11点。
ピサロ、セザンヌで第1章終了。
第2章 ノルマンディ海岸の陽光-海辺を描く画家たち
ヨンキント、ブータン、モネ、モーフラ、ヨンキント、モネ3、ブータン、モネ6、ピサロ、モネ、カイユボットと続く。
本章は完全にモネが主役。
最後の部屋は、ブータン3、ロワゾー、モネ、そして第2章もセザンヌが締める。
総出品点数(序章を除く)
65点
モネ 24点
シスレー 15点
ピサロ 7点
ルノワール 2点
セザンヌ 2点
ブータン 5点
ヨンキント 2点
カイユボット、モリゾ、シニャック、レピーヌ、ピサロ(子)、べリアール、モーフラ、ロワゾーが各1点
ちなみにマネは、なんということか、0点である。
うち50点が海外から。
さすがに、所蔵元の名前は豪華である(後述)。
モネ24点を軸に鑑賞。
印象に残った作品はというと。
「水辺の印象派」というテーマから、どうしてもよく似た趣の作品が並ぶため、ちょっと変わった感のある作品を選ぶこととなる。
1:ピサロ≪小川で足を洗う女≫(シカゴ美)
1999年に寄贈された比較的新しいコレクションで、「初来日」ということが強調されている。
2:モネ≪日本の橋≫(バイエラー財団美)
晩年の表現主義的な作品。
3:セザンヌ≪小舟と水浴する人々≫(オランジュリー美)
大トリを務める本作は、祭壇画のプレデッラのようなサイズの水浴画。
ああ、マネ≪アルジャントゥイユ≫が見たい。
参考:海外の所蔵元
【フランス】
オルセー美:3
オランジュリー美:2
マルモッタン美
サン=テティエンヌ近代美
カミーユ・ピサロ美:2
ディアップ城美:2
【ドイツ】
ヴァルラフ=リヒャリツ美:3
【イギリス】
テート:2
ケルビングロープ美:3
バーミンガム美:2
サウサンプトン市立美
シェフィールド美
リーズ市立美
【スイス】
バイエラー財団美
【オーストラリア】
ヴィクトリア国立美:2
【カナダ】
カナダ国立美
【アメリカ】
ボストン美:3
ワシントン・ナショナル・ギャラリー:4
シカゴ美
フィラデルフィア美
ロサンゼルス・カウンティ美:2
トリード美
コロンバス美:2
ブルックリン美:3
ディクソン美
オバーリン大学アレン記念美
アンカーソー・アート・センター:3
なんで京都だけ?京都がうらやましいですね。
コメントありがとうございます。
タイミングを見つけての京都訪問を考えます。