今年もこの季節がやってきた。
日経トレンディ2022年1月号臨時増刊『日経おとなのOFF 2022年絶対に見逃せない美術展』を眺める。
表紙は2年連続でカラヴァッジョ。
昨年の臨時増刊『2021年絶対に見逃せない美術展』と比べると、西洋美術展がずいぶん充実している感。頁数も8頁増えている(値段も30円アップ)。
コロナ禍で美術展/美術館・博物館を取り巻く環境は引き続き厳しいだろうけれども、こうして美術展を開催していただける。実にありがたいこと。
まずは、西洋美術展。
2022年絶対に見逃せない、西洋美術展、私的トップ3。
メトロポリタン美術館展
西洋絵画の500年
2022年2月9日〜5月30日
国立新美術館
(大阪から巡回)
*15〜19世紀の西洋絵画65点。素晴らしい。毎週でも通いたい。その前にもう一度大阪に行きたい。
スコットランド国立美術館
THE GREATS 美の巨匠たち
2022年4月22日〜7月3日
東京都美術館
(神戸、北九州を巡回)
*ベラスケスの厨房画、レンブラントの謎の女性像、アダム・エルスハイマーの銅板油彩画などが楽しみ。ラファエロは素描《「魚の聖母」のための習作》とのこと。
ドレスデン国立古典絵画館所蔵
フェルメールと17世紀オランダ絵画展
2022年1月22日〜4月3日
東京都美術館
(札幌、大阪、宮城を巡回)
*キューピッドの画中画がある《窓辺で手紙を読む女》。メトロポリタン美術館展が始まるまでにしっかり見ておきたい。
トップ3に続き、期待する西洋美術展。
ポンペイ
2022年1月14日〜4月3日
東京国立博物館
(京都、福岡を巡回)
*ナポリ国立考古学博物館所蔵の、古代ギリシャの彫刻家ポリュクレイトス作品のローマ時代に作られた模刻《槍を持つ人》は見ておきたい。
ミロ展ー日本を夢みて
2022年2月11日〜4月17日
Bunkamuraザ・ミュージアム
(名古屋、富山を巡回)
*ミロ展は久しぶりかな?
イスラエル博物館所蔵
ピカソ ひらめきの原点
2022年4月9日〜6月19日
パナソニック汐留美術館
(滋賀、長崎を巡回)
*イスラエル博物館コレクション展がもう一つ走る。ピカソも充実しているらしい。
モディリアーニ
愛と創作に捧げた35年
2022年4月9日〜7月18日
大阪中之島美術館
*海外からどの程度作品を集めるのか注目。
国立西洋美術館リニューアルオープン記念
自然と人のダイアローグ
2022年6月4日〜9月11日
国立西洋美術館
*ドイツ・エッセンのフォルクヴァング美術館との共同企画・共同開催。
ゲルハルト・リヒター展
2022年6月7日〜10月2日
東京国立近代美術館
(豊田を巡回)
*現在89歳のリヒターの1960年代から近年に至るまでの作品による個展。
ルートヴィヒ美術館蔵
20世紀美術の軌跡
2022年6月29日〜9月26日
国立新美術館
(京都を巡回)
*ドイツ・ケルンの美術館。ドイツ表現主義の名品を期待。
アンディ・ウォーホル・キョウト
2022年9月17日〜23年2月12日
京都市京セラ美術館
*米国ピッツバーグのアンディ・ウォーホル美術館所蔵作品による回顧展。当初2020年開催予定が2年の延期。巡回なし。
ベルクグリューン・コレクション展
2022年10月8日〜23年1月22日
国立西洋美術館
(大阪に巡回)
*ドイツ生まれの美術商ベルクグリューンの個人コレクション。ベルリン国立美術館群の一つであるベルググリューン美術館で公開されている。ピカソ、クレー、マティス、ジャコメッティが中心になるようだ。
2021年の開催が延期となっているアーティゾン美術館の「クロード・モネ 風景への問いかけ」展や、国立新美術館の「マティス 自由なフォルム」展も開催されることを期待している。
日本美術展について。
多数あるなか、私的好みにより絞りに絞って、王道的な展覧会2展、および地域に焦点をあてる展覧会2展を挙げておく。
没後50年 鏑木清方展
2022年3月18日〜5月8日
東京国立近代美術館
(京都に巡回)
沖縄復帰50年記念
特別展「琉球」
2022年5月3日〜6月26日
東京国立博物館
(福岡へ巡回)
東北へのまなざし 1930-1945
2022年7月23日〜9月25日
東京ステーションギャラリー
(盛岡、福島から巡回)
東京国立博物館創立150年記念
国宝 東京国立博物館のすべて
2022年10月18日〜12月11日
東京国立博物館
まだまだ新たな美術展の情報が、2022年後半に始まるものを中心に出てくるだろうから、楽しみである。
美術展特集の雑誌について。
『美術の窓』は、今年の特集は11/20発売の「2021年12月号」。昨年が12/19発売の「2021年1月号」だったので、1カ月早くなった。一昨年までは1月発売の「2月号」だったから、2カ月も早くなったこととなる。『芸術新潮』2021年12月号もあるし、それ以外にもいくつか出ているようだし、競争状態に対抗したものだろう。
この時期に刊行が集中するが、この時期だと未だ情報が出ていないことも多いと思われ、なんか消化不良の感がある。