大英博物館展-100のモノが語る世界の歴史
2015年4月18日~6月28日
東京都美術館
大英博物館が所蔵する100のモノにより、人類200万年の歴史を語ろうとする壮大な企画。単純計算で、1つのモノあたり2万年分の歴史を語る役割を担うこととなる。
それはさておき、各展示品は、ぱっと見でわかるもの以上の、自らを生みだした人間社会の営みに関する極めて広大、多様で複雑怪奇な内容を、他の展示品からの直接的フォローが限られているなかで語っていくという、実に重い役割を担っている。
そのような役割を担う展示品は、小さいものも多い。小さい実物を見て、キャプションもしっかりと読んで、想いを馳せる。拙いことを想うに過ぎないのだが、滞在時間は長くなってしまいそうだ。
4/18開催の「大英博物館展ナイト」に参加させていただく。
最初に、本展監修の水田学芸員によるミニレクチャー。
・本展は、2010年に大英博物館がBBCと共同制作したラジオ番組と書籍に端を発した企画。NHKでは、現在、上記ラジオ番組の日本版を放送中。
・大英博物館展の開催は、東京都美術館では過去4回。直近は2003年の「大英博物館の至宝」展で、初めて8つある全所蔵部門から出品される展覧会であったが、今回も全所蔵部門からの出品 (←それ以外の3回は、江戸美術展(1990年)、アッシリア大文明展(1996年)、古代エジプト展(1999年)かな)。
その後、自由鑑賞。
写真撮影可なので、たくさん撮らせていただく。
本章の章立て・出品点数は次のとおり。
プロローグ:モノは語る
2点
第1章:想像の芽生え
200万年前-紀元前2500年
12点
第2章:都市の誕生
紀元前3000年-前700年
9点
第3章:古代帝国の出現
紀元前700年-後100年
10点
第4章:儀式と信仰
1-800年
11点
第5章:広がる世界
300-1100年
11点
第6章:技術と芸術の革新
900-1550年
17点
第7章:大航海時代と新たな出会い
1500-1800年
16点
第8章:工業化と大量生産が変えた世界
1800-
14点
エピローグ:今、そして未来を語るモノ
1点
プロローグ
最初のコーナーに2点。これらは100点の中に含まれない。
古代vs現代の棺桶対決である。
≪古代エジプトの棺≫紀元前600年頃、エジプト、大英博物館蔵
≪棺桶(ライオン)≫2003年、ガーナ、国立民族学博物館像
奥のケースが左から、
≪現代ガーナの棺の模型(ビール瓶)≫、2006年、ガーナ、大英博物館蔵
≪現代ガーナの棺の模型(ナマズ)≫、2006年、ガーナ、大英博物館蔵
≪現代ガーナの棺の模型(カカオの実)≫、2006年、ガーナ、大英博物館蔵
ガーナのガー族の棺は、彼らの生活様式や現代の願望を反映する。
2014年の国立新美術館「イメージの力-国立民族学博物館コレクションによる」展でも印象的だったモノ。
第1~8章
後日記載するつもり。
エピローグ
人類の歴史は、これからも新たな物語を紡ぎ続けます。
私たちが生きる現在を象徴し、未来に繋がる歴史の一頁を飾るにふさわしい「モノ」とは-?
本展の締めくくりとして、この問いかけに対する答えを開催館ごとに検討し、異なる内容の展示を行う予定です。
さて、東京都美術館の答えは。
≪紙管-坂 茂による紙の避難所用間仕切り≫2015年、坂茂建築設計
会場外
あなたが選ぶ“101点目”人気投票も実施中。私も投票するが、候補22点(候補以外のモノを投票することも可能)から1点を選ぶのは実に悩ましい作業である。次元は全く異なるが、今回100点を選んだ関係者の苦労を少し思う。
最後にNHKラジオ番組の宣伝。
このような機会を設けていただいて、「大英博物館展ナイト」企画・運営関係者の方々に感謝いたします。
※会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。