2023年の府中市美術館の展覧会により、「インド細密画」に少し関心を持った私。
2024年1月から、東博の東洋館の地下1階、一番奥の13展示室に常設展示される「インド細密画」鑑賞を始める。
概ね1ヶ月単位で展示替えが行われるようであり、今回は4度目の鑑賞。
今回鑑賞(2024年4月2日〜5月6日)
・テーマ:騎馬人物像
・展示数:9点
以下、画像を掲載する。
《騎馬人物像(馬名ヴァジヤ・ラージ)》
メーワール派、18世紀
インドでも古来、白馬は高貴な動物とされてきました。
《象ママーラシュに乗る藩王アマル・シング》
メーワール派、18世紀中頃
画面の上側の枠には「ママーラシュ」という象の名前、また背面にはメーワールの藩王アマル・シング(在位1597~1620年)の名が記されています。
《馬に乗って行進する貴族》
メーワール派、19世紀中頃
馬に乗った男性貴族は頭の後ろに光背、斜め上に三日月と星を表しています。
三日月はヒンドゥー教のシヴァ神を象徴することから、この男性はシヴァ神を崇拝していたと思われます。
儀兵の多くは右手に儀使用の杖を持ち、腰に刺突剣を差しています。
《ケーサリー・シング騎馬像》
マールワール派、19世紀初
ケーサリー・シングという名前の領主が水タバコを吸いながら、馬に乗っている光景を描いています。
《白斑のある青い馬に乗る女》
ビーカーネール派、18世紀後半
灰色の空に渦を巻いてうかぶダイナミックな雲と、黄緑色の丘を背景に、女性が青に白斑模様の馬に乗る光景を描いています。
《ビーカーネールの藩王ゾラーワル・シング騎馬像》
ビーカーネール派、18世紀中頃
ゾラーワル・シングはビーカーネール王国の第13代王(在位1735~1746年)。
《騎馬人物像》
ビーカーネール派、18世紀前半
白馬の背にまたがった人物は、黄色のターバンを被り、上着をまとい、イヤリングやネックレスなどで身を飾り、腰に刺突剣を差し、剣を下げています。
さらに右手に槍、左手に手綱をとり、肩から円形の黒い盾を掛けています。
《黒馬に乗るディオ・シング王》
ビーカーネール派、18世紀
緑のターバンを巻き、ピンクのジャマ(上着)を着た王が、黒馬にまたがっています。
地面は起伏が表わされ、画面上部に雲が浮かぶ青空を描いています。
上部にはディオ・シングの名前がデーヴァナーガリー文字で記されています。
《乗馬を楽しむジャイプルの王と恋人》
ジャイプル派、19世紀
王とその恋人がそれぞれ馬に乗り、狩りに出かける場面を描いています。
前方には侍女二人が鷹を、後方には女二人が孔雀の刃をそれぞれ持っています。
馬の前方には2匹の犬の姿も見えます。
経年の退色やかすれが見られるものの、人と馬が一体となって浮き立つような作品です。
展示替えの都度皆勤を目指すのではなく自然体で、展示が一巡するまでを目途に鑑賞を続けるつもり。