国立西洋美術館のサイト。
リニューアルオープンのお知らせが11/29に掲載された。
リニューアルオープン日
2022年4月9日(土)
まずは、常設展および2つの小企画展からスタートする。
【小企画展】
・ル・コルビュジエ晩年の絵画と素描(仮称) (〜9/19)
・新収蔵版画コレクション展(〜5/22)
企画展は、6月から。
次の2展が記載されている。
【企画展】
国立西洋美術館リニューアルオープン記念
自然と人のダイアローグ
フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで
2022年6月4日〜9月11日
国立西洋美術館 企画展示室
ベルクグリューン・コレクション展(仮称)
2022年10月8日~2023年1月22日
国立西洋美術館 企画展示室
前者の企画展は、ドイツ・エッセンのフォルクヴァング美術館との共同研究・共同開催により、相互の所蔵品による二部制の展覧会を実施するもの。
フォルクヴァング美術館のサイトを見ると、第一部にあたる展覧会の予告が掲載されている。
RENOIR, MONET, GAUGUIN
Images of a Floating World
6 FEB – 15 MAY 2022
フォルクヴァング美術館と国立西洋美術館のコレクションの共演。約120点。
フォルクヴァング美術館コレクションの土台となったカール・エルンスト・オストハウス(1874〜1921)のコレクションと国立西洋美術館コレクションの土台となった松方幸次郎(1866〜1950)のコレクションの共演。
国立西洋美術館からの出品作として現時点で紹介されているのは次の2点。
シニャック
《サン=トロペの港》
1901-02年、国立西洋美術館
モネ
《舟遊び》
1887年、国立西洋美術館(旧松方コレクション)
これら作品がフォルクヴァング美術館の次のようなコレクションと対話するようだ。
ルノワール
《日傘をさすリーズ》
1867年、フォルクヴァング美術館
ゴーギャン
《団扇を持つ少女》
1902年、フォルクヴァング美術館
この2点も、第二部となる国立西洋美術館の展覧会にも出品して欲しいところ。
ちなみに、11月から書店に並び始めた2022年美術展特集雑誌を見ると、本展については情報は限られていて、「フォルクヴァング美術館からの38点を含む約100点」、出品作情報は「ゴッホ《刈り入れ》」1点程度。
フォルクヴァング美術館の展覧会で、日本からの主要出品作として、シニャック《サン=トロペの港》を取り上げているのは意外。
理由は、シニャック《サン=トロペの港》は、元カール・エルンスト・オストハウスのコレクション、元フォルクヴァング美術館のコレクションにあったから、とのこと。
国立西洋美術館サイトにて、来歴を確認する。
Karl-Ernst Osthaus, Hagen;
Museum Folkwang, Essen;
Marlborough Fine Art, London;
Purchased by the NMWA, 1988.
いつ、何故、フォルクヴァング美術館から出ることになったのか。それは確認できていない。
さて、フォルクヴァング美術館と言えば、1996-97年に岡山・札幌・函館・名古屋・東京・熊本・千葉と7都市を巡回(東京は、かつて池袋にあった東武美術館)した「フォルクヴァング美術館展」を思い出す。
たいへん素晴らしい作品群に圧倒された記憶。
特に、ゴーギャン《団扇を持つ少女》《未開の物語》《海草を集めるブルターニュの人々》、フランツ・マルク《風景の中の馬》、ホドラー《春》の5点は、私にとって一生忘れられない作品。
改めて図録を確認すると、全67点の出品で、凄い作品が多数。
印象派・ポスト印象派では、マネが2点、モネが睡蓮とルーアン大聖堂の2点、ゴッホが3点(今回来日するらしい《刈り取り》は含まれない)、という充実ぶり。ただ、ルノワールは、オストハウス夫人の肖像1点のみ。
それより凄いのが、フリードリヒ、ベックリン、フランツ・マルク、キルヒナー、ベックマン、オットー・ディクス、ノルデなどのドイツ系美術の充実ぶり。さすがドイツの美術館。
今回はどんな作品が来日してくれるのだろうか。非常に期待している。
是非とも再会したいゴーギャン作品。
「自然と人」というテーマでは難しい?