国立西洋美術館は、改修工事のため2020年10月19日から2022年春まで長期休館中。
前庭の下にある企画展示館上部の防水が耐用年数を過ぎたため。あわせて、本館の前庭をル・コルビュジエ設計に限りなく近く、創設当初の姿に戻す改修を行うという。
長期休館入り以降、何度か美術館の前を通ったが、表面上は何かやっているような様子が伺えず、先月(6月)中旬に通ったときも同様であったが、7月になって、ついに白の囲い。長期休館8ヶ月目にして工事が本格化したようだ。
白の囲いに国立西洋美術館の写真7点が掲示されていたので、紹介する。
1959年
本館開館時の正門はこの位置にありました。右手に「考える人」、左手の「カレーの市民」を鑑賞しながら本館へ進むル・コルビュジエの考えた動線を復原します。
1959年
公園園路との連続性をもたせるため、園路から彫刻や本館を見渡すことができる透過性のある柵で囲われていました。
1984年
こちら側に売札所を設置していました。
2016年(→カラヴァッジョ展!)
本館と前庭を含む敷地全体が「ル・コルビュジエの建築作品ー近代建築への顕著な貢献」の構成資産として世界遺産に登録されました。
1959年 本館開館時
2016年 世界遺産登録時
2022年 完成予想図
ル・コルビュジエが考えた前庭の構想を復原します。
長期休館期間中に、国立西洋美術館コレクション展が、山形美術館(7/17〜8/27)と高岡市美術館(9/10〜10/24)にて開催される。
長期休館中だからということでなく、国立美術館が毎年輪番制で実施している国立美術館巡回展で、2021年が国立西洋美術館の担当年であるためである。
しかし、長期休館中だから、出品作は例年に増して豪華になるのかなあと思って、山形美術館HPの出品リストを見ると、全くそんなことはなかった。貸出料があるわけでなく、作品の輸送・梱包・保険に関係する費用は国立美術館が負担する、その辺りは国立美術館としての役割。継続性を重視し、前例並み踏襲となるのだろうか。
ル・コルビュジエの提唱した「無限発展の美術館」というコンセプトで弟子の板倉準三がデザインした鎌倉近代美術館(カマキン)もリニューアルしてきれいになりました。国立西洋美術館はカマキンの7年後だそうで、よき師、よき弟子が高めあったのだと思います。リニューアルが楽しみです。
コメントありがとうございます。
神奈川県立近代美術館鎌倉館は20年以上前に1度入館したことがあるくらいです。最近重要文化財に指定されたのですね。今度鎌倉に行く機会があれば、建物目当てに鎌倉文華館鶴岡ミュージアムに行ってみたいと思います。