システィーナ礼拝堂「最後の審判」が劣化危機。
バチカン博物館は、9月に特別委を立ち上げ、1年後の結論を目指し本格的な保存対策の検討に着手。
・年間入場者は、1990年の200万人から今年は450万人超(2.3倍!)
1日当たり1.5~2万人、休日は2.5万人。
・各国からの入場者の靴が運んできた土ぼこりや細菌
・入場者の出す熱や汗による礼拝堂内の温度・湿度の上昇と閉館後の急低下。
→この繰り返しで、天井や壁に付着した細菌等が化学変化を起こし、カビ発生の原因となる。
・前回の大修復時に空気清浄機や大型エアコン設置も、想定以上の入場者のため、能力が追いつかない。
・歴史遺産の保存と観光の両立という課題。
・日本の3D技術を利用したバーチャル礼拝堂
(アンブロジアーナ絵画館で、ウェブサイト上でのバーチャル見学を検討中(「手稿」が対象の模様))
・人数制限
(ダヴィンチの「最後の晩餐」やスクロヴェーニ礼拝堂のように一度に25人まで)
・温度調整室
(扉を開閉するたび外気が入り込まないようにする。入場者が15分待機して体温を下げる)
館長談「入場制限はしたくない。」「単なる博物館の一部ではなく、カトリックにとって最も重要な礼拝堂だから。」
「最後の晩餐」やスクロヴェーニ礼拝堂とは規模が違うシスティーナ礼拝堂。いい解決方法が見つかりますよう。みんなローマに行ったら見ておきたいですものね。
※ 朝日新聞2010年10月8日朝刊の記事からのメモ