VR作品「伊能忠敬の日本図」
2014年6月4日~9月28日(水~日曜)
東京国立博物館・東洋館地下1階
TNM&TOPPANミュージアムシアター
東洋館地下1階にあるTNM&TOPPANミュージアムシアターに初入場。
VR(バーチャルリアリティ)作品「伊能忠敬の日本図」を見る。
想像と異なったこと。
◇専属ナビゲーターの女性が映像をライブ説明する形式である。
(音声入り映像が流れる形式ではない)
◇作品は、伊能忠敬の説明ではなく、日本図を見せることに重点に置いている。
東博所蔵の日本沿海輿地図(中図)の細かなディテールをダイジェストながらも見せる。
伊能忠敬の日本図について知ったこと。
1)
正本:1821年に幕府に提出。1874年焼失。
副本:正本と同様、伊能忠敬らにより制作。東博所蔵品はこれにあたる。
写本:上記以外のもの(伊能忠敬らは制作に非関与。針穴(後述)がない)
2)
大図:1/ 36,000、全214枚
中図:1/216,000、全 8枚
小図:1/432,000、全 3枚
3)中図の表示
赤いくねった線
:実際に忠敬が測量で歩いたところを示す。
針穴
:忠敬が測量を行った地点を表わす。
肉眼では見えにくい(見えない)。
正本・副本にはあるが、写本にはない。
測量方法(基本は導線法)
:開始地点と終了地点に「梵天」を持たせ、その2点の距離(歩測)と角度(専用の測量道具)の測定を繰り返して線につなげる。
赤い直線
:目印となる高い山などの方位を測ることにより、導線法の誤差を修正。
測量地点と目印の高い山などを直線で結び、方位を記載。
星印
:天体観測による測量を行った地点を示す。
4)伊能忠敬の願い
緯度1度当たりの正確な距離を知ること。
約30分の上映。日本図の細かなディテールはさすが。
その後、平成館1階企画展示室の「伊能忠敬の日本図」実物展示(~8/17)へ移動。
<展示作品>
全15点、うち伊能忠敬作の日本図は8点。
・日本沿海輿地図(中図) 東北
・日本沿海輿地図(中図) 関東
・日本沿海輿地図(中図) 中部・近畿
・日本沿海輿地図(中図) 中国・四国
・九州沿海図(小図)
・九州沿海図(中図)
・九州沿海図(大図) 第十
・九州沿海図(大図) 第二十
なお、中図8点のうち北海道2点と九州2点は展示対象外。
ナビゲーターが強調したとおり、絵画作品としても美しい地図。
特に東北は神々しさを感じるほど(←思い込み強)。
拡大映像を見たあとの実物は、細かなディテールが見えないのに戸惑い。
参考:1089ブログ
日本沿海輿地図(中図) 東北
梵天