東京でカラヴァッジョ 日記

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クラーナハから始まる -「ブダペスト」展(国立新美術館)

2020年01月27日 | 展覧会(西洋美術)
ブダペスト国立西洋美術館&ハンガリー・ナショナル・ギャラリー所蔵
ブダペスト
ヨーロッパとハンガリーの美術400年
2019年12月4日〜20年3月16日
国立新美術館
 
  
   入場して最初に迎えてくれるのはクラーナハの2作品。今回は風俗画で来たか、それも同主題の異バージョンで。
 
クラーナハ
《不釣り合いなカップル  老人と若い女》
1522年、84.5×63.6cm
ブダペスト国立西洋美術館
 
 
《不釣り合いなカップル  老女と若い男》
1520-22年頃、37×31cm
ブダペスト国立西洋美術館
 
 
   この主題は人気があったとのことで、クラーナハ工房は、少しずつ変化をつけた作品を多く残している。ブダペスト国立西洋美術館も、この2点以外にもう1点所蔵しているようだ。
 
クラーナハ(工房)
《不釣り合いなカップル》
16世紀、86×63cm
ブダペスト国立西洋美術館
 
 
   2016年のクラーナハ展でも、本主題の油彩作品が2点出品された。
 
《不釣り合いなカップル》 
1530/40年頃、19.6×14.5cm
ウィーン美術史美術館
 
《不釣り合いなカップル》 
1530年頃、38.8×25.7cm
クンストパラスト、デュッセルドルフ
 
 
   《不釣り合いなカップル  老人と若い女》は、近年来日したクラーナハ《不釣り合いなカップル》のうちで最大級の作品であり、本展第2の(本展西洋美術部門の)広告塔として活躍しているのも納得である。
 
 
   ブダペスト国立西洋美術館は、近年の日本におけるクラーナハの普及に大きな貢献をしている。
 
   2009年の「THE   ハプスブルク」展では、ブダペスト国立西洋美術館は次の2作品を貸し出してくれた。びっくりするほどの素晴らしい宗教画と美人画。まさに眼福。
 
クラーナハ
《聖人と寄進者のいるキリストの哀悼》1515年頃、165×123cm
ブダペスト国立西洋美術館
 
クラーナハ
《洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ》
1535年頃、87×58cm
ブダペスト国立西洋美術館
 
 
   2016年の「クラーナハ展」でも、ウィーン美術史美術館からの出品作を補完する次の2作品を貸し出してくれている。
 
クラーナハ
《聖母子》
1515年頃、81.6×54cm
ブダペスト国立西洋美術館
 
クラーナハ
《洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ》
1530年代、73.5×54cm
ブダペスト国立西洋美術館
 
 
   クラーナハ2作品から始まる本展覧会は、総出品点数が130点とボリュームたっぷりで、西洋美術400年とハンガリー美術300年の流れを追う。結構な体力と時間が必要である。
 
【本展の構成】
第1部   ルネサンスから18世紀まで
1.ドイツとネーデルランドの絵画
2.イタリア絵画
    ・聖母子
    ・聖書の主題 
    ・ヴェネツィア共和国の絵画
3.黄金時代のオランダ絵画
4.スペイン絵画  
     ー  黄金時代からゴヤまで
5.ネーデルラントとイタリアの静物画 
6.17-18世紀のヨーロッパの都市と風景
7.17-18世紀のハンガリー王国の絵画芸術
8.彫刻
第2部   19世紀・20世紀初頭
1.ビーダーマイヤー
2.レアリスム―風俗画と肖像画 
3.戸外制作の絵画
4.自然主義
5.世紀末―神話、寓意、象徴主義
6.ポスト印象派
7.20世紀初頭の美術
    ―表現主義、構成主義、アール・デコ

 



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